番外編 宇宙漂流記ルミナス 120 チェンジフォーマー3
トレーラー・プライムとテラトロンの対決は一騎打ちだ。
お互いがエナジーアックスとエナジーハンマーで殴り合い、双方共に互角と言える。
「久しぶりだな、トレーラー・プライム。貴様とこのように戦うのは何回だ?」
「さあな、両手の指で数えても足りないだろう。ディアブロやテスタロッサの指を借りても足りないだろうな」
「フッ、減らず口を叩きおるわ、この若造が!」
テラトロンとトレーラー・プライムがどれほどの年齢差なのかは当事者達以外にはわからないだろう。
だがこの言い方からするとテラトロンの方が年上だというのは間違いない。
テラトロンのエナジーハンマーがトレーラー司令官に直撃した!
「ぐぁぁあ!!」
ダムのへりで戦っていたトレーラー司令官がダムの壁を壊しながらダム湖の中に落下した。
「フィッシャーズ、出番だ!」
テラトロンが号令をかけると、ダム湖の中からカニ型、エビ型、タコ型、エイ型、サメ型、マンボウ型のチェンジフォーマーが姿を現し、タコの触手パーツでトレーラー司令官を縛りつけた。
「今だ、合体せよ、ダークトライトン!!」
海洋生物型のチェンジフォーマーが一つに合体し、巨大なロボットに姿を変えた。
「「「「「「海神合体ダークトライトン!!」」」」」」
「クソッ、このままでは……」
「司令官、ここはおれたちに任せてくれ!」
空から飛来した飛行機型ロボットがビーム砲でダークトライトンを攻撃した。
「航空将校スカイファイターの登場だ!」
オートロンの飛行チームが編隊を組んで飛来した。
「おっと、あのデカブツ以外にも合体戦士がいるんじゃ大変そうだな、ここはおれ達スカイフォースに任せな!」
スカイフォースの飛行機型ロボが変形し、巨大な一機の巨大戦士になった。
「「「「「合体飛行戦士スカイ・スペリオル!」」」」」
まあ見事なまでの販促丸出しの戦士投入というべきか、今度は飛行機ロボが合体した巨大戦士が完成し、ダークトライトンに攻撃を仕掛けた。
「トレーラー・プライム。何故ワシと戦う?」
「お前達が宇宙の平和を乱すからだ!」
「若いな、まだモノの本質が見えておらん」
テラトロンは諭すような言い方でトレーラー司令官に話しかけた。
「お前はワシを悪だと見てあるな。だがその悪は誰が決めたモノなのか?」
「それは宇宙の意思、マトリックスだ!」
「そのマトリックスが間違っていると思った事は一度も無いのか?」
テラトロンは悪の軍団のリーダーにしては部下を思いやり、必要以上に自然や人類に危害を加えないので一部では理想の上司とも言われている。
「お前はマトリックスに操られている、と感じた事はないのか。それはそれでおめでたいやつだ。ならばハッキリと言ってやろう! 今のお前達が集めているエナジオンキューブ、それは……ヤツを呼び寄せるエサだ!」
「エナジオンキューブがエサ? 馬鹿な、お前達はエナジオンキューブを独り占めしてこの宇宙を支配しようとしているのではないのか!」
この話、聞き覚えがあるぞ。
確か映画版のボスのとんでもない破壊惑星型チェンジフォーマーがマトリックスに偽のメッセージを流させ、エナジオンキューブをオートロンから奪い、自らのエネルギーにしようとした話だ!
「ば、馬鹿な! そんな話が」
「嘘ではない、ヤツの名は……アンノウンだ! 惑星サイズの超巨大チェンジフォーマー、お前達はヤツの言いなりになり、エナジオンキューブを集めていたのだ!」
あまりの急展開に思考の追いつかなくなったトレーラー司令官はダム近くに溜めていたエナジオンキューブをエナジーアックスで切り崩し出した。
「もういい! もうたくさんだ!! このダムごとエナジオンキューブを破壊する!!」
あーあ、ついにトレーラー司令官の自棄が始まっちゃったよ……。




