番外編 宇宙漂流記ルミナス 139 宇宙を駆ける王者5
崎島博士の研究所に到着したフラッシャー隊は、宇宙に向かう準備をしていた。
どうやら今はブラックフォックスとドビーが宇宙で先に戦ってくれているらしく、アイアン28や章太郎、大崎署長は今から宇宙に向かうところだったらしい。
「おお、弟よ、久しぶりだな」
「兄ちゃんも元気そうでなによりだ。ところで話は聞いてくれたか?」
「わかってる。彼らには以前世話になった事があるんだ、そうだな……だいたい半年前か」
そうか、ワープは場所だけではなく時間も移動する場合があるのか。
以前バルバック隊の世界でゴーマージンが出て来たが、時系列的には数ヶ月経った後の話だった。
今回はそれが半年経っていて、どうやらアイアン28と大崎署長は地球の犯罪集団は倒したもののそれを掌握した宇宙帝王を倒す為に宇宙に向かおうとしていたらしい。
そこに弟の大崎長官からの連絡でゴッドアースやゲース皇帝の事を知ったようだ。
「ゴッドアースとゲース皇帝、それにタケル……か。色々な問題が一気に押し寄せたようじゃな」
大崎署長は髭をいじりながら話を聞いていた。
「わかった、そのゲース皇帝を倒すのにアイアン28も協力しよう。章太郎君、それでいいか?」
「もちろんです、署長。アイアン28は正義のロボットなんですから」
話はまとまったようだ。
フラッシャー隊には子供隊員もいるので子供用の宇宙服も存在する。
どうやら元から章太郎用の宇宙服をフラッシャー隊に手配してもらう話にはなっていたようだが、それにゴッドアースとルミナス号が参加する事になったというのが今回の話の流れだ。
アイアン28の章太郎とゴッドアースのタケルが握手をした。
2人は共に戦う事を約束したようだ。
「よかったよかった。さあ、準備完了次第宇宙に向かうぞ」
「大崎署長、ドビーから連絡が入っています」
連絡によると宇宙に先に向かっていたドビーはブラックフォックスと共に宇宙帝王の宇宙船を奪ったようだ。
「ワープ装置ソチラニ送ル。コレヲ使エバ大気圏突入セズ宇宙ニ来レル」
ドビーが送ってきたワープ装置は小型のもので人間が数人乗れるくらいのものだった。
まあそれでも大気圏突入の危険性が無い分こちらの方がリスクは少ないだろう。
「了解だ、ドビー。コレから章太郎とフラッシャー隊がそちらに向かう。それで場所はどこになっているんだ?」
「座標ハ今送ル。宇宙帝王ガ攻メテクル前ニ救援頼ム」
どうやらあまり時間はなさそうだ。
大崎長官は宇宙服に着替え、フラッシャー隊や章太郎と一緒に宇宙帝王の宇宙船に向かうようだ。
「長官、おれはガイアで宇宙に向かいます!」
「タ、タケル! 待て、待つんだ!」
だがタケルはガイアに乗り込み、そのまま大気圏に向かって飛び立った。
まあ超能力者の彼ならバリアを張って大気圏を突破出来るか。
タケルを見送った大崎長官がルミナス号の方を見て深々と頭を下げた。
「すまない、君達も連れて行きたいんだが、このワープ装置は小型で君達の宇宙船は連れていけないんだ……」
「長官、気にしないでください。オレ達は座標さえわかればすぐ追いつきますから」
「ぬ、そ、そうなのか。わかった。だが無理はするんじゃ無いぞ。宇宙船のワープ座標はドビーから君達のルミナス号に送る」
オレは大崎長官と握手をした。
そして大崎長官達とフラッシャー隊、章太郎がワープした後、オレ達はエネルギーを充填したルミナス号を浮上させた。
「MAYA、ワープ座標はわかるか」
——問題ありません。ここから目標近くにワープします。5.4.3.2.1.0ワープ!——
狙い通りにワープ出来れば良いんだが、コレで変なとこにワープしないでくれよ……。
ワープしたオレ達が見たのは、宇宙帝王と戦うブラックフォックスの姿だった。
どうやら短距離ワープは成功したらしい。




