番外編 宇宙漂流記ルミナス 140 宇宙を駆ける王者6
どうやらオレ達のルミナス号はフラッシャー隊のすぐ後にワープに成功したようだ。
時系列的にはフラッシャー隊が宇宙にワープしてからまだ一時間も経っていない。
つまり、このワープ装置は短距離の行き先が分かっている場所だと座標指定で場所を選んでワープが出来るみたいだな。
ルミナス号はドビーとブラックフォックスの奪取した宇宙帝王の宇宙船の近くにワープできたようだ。
まあ数百メートルかの誤差はあるものの、座標指定の出来た短距離ワープなら成功するみたいだな。
「あ、アレはルミナス号、ここに来れたのか!」
フラッシャー隊は、オレ達がここにワープしてくるとは思っていなかったらしく、かなり驚いていた。
冷静だったのは以前にオレ達のルミナス号を見たことのあるドビーだけだった。
「オ前達カ。助カル、オ願イダ、ブラックフォックス二加勢シテヤッテクレ」
ドビーがルミナス号に直接コンタクトを取ってきた。
ブラックフォックスは宇宙帝王相手に孤軍奮闘していたらしく、かなりボロボロになっている。
「ブラックフォックス、待ってろ、今すく助けてやる!」
「グ、グクオオオォ……」
ブラックフォックスの目が光った。
どうやらオレ達の言った事が理解できたようだ。
そこにタイミングよく飛んできたのは、アイアン28とガイアだった。
どちらも大気圏を強引に突き抜けてここにやって来たらしい。
「な、何だと、この宇宙帝王に歯向かう者が他にもいるというのか!?」
「宇宙帝王、地球はお前には渡さない。アイアン28が相手だ!」
「オレも地球を守るために戦う。来い。五超神! 六柱合神ー!!」
ガイアを中心にトール、シバ、アヌビス、タロス、アプチの五機のロボが一つになり、巨大合体ロボゴッドアースになった。
「ゴッド……アァアアースッ!!」
「いくぞ、アイアン28、フルパワーだ!」
ゴッドアース、アイアン28、ブラックフォックス、それにルミナス号とウィンセルやランセルのMVとフラッシャー隊のコスモフラッシャーが協力し、宇宙帝王に総攻撃を仕掛けた。
「むう、こ、これはたまらんっ!」
「無様なモノだな、宇宙帝王」
「な、何だと! そ、その声は……ゲース皇帝か!」
「どれ、ワシが力を貸してやろうか? ワシの傘下になるならばの話だがな……」
宇宙帝王はアイアン28やブラックフォックスとの死闘で部下を失い、一人だけが残っていた。
「ふざけるな、誰が貴様なぞの!」
「ほうぅ、それでは死ぬがいい!」
「グワァアアアッッ!」
ゲース皇帝の目から放たれたビームが宇宙帝王を貫いた。
「よし、チャンスだッ! アイアン28、ハイパーアタックだ!」
「ブラックフォックス、頼ムゾ」
「アース……フラッシュ! スーパー・ファイナルゴッド……アース!」
宇宙帝王に三機のスーパーロボットの必殺技が炸裂した。
「バ……バカな、この……宇宙帝王……が」
宇宙帝王は大爆発し、宇宙の藻屑と消えた。
「ゲース皇帝! 次はお前だ!」
「フハハハハ、何故そう死に急ぐ?」
「問答無用だ! いくぞっ」
「フハハハハ、無駄だ」
ゴッドアースの投げたアースフラッシュはゲース皇帝をすり抜けた。
「今そこに見えるワシは幻。そんなに死にたければ……アルメロ星に来るが良い。もし辿り着ければの話だがな、フハハハハハ……」
「ゲースッ!!」
そう言ってゲース皇帝は姿を消した。
その場に残ったのはゴッドアースとアイアン28、ブラックフォックスだけだった。
ゲース皇帝が姿を消し、一旦平和を取り戻した地球では、アースの兄アークがゲース皇帝の事について話してくれた。
「ゲース皇帝はダシン星だけではなくアルメロ星を支配している。ボクはそこに行くワープ方法を知っている、みんな、アルメロ星に行く覚悟はあるのか?」
「もちろんだ、兄さん」
「アース……」
どうやらここからは遠距離ワープでのアルメロ星編の展開になるみたいだな。
だが下手にここでアルメロ星にオレ達までついて行くと、後々大変な事になりそうだ。
「すみません、オレ達はアルメロ星にはついて行けないんです……」
「わかった、いや、君達のおかげでアークさんが助かったんだ、言うならばアルメロ星に行けるのは君達のおかげだとも言えるからな」
オレ達はフラッシャー隊や章太郎達に別れを告げ、ワープ用のエネルギーを分けてもらいワープする事にした。
――ワープ開始まで、5.4.3.2.1.0ワープ!!――
ワープを完了させた俺達が到着したのは、どうも地球とは違う星のようだった。
そこにいきなり地面から穴を開けて出てきたドリルタンクがいた。
「おおっと、危ないゼ、こんなとこにいたら怪我してしまうってもんヨ」
そう言うといきなりドリルタンクが変形し、頭がドリルのサングラスを付けたようなロボになった。
「ロック、何があったの?」
「あ、セイナお嬢さん、いや、何でもないっス」
ドリルロボに話しかけたのは、美少女の形をしたロボットだった。
どうやらまたワープ先で変なとこに来てしまったみたいだな。




