番外編 宇宙漂流記ルミナス 130 レーザーブルースカイ2
スタローン将軍の問いかけに応えないとオレ達も反乱軍の一員と見なされる。
「オレ達は宇宙船の乗組員だ。どうにか新型の宇宙船を奪って反乱軍から逃げて来た、アースフォース、救援を願う」
「了解だ、今からそちらにチャーリーとモハーベが向かう。マリリン、彼等に通信を頼む」
このスタローン将軍という人物、地球防衛軍アースフォースの司令官のようだ。
「ありがとうございます、オレ達は月面の反乱軍基地の場所を知っているので案内できると思います」
「そうか、それは助かる。サトシのビデリオンも後々合流するはずだ、それまでどうにか持ちこたえてくれ」
こうしてオレ達は地球防衛軍アースフォースを月面反乱軍の基地に案内する事になった。
本編の話ではダーク帝国の侵略は月面反乱軍の乗っ取りの後で本格化する。
それまでは彼等はゴッドワルド博士の副官であるアーチとインパルス大佐を利用する事で暗躍しているのだ。
アーチもインパルス大佐もボスを張るには小物だ、
だが分不相応にゴッドワルド博士の反乱軍を乗っ取ろうとしている。
それをけしかけたのがダーク帝国のタイタン、エンケラドス、ミマスの三人だ。
彼等はプロビデンス総統というダーク帝国総司令官の指示で動いている。
このプロビデンス総統というヤツもかなりの曲者でラスボスのはずのダーク大帝を毒殺するキャラだ。
なんというか、小物のくせに分を弁えずにやたらとボスになろうとするやつら、そいつ等の自滅で組織が崩壊する流れというのがこの時代の作品には多かったイメージだ。
どうもこの作品や戦隊ヒーローの脚本を書いていた担当者のインタビューに、番組の後半での組織崩壊は学生運動での経験が参考になっている、というものがあったが、そう聞くとなるほどと納得できる。
って、よく考えたら分を弁えずに親の権力でのうのうとしていたって……以前のオレじゃねーかよ!!
いや、マジで人の振り見て我が振り直せとは言ったもんだ……。
今考えると、もしオレが元の世界で仮に大河内先輩を蹴落としてバレなかったとしても、もしあの等身大ガンボーグの制作責任者として不備があった場合、いやいや、もし最悪観客に死者でも出た場合はいくらオレの親が会社の重役でもかばい切れない程の大損害を与えかねない危険性もあったんだ……。
やはり組織や団体のボスを張るには部下に寝首を描かれないようにしなくてはいけない、また、やる事には責任を持たなくてはいけないって事か。
そう考えるとゴッドワルド博士は独裁者ではありつつも目的はあくまでも月面のゴミ投棄の中止と低所得層や犯罪者の流刑地への反抗というまっとうな理由だ。
それに対してアーチやインパルス大佐は所詮ただの地球の支配者になりたいというだけの小物。
どう考えてもオレ達が助けるべきはゴッドワルド博士だといえる。
「このまま反乱軍の基地に突っ込むぞ!」
オレはMAYAに頼んでバリアを展開しながら反乱軍の基地にルミナス号ごと突っ込んだ。
バリアに弾かれた物が次々と破壊され、反乱軍基地に風穴が空いた。
あの司令塔、あそこに今ゴッドワルド博士がいるはずだ、あそこの窓をぶち破れば!
オレはルミナス号のミサイルを発射し、ゴッドワルドの居る司令塔の窓ガラスをブチ破った。
よし、あそこから侵入できるぞ!
「チャーリー、どうやらゴッドワルド博士はあそこにいるみたいよ」
「わかった、モハーベ、後はおれに任せろ」
アースフォースのチャーリーがフックワイヤーでロボットの頭部コクピットから反乱軍の司令塔に入り込んだ。
「な、何だキサマらは!」
「おやおや、どうやら仲間割れしていたみたいんだな。だがそれを見逃す程おれはお人好しではないんでな、全員手を挙げてもらおうか」
どうやらチャーリーのおかげでゴッドワルド博士の暗殺シーンは阻止できたようだ。




