番外編 宇宙漂流記ルミナス 113 アイアンファイター1
青いロボと黒いロボのニ機の対決は夜の街を舞台に繰り広げられている。
あのロボットは! 有名すぎてむしろ一般人でも知らない人の方が少ないだろう。
——鉄機28號——
大昔の白黒テレビの時代に作られた巨大ロボの元祖とも言える作品だ。
だが、今オレ達の見ているのはそれではなく、リメイク版のロボットだ。
——太陽の使者アイアン28——
コレがフルカラーでリメイクされた鉄機28號だ。
金子章太郎がリモコンで操るロボットをリメイクしたもので、リモコンはSコマンダーと呼ばれる飛行マシンと一体化したものになっている。
また、デザインもシャープでスマート、それでいながらスーパーロボットのカッコ良さを追求したデザインで、原作者も何度かリメイクされた中で一番このタイプが気に入っているとインタビューしていたくらいだ。
そう、オレ達の見ている対決はアイアン28とライバルロボットのブラックフォックスとのバトルだ。
ブラックフォックスは全身が真っ黒で狐のような尖った耳と目を持ったライバルロボ。
ビクトル・シュタイン博士の作ったロボットで彼の頭脳を移植する最中の事故でリンクが切れてしまい、博士は死亡、ブラックフォックスは五歳児程度の知能になってしまった。
それを謎のロボット、ドビーが奪い、自らの手足として使おうとしているのだ。
また、ブラックフォックスとアイアン28は国際ギャング団ブラッディ・サスペンスやグラン・フランベ博士も手に入れようとしている。
それを阻止するために国際警察機構の大崎署長、霧雨影丸がコレらの組織を捜査している。
章太郎は扱い的にその国際警察機構の特別隊員としてアイアン28でロボット犯罪者と戦っているのだ。
そしてオレ達が出くわしたのがそのアイアン28とブラックフォックスとの対決シーンだったというわけだ。
「行け、アイアン28! アタックパンチだ!」
「ガオォーン!」
アイアン28は大きく振りかぶり、ブラックフォックスにパンチを打ち込んだ。
だが、ブラックフォックスはびくともせず、そのパンチを受け止めた。
流石はアイアン28のライバルというべきか。
「アレガ……アイアン28カ。ブラックフォックス、破壊光線ダ」
「ピピピピピ……」
ドビーがブラックフォックスに命令を出した。
ブラックフォックスが目から破壊光線を発射した。
アイアン28は胸のパーツで破壊光線を受け止めた。
流石は頑丈さに定評のあるロボットというべきか……。
夜のビルの影に隠れてアイアン28とブラックフォックスの対決を見守っていたオレ達だったが、MAYAがいきなり緊急信号を発信した。
——侵入者あり。侵入者あり! 緊急事態、緊急事態!!——
なんだって!? ルミナス号に侵入者?
だが、相手はオレ達の気がつくよりも先に動いていた。
「この程度のセキュリティ、伊賀忍法の使い手であるこの霧雨影丸の前には相手にならない」
「な、なんだコイツは!」
国際警察機構のエージェントである霧雨影丸にオレ達はなすすべもなく逮捕されてしまった。
そして、オレ達は大崎署長の前に出頭させられた。
「お前達は誰だ? どこの国の諜報機関、もしくはギャング団の所属だ?」
「誤解だ、オレ達はギャングでもどこの国のスパイでも無い!!」
「署長、この中には子供達と女性しかいません。どうやら誘拐された子供達かと思われます」
「な、なんじゃと。それはいかん。すぐに子供達を保護せよ!」
あーあ、変な誤解されたままオレ達は国際警察機構に捕まってしまった。
ルミナス号も国際警察機構に押収され、MAYAは今、大崎署長の親友である崎島博士によって分析中だ。
そして、オレは霧雨影丸に捕まってしまい、取調室で取り調べを受ける羽目になってしまった。
「さあ言え、あの子供達を攫ってどうするつもりだったんだ!? お前はどこの国の者だ?」
マジでこの状況、どう切り抜ければいいの??




