番外編 宇宙漂流記ルミナス 147 バトルロボぶっちぎり大逆襲7
ゲルジオスに操られたミナとトロンはキガイマークⅡに合体し、辺り全てのロボ全てを敵と見て大暴れしている。
グレテンダーは運の悪いことにちょうど渓谷のアジトに戻ってきたタイミングでキガイマークⅡに跳ね飛ばされた。
「のごわぁぁぁぁ!」
「グレテンダー様ぁ!」
哀れグレテンダーは空の彼方に吹き飛ばされ、キラーンと光って姿を消した。
「このままではあの二人が暴走したまま壊れてしまう、ジェット、ロックドリル、トリプルダム、お願い。力を貸して」
「わかったぜ、セイナさン」
レッドジェット、ロックドリル、トリプルダムの三人はキガイマークⅡになったミナとトロンを食い止めた。
「クソッ、思ったよりコイツはキツいぜ!」
三人がかりで食い止めたキガイマークⅡは滝壺に投げ飛ばされてようやく暴走が止まった。
そのショックで分離したミナとトロンをガンドラーのデェエンドラが捕まえ、人質にしようとしている。
「おっと、下手に動いたらこの二人の命はないからね!」
「この卑怯者め」
「褒め言葉と受け止めておくわ、さあ、サタンデモーン6、トム・ストームを血祭りにしておしまい!」
「合点でさぁ、姉御! さあ、ワイがボコボコにしたんでぇ!」
サタンデモーン6はバイケンドー相手に巨大ロボ同士の対決をしている。
バイケンドーの攻撃は確実にサタンデモーン6にダメージを与えていた。
だが、ミナとトロンを人質に取られたバイケンドーは手も足も出せずにサタンデモーン6にサンドバッグにされてしまった。
「やっぱ弱いものイジメは最高でっせ、あのイケすかないトム・ストームをこんなに一方的にボコボコにできるなんて、悪役最高やー!」
「クッ、こんな事で……」
トム・ストームのバイケンドーはサタンデモーン6の一方的な攻撃でダメージを受けている。
このままではトム達がやられてしまう! オレはルミナス号に戻り、ビーム砲でジャガバールXに攻撃を仕掛けた。
「な、何だい、どこからの攻撃だい!?」
ディエンドラは遠方からの攻撃に驚いていたが、サイズの巨大なウィンセルやランセルを見てさらに驚いた。
「なんだい、あのバカでかいロボットは??」
バトルロボ達にとっては15メートル少しのMVでも巨大ロボになるようだ。
その巨大なウィンセルから撃たれたレールガンがガンドラーの母艦に大打撃を与えた。
「クッ、まさかあんな伏兵がいるなんて!」
「今だ!」
レッドジェットがミナとトロンをガンドラーから奪い、取り返した。
「どうやらこれでトム・ストームも本気を出せるようだな。では様子を見させてもらおうか」
バルーバインはジャガバールXの上に立ち、腕を組んでバイケンドーとサタンデモーン6の戦いを見ていた。
「人質がおらんでもワイは最強や! ボコにしたんでぇー! 喰らえや、デモーンレーザー!」
「無駄だっ!」
なんと、バイケンドーは片手でレーザーを受け止め、手にエネルギーを集めた。
「天よ地よ、火よ水よ、我に力を与えたまえ! ゴッドフィンガースマッシュ!!」
「ぎょええええぇぇぇ!!」
バイケンドーの全力で放ったゴッドフィンガースマッシュはサタンデモーン6の六体をバラバラになるまで吹き飛ばした。
吹き飛ばされたリーダーの関西弁チンピラロボはディエンドラに激突し、二人揃って気を失った。
「見事だ、トム・ストーム。だが、その身体ではもう戦えまい」
「バルーバイン! どういうつもりだ」
「お前とはまたいずれ決着をつける。それまでは誰にも殺されるな。そうだ、この渓谷にはお前達の探すモノがある。礼節を欠いた戦をした詫びにそれを持っていくが良い」
「バルーバイン!」
だがトム・ストームにバイリビドーの在処を伝えるとバルーバインはその場から姿を消した。
残されたガンドラー一味はジャガバールXで一目散に逃げ去ったようだ。
「これがバイリビドー?」
「確かにこれはバイリビドーだ、だがこのエネルギーはこのままでは持ち運ぶことも出来ない、何か方法を見つけなくては」
オレ達はこのエネルギー、バイリビドーを持ち帰れないトム達を見ているしかできなかった。
バイリビドーを手に入れるには宝石族の持つ聖杯がなくてはいけないのだ。
「確か、宝石族が持っている器を手に入れればこれを持ち運べるはずだったような」
「何だって!? それは本当か!」
この宝石族との邂逅は物語の中盤以降でわかる話だ。
だがオレはそれをトム達に教えてやった。
「ありがとう、オレたちは宝石族を探す事にする。レイジ、オレ達はここでお別れだ、だが、いつかまた会おう!」
そう言ってトム達は宝石族を探す為に去っていった。
どうやらこのバイリビドー、オレ達の求めるタキオンエネルギーに互換性があるみたいなのでルミナス号のエネルギーにはなるようだ。
オレ達はエネルギーを充填し、シロノス星からワープする事にした。
——ワープ開始5.4.3.2.1.0ワープ!——
シロノス星からワープしたオレ達は、どこかの中世っぽい城の近くに到着した。
辺りを調べると、何やら怪しげな美女と鼻の大きな痩せた男、それにゴリラみたいな三人組が何かを探しているようだ。
「お前達、何がなんでもコリャナンダーの秘宝を見つけるんだよ!」
どうやらまた変な世界に来てしまったようだな。




