番外編 宇宙漂流記ルミナス 126 STAR_SHIP3
3DCGをイベントのために作ったりしていてなかなか時間が取れませんでした。
ようやくそれが終わったので前のペースに戻せるようにします。
今回の話でこの番外編の根幹に関わる大きな話が見えてきます。
ドラゴン型の宇宙人グラスマンはウォーケンと名乗った。
彼が言うにはバスコーン海賊団とは、独裁軍事帝国バスコーンの宇宙軍の総称らしい。
バスコーンは帝国を名乗っているが、その実やっている事は略奪、搾取、蹂躙、破壊といったもので統治を目的としているものではなさそうだ。
そして今宇宙パトロールはこの近くの星ロネリゴにある鉱物から生成される麻薬、ソルトナイト採掘基地を破壊する為にこの場所にいるらしい。
オレ達を助けてくれたシム・キムスンは父親がバスコーンに殺され、本来のグラスマンからバスコーン文明の秘密とグラスマンの力をその腕に受け取った新米のグラスマンだった。
まあ、たしか以前見た映画でそれは見た覚えあるな。
確かアニマキシマムチャンネルだったかな……CSは何気にDVD化していない作品を週末のミッドナイトシアター作品としてマイナー作品を放送することがあったからな。
他には天王計画ゼオレイガーだの、ナンバーワンをめざせ! だの、大激闘鬼・HAGANEだのもやってたか、あ、そういえば前に立ち寄ったテクターAやダンザイオーもそれで見たんだった。
まあ地方の夏休みアニメシアターでもいくつかは見た覚えあるけどな、あの時代OVAがクソ高かった分、テレビで夏休みや冬休みスペシャルで放映するテレビ局もいくつかあったもんだ。
……まあ、それはさておき、グラスマンはオレ達の事を尋問することもなかった。
これはブルーリカバー等とは違い、彼らに本当に人の心や嘘を見抜く力があるからだろう。
「成程……そういう事か。そのモノリスとやらの場所に案内してもらえるか?」
「アンタ……」
「ウォーケンだ。大丈夫だ、悪いようにはしない。我らの敵はあくまでもバスコーンとそれに加担するものだけだ。宇宙パトロールの名に懸けてそれは約束しよう」
ウォーケンはオレ達の乗っていたルミナス号に積まれたモノリスを見て何かを確信したようだ。
「そうか、そういう事だったのか。これは……異世界における我々のグラスのような力を発揮するアーティファクトといえるな」
???? それってどういう事だ?
「あ、あの……ウォーケンさん、それってどういう事なのでしょうか?」
「そうだな、君の名前は……レイジ、と呼んだ方がいいのか?」
マジでこいつら人の心を見抜くグラスってのは嘘じゃないみたいだ。
オレがレイジを偽名で使っていることをわかりつつ、それで子供達に不信感を抱かせないようにオレの名前を亀木ではなくレイジと呼んでくれている。
「は、はい。それでお願いします」
「わかった、それで……レイジ、このモノリスは……宇宙の意識を詰め込んだアカシックレコードへの接続媒体といえるだろう。君達が目的の場所にたどり着けないのもそれが理由だといえるかな」
「そ、それって……このモノリスを捨てればオレ達は本来の星に戻る事ができるって事なのか?」
「いや、それはやめた方がいいだろう。これを失えば、君達は本来の場所にたどり着くどころか、永遠の宇宙の放浪者になってしまう、また……君達の声が異世界の者にはタダの獣の鳴き声にしか聞こえなくなり、意思疎通もできないままその世界で殺されてしまうかもしれない……」
――なんだよそれ!?
それってことは何だ、つまり……オレ達はモノリスを捨てたら元の世界に戻れない、だからとモノリスを積んでいる限りはオレ達は本来の場所にたどり着けないという話なのか??
それじゃあオレ達はどうすれば元の世界、もしくは移民惑星テラニアに到着するんだ?
「それじゃあいつまでも永久にオレ達は別宇宙の異世界をさまようことになるのかよ!?」
「いや、そうとは限らない。君達は異世界の救いを求める意思に引き寄せられているといえるだろう。本来、不幸な結末を迎える事になるはずだった世界、それは君達のおかげで本来の不幸から免れるきっかけを手に入れたとも言えるだろう」
本来の不幸から免れるきっかけ?




