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番外編 宇宙漂流記ルミナス 144 バトルロボぶっちぎり大逆襲4

「動かないで下さい、ワタシは非道な事はしたくないのです、トム・ストーム以外には本来手を出す気はありません」


 ミナというマシン族の少女はセイナにレーザーナイフを突きつけながら威嚇している。


「誤解よ、トム兄さんがそんな卑怯な事をするわけないわ」

「そうだッ、オレはトムと同じオイルを飲んだ仲だが、アイツが卑怯な事をするわけが無いゼ」

「信じられないわっ、あの占い師は……トム・ストームが父さんを卑劣な罠でおびき寄せて死ぬまでいたぶったという姿を見せてくれたのよ」


 どうも胡散臭い話だな。

 その占い師ってのが間違いなくガンドラーの手先だというのがこういう物語での王道展開なんだが、ここにいるミナという少女は見事にそれに騙されているといったところか。


「ミナさん、アンタはその姿を見たって言ってたけど、それ本当に見たと言えるのか?」

「どういう事よ、ワタシは水晶玉の占いで見せてもらったのよ、トム・ストームがキガイ父さんをめった刺しにしているのを」


 ここで考えられるのは、間違いなくその映像はリアルタイムのものではなく、水晶玉で映しているふりをしながら以前に編集した動画を投影しているってとこだろうな。

 だが、それを証明する為には、その占い師ってヤツを問い詰める必要があるだろう。


「アンタ達、誰なのよ。見たことの無いような姿だけど、何族なの?」

「オレ達は宇宙から来たんだ、この星に不時着したのを彼等に助けてらったんだけど、この人達は悪い人達では無いとオレは保証するぞ」

「そんな、信じられないわ。父さんの仇を……」


 あーあ、どれだけ石頭なんだよ。いや、機械生命体だから金属頭と言うべきか。


「それだと……その、占い師ってのに、一度会ってみたらどうかな?」


 ここまで黙っていたトリプルダムがつぶやいた。


「そうだ、そうしよう。それならトムの潔白も証明できる」

「そうだ、その占い師に会えば本当の事がわかるだロ」

「信じられないわ、不本意だけど、それならセイナさんは人質にさせてもらいます」

「構わないわ、兄さんの無実を証明する為なら、私は人質になります。トリプルダム、手出しはしないで」


 そんなこんなで結局オレ達はその胡散臭い占い師を探す為にミナさんが占い師に会ったという渓谷を目指した。

 機械生命体でないオレ達は危険を回避するため、セドリック達が後方からウィンセルで護衛してくれる事になったが、その大きさにはさすがのバトルロボ達も驚いていた。

 

 渓谷に向かう道中で出てきたのはガンドラーの一味だった。


「オイ、ここを通りたければ燃料と鉱石を寄こしな。それとそこの可愛いねーちゃんはワイのお友達になってもらおうか」

「誰だ、セイナさんに無礼だぞ!」

「あ? 何やおどれは? ワイ、ハンサムボーイは嫌いなんや。さっさと消えんといてもうたるからな!」


 何だ何だこの胡散臭い関西弁は。


「黙れ、ガンドラーの悪党め。ここは天下の往来、誰も通るのを邪魔される筋合いはない」

「やかましいわい、ここじゃワイがルールなんや。なめとったらボコボコにしたるからな! なんや、そこのハンサムボーイを二度と見れんブサ男にしてやってもええんやぞ」


 この頭の悪そうな関西弁チンピラ丸出しのヤツ、コイツってひょっとしてあの六体合体するバカか?


「まあええわい、ここはワイよりも新入りにやらせたる、あんじょう気張りや。のう、新入り」


 そう言うと関西弁チンピラロボは後ろにいた少年にオレ達を攻撃させようととした。


「トロン! アンタ……何でこんなとこにいるの!」

「ミナ姉さん、姉さんこそ、何で父さんの仇と一緒にいるんだよ」

「え? どうなってるの?? アンタ、お金の代わりに占い師の人を手伝うって話だったじゃない」

「それで仕事を紹介されたんだよ、この人は、紹介先の仕事を教えてくれるって話だったんだ」


 あーあ、どうやらこの姉弟、ガンドラーに体よく騙されてしまってたみたいだな。

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