番外編 宇宙漂流記ルミナス 136 宇宙を駆ける王者2
タケルの操るガイアはダシン星エスパーロボ、ゴール・ザッジにパンチを打ち込んだ。
だが、ガイアが巨大なロボットだとしても、ゴール・ザッジと比べれば大人と子供だ。
「フン、そんな貧相なロボでこのダシン星のエスパーロボがやられるものか!」
「うわぁぁっ!」
ガイアがサイキックビームの一撃を喰らい吹っ飛んだ。
マズイマズイマズイ! ゴッドアースと大和タケルはロボットゲームで出てきた時に動く死亡フラグと言われていたんだ。
つまり、タケルの中に仕込まれた超小型反陽子爆弾はタケルの死と同時に発動する。その為ガイアおよびゴッドアースの敗北は反陽子爆弾の発動、すなわち地球の滅亡を意味するのだ。
この設定は漫画版のアースから持ってこられた設定そのままなので反陽子爆弾という内容は変わっていない。
本来は巨大ロボットのガイアに反陽子爆弾を埋め込んでいるという設定のはずだったが、それでは主人公の超能力者の設定がいまいち使いきれないので人間ドラマを深掘りさせるためにアースに直接爆弾を埋め込む話になったらしい。
だから下手にタケルがダシン星の超能力者に敗れてしまうと地球滅亡でオレ達もワープできないまま巻き込まれてしまう。
この状況をどうにかするには、助け出したアークのペンダントをアースに渡すしかない。
このペンダントは太古の昔、地球を訪れた宇宙人が古代文明の地球人を監査するために残した六機のロボを復活させるためのシステムだ。
古代エネルギー・クチスワカを巡り太古の人類が争う中、地球に訪れていた宇宙人はその六機のロボで古代の人類を静めた。
その六機のロボが一つになった姿、それが六柱合神ゴッドアースなのだ。
「頼む、地球人よ。このペンダントを、ぼくの弟に渡してくれ」
「あ、あなたは? 今動いちゃダメよ! まだ怪我してるんだから」
「今はそんなことを言っている場合じゃないんだ、このままでは地球が滅びてしまう」
アークは看病をしてくれていたセーラにペンダントを手渡した。
さて、誰がこのペンダントをあのガイアの中のタケルに渡せばいいんだ。
オレはルミナス号の通信機で上空を飛んでいた戦闘機に連絡を取った。
「こちらルミナス号、こちらルミナス号。至急伝えたい事がある。応答頼む!」
「こちらフラッシャー隊、頼みたい事とは?」
やった、どうやらフラッシャー達がオレ達の通信を受けてくれたようだ。
オレはアークから受け取ったペンダントをルミナス号に着艦したフラッシャー隊の隊長に手渡した。
「頼む、時間が無いんだ、これをあのガイアに乗っているタケルに渡してくれ」
「あ、あのロボットの中にタケルがいるのか!?」
どうやらフラッシャー隊の隊長はガイアの中にフラッシャー隊隊員のタケルがいる事に驚いたようだ。
だがその後隊長はエスパーロボに吹き飛ばされて岩にめり込んでいたガイアのところに行き、中のタケルを呼び出した。
「タケル、タケル、応答しろ。本当にお前なのか?」
「この声は、隊長。危ないからすぐ離れてください」
「そうはいかん、私は君に手渡して欲しいとペンダントを預かった。コレを渡したいのだが、中にはどう入ればいい?」
「隊長、このガイアはおれ以外は入れません。ペンダントを放り投げてください」
フラッシャー隊の隊長は言われるままにガイアの胸部めがけてペンダントを放り投げた。
「し、しまった! あれをアースに渡されると!」
隊長の放り投げたペンダントはガイアの中に吸い込まれ、ペンダントはタケルの手に届いた。
「感じる! 力を感じるぞ。五体の力を!! 来い! オレのところに!」
ペンダントを手にいれたタケルが叫ぶと世界中の遺跡に眠っていた五体のロボが明神岩に集結した。
ガイア・トール・シバ・アヌビス・タロス・アプチ、六機のロボが一つの巨神に合体するのだ。
「六柱合神ーーー!!」




