番外編 宇宙漂流記ルミナス 123 チェンジフォーマー6
トレーラー司令官が重症化する前に鎮静化出来たのでオートロン軍団はようやく落ち着きを取り戻せたようだ。
「お前、凄いじゃないか! 本当に地球人なのか?」
オートロンのメンバーに分かってもらうため、オレはウィンセルから降りた。
どうやらロボの中から彼らにとっての小型な生命体、つまり地球人が出てきたのがかなりの驚きだったようだ。
まあチェンジフォーマーにとっての地球の乗り物は彼らの姿をその星々の文明に合わせて作った姿なので今は地球にいるから地球の乗り物にしている、というところなのか。
「本当に地球人だ。トレーラー司令官を助けてくれてありがとう」
オートロンのメンバーと仲良くなったオレ達はルミナス号で彼らの基地に到着、今までの話をするとトレーラー司令官はオレ達が別の世界にワープする方法を探してくれると言ってくれた。
「わたしに良い考えがある。多分だがエナジオンキューブを使えばキミたちのその……ルミナス号のエネルギーに変換してワープが可能かもしれないな」
このトレーラー司令官の良い考えが本当に役に立った事はほとんど無い。
むしろ周りのオートロンメンバーのおかげ、もしくはスターストーム等の自滅のおかげでピンチを免れていると言った方が正解だろう。
「よし。それではデセプトロンの基地に行き、エナジオンキューブを手に入れよう。今あるものは暴走してしまいそのままで使うのは危険だからな」
……まあ、今はそれにあわせて動くか。
オレ達のルミナス号はオートロンについていく形でデセプトロン基地に向かった。
だが、到着したデセプトロン基地はおかしな事になっていた。
どう見てもテラトロンの姿が無く、スターストームが変な王冠とマントをつけてデセプトロンのメンバーを働かせているのだ。
「テラトロン亡き今、デセプトロンのニューリーダーはオレ様だッ! お前達はオレ様とアンノウンの為に死ぬまで働くのだッ!! 壊れたモノは容赦無くぶち壊すッ!!」
上機嫌のスターストームはアンノウンに操られているようだ。
どうやらテラトロンはアンノウンの力を手に入れたスターストームに倒され、どこかに追放されたらしい。
このままアンノウンを放っておくと、あの超惑星サイズの怪物はこの地球をメチャクチャにしてしまう!
——そうなるとオレ達が元の世界に戻れなくなってしまう!!
それだけはどうしても避けなくては。
オレ達はデセプトロン基地内部に侵入し、エナジオンキューブを探すのと、テラトロンを探す事にした。
ルミナス号のカメラはトレーラー司令官に付けさせてもらっているのでトレーラー司令官の動きはこのまま見る事ができそうだ。
そしてらどうやらテラトロンはアンノウン内部に閉じ込められている事が発覚、それを救い出す為にトレーラー司令官が単身乗り込んだ。
「テラトロン、無事か!」
「その声、トレーラーか。落ちぶれたワシを笑いに来たのか?」
「その態度ならまだ無事みたいだな。安心しろ、ここから出してやる」
「何だと?」
エナジーアックスで電磁檻の電源を壊したトレーラー司令官はテラトロンを助け出す事に成功した。
すると、アンノウンが地響きを上げて動き出したようだ。
「このままでは、アンノウンが動き出してこの地球が崩壊するぞ!」
「トレーラー、ワシを使え!」
そう言うとテラトロンは大型のバズーカ砲に変形した。
そのバズーカ砲を構えたトレーラー司令官がアンノウンの中枢部を狙う。
「トレーラー、ヤツの弱点はあの中央部分のマトリックスシステムだ!」
「わかった、やるぞ」
トレーラー司令官とテラトロンが協力し、アンノウンのマトリックスシステムを撃ち抜いた!
すると、不完全な変形のままアンノウンの頭部が外れ、空中に浮き上がった。
どうやらあの頭部だけでも攻撃出来るようだ。
「テメーは、トレーラー、それにテラトロンもいるのかよッ!?」
「スターストーム、この愚か者が!」
この騒動の間にオレ達はエナジオンキューブをワープエネルギーに変化させ、ついにワープ可能のエネルギーを溜め込んだ。
だがこのままここを離れるのはどうなのだろうか。
そう考えるとこのワープシステム、あのアンノウンに使ってしまいアレを宇宙の果てに飛ばしてしまった方が良さそうだ。
「MAYA、ワープシステムをあのアンノウンに向けて使うぞ、出来るだけ遠くの宙域を弾き出してくれ!」
——わかりました、無茶させてくれますね。ワープ準備完了、5.4.3.2.1.0ワープ!!——
「うわぁぁぁ! オレ様のアンノウンがーッ!」
アンノウンに弾き出されたスターストームがその辺りに転がった。
そして、ついに超巨大惑星サイズチェンジフォーマーのアンノウンは宇宙の果てに強制ワープさせられた。




