番外編 宇宙漂流記ルミナス 115 アイアンファイター3
アイアン28とブラックフォックスは一旦戦闘を中断した。
このままお互い戦っていてはフランベ三世とギルベルトにやられてしまうからだ。
フランベ三世はグラン・フランベ博士の作った巨大ロボで、ギルベルトはドラクリオ博士の作った巨大ロボだ。
第一作ではどちらもバラバラに鉄機28號に戦いを挑み破れていたが、どうやらこのリメイク版では手を組んでいたらしい。
オレはこの作品本編の頃はまだ幼稚園すら行ってなかったのでそこまで覚えてないからあくまでも知識としてはロボットシミュレーションゲームに参戦した時のデータしかほとんど覚えていない。
まあ、家にアイアン28の頭部のついた自転車があって目の部分がライトになっていたのだけは覚えてたが……。
アイアン28とブラックフォックスはお互いが背中を合わせながら反対を見る形でどこから敵が攻めてきてもいいように体勢を取っている。
フランベ三世はグラン・フランベ博士が黒部峡谷のロボットコンベションに参加する形で作った土木用のフランベ二世を軍事用に再構成したロボットだ。
溶鉱炉に匹敵する温度のフランベ光弾は本来溶接や金属加工用だったシステムを軍事利用したもので、辺りを焦土に変えてしまうほどの威力だ。
フランベ三世はそれをアイアン28目掛けて放ってきた。
いくらアイアン28といえど、それを喰らえば溶けてしまう。
だが、アイアン28はあえてそれを避けようとしなかった。
何故なら、その攻撃を避けると、街に降り注いだフランベ光弾が逃げ遅れた人達を灼熱地獄で燃やして尽くしてしまうからだ。
それならアイアン28はどうやって戦うのか!
「アイアン28! フルパワーだ!!」
「ガオォォーン!!」
アイアン28の目が光る。
そしてアイアン28は両手を広げ、空高くに飛び上がり、きりもみの高速回転をしながらフランベ光弾目掛けて飛び込んだ。
つまり、アイアン28はきりもみ回転の力でフランベ光弾を吹き飛ばそうというのだ。
——だが、このままでは小さく飛び散ったフランベ光弾の欠片が飛び火し、街に火災が起きてしまう。
「大崎署長、オレを一旦解放してくれ! 理由は後で話す!!」
「う、うむ。わかったわい。後できちんと理由を話すんだぞ」
「ありがとう、霧雨さん、オレをルミナス号に連れて行ってくれ」
「わ、わかった。しっかり掴まってろ!」
霧雨がオレを抱えて忍者飛びでルミナス号に運んでくれた。
「MAYA、電磁バリアを頼む。このままではあのフランベ光弾で街が焼け野原になってしまうんだ!!」
——了解です。電磁バリア発動。——
ルミナス号が飛び上がり、電磁バリアを張った。
その電磁バリアのおかげで四散したフランベ光弾の破片は消滅、アイアン28はきりもみ回転のままフランベ三世を空に跳ね上げた。
「わしのフランベ三世がぁぁ!!」
グラン・フランベ博士はアイアン28に翻弄されるフランベ三世を見て驚愕している.
アイアン28のフルパワー攻撃を受けたフランベ三世はそのまま地面に叩き落とされた。
だがフランベ三世はまだ諦めていない。
フランベ光弾をもう一度上空に向けて放とうとしているのだ。
「アイアン28! トドメを刺すんだ!」
「ガオォォーン!」
アイアン28は基本的に武器を持たないロボットだ。
そこはまるで巨神オーグと同じだと言えるだろう。
だが、アイアン28はその辺りにあるものも武器にする。
そして、アイアン28は倒壊したビルの主柱の鉄骨を引き抜き、フランベ三世目掛けて投げた。
「ガギャァァァ!?」
断末魔の叫びを上げ、フランベ三世がフランベ光弾の発射口に突き刺さった鉄骨のせいで増幅炉が膨張、内部から膨れ上がり大爆発を起こした!
「わしのフランベ三世がぁぁぁ!!」
フランベ三世はアイアン28によって木っ端微塵に粉砕された。
「フン、だらしない奴だ。このワシのギルベルトならアイアン28やブラックフォックスといえど、敵ではない!!」
ドラクリオ博士の怪ロボット・ギルベルトはブラックフォックスと向かい合っていた。
さあ、この対決、どうなるのだろうか。




