番外編 宇宙漂流記ルミナス 112 破邪恒星ダンザイオー6
ダンザイオーは典型的打ち切り作品だ。
最終的には博士が死亡、ダンザイオーは博士の最後の力でワープビームによってどこかの星に逃げたが、その後の話は描かれる前に打ち切られた。
それなので敗北エンドとか、ゲームで補完と言われている。
今は丁度その打ち切りに至る話の展開の真っ最中だ。
「ニア・アニスゥゥ! このバン・ゲアで血祭りに上げてやるゥゥゥ!!」
「バン・バーグ! 生きていたのですね!」
「貴様に奪われたこの目と左腕、この恨みを晴らすまでは死んでも死にきれんのだダァ!」
バン・ゲアがミサイルを連発してきた。
そのミサイルがダンザイオーを狙い撃つ!
ダンザイオーはミサイルをサイキックシールドで跳ね返した。
「グワアワァァァ!?」
「サンティラァァー!!」
なんと、跳ね返したミサイルは四天王のサンティラを直撃し、爆殺した。
「よくもサンティラを!」
いや、それどう考えても自滅としか言えないんですが……。
カッコつけて生身で出てきたアホにミサイルをカウンターされると思わず乱射したアホ、そのアホの相乗効果でやられるべくしてやられただけにしか見えない。
「何をいうか! ガンダーに苦しめられた多くのレジスタンス達の苦しみと悲しみ、その身で思い知ればいい!」
あ、そうか。このノリのままやってたからこのアホ展開でも熱血展開上乗せで誤魔化せたんだな。
まあやはり一挙配信時のコメントはサンティラが自滅だとツッコミ入りまくりで草生えてたけど、80年代はそれでも良かったわけか。
「フン、大事なものか。それならキサマらの大事なモノ、帰る場所を奪ってやろう! 見るがいい!!
——この展開は!
バン・ゲアのレーザー砲がダサーン博士のラボを狙い撃った!
「ワハハハハ! さあ、このバン・バーグを無視してラボに帰るか? だがもう遅い。キサマらが帰る頃には基地は木っ端微塵だ!
「博士!!」
「すまん、どうやら脱出装置が壊れておったみたいじゃ。ワシはもう助からん。お前達だけでもワープビームでこの場を逃れろ」
「そんな! ダサーン博士!」
ひょっとして脱出装置が壊れたのって、オレ達のルミナス号がワープ失敗で突っ込んだからか?
もしそうだとしたら、どうにか博士を助けないと。
「MAYA! ワープ装置で博士を助け出す事は出来ないのか!?」
——残念ですが、ワープさせてもあのラボごとになるのでワープ先で爆発してしまうだけです。——
なんて事だ! コレでは博士が死ぬのをただ指を咥えて見ているだけなのか。
今からではウィンセルやランセルでも間に合わない。
「ダンザイオーチーム、ワープビームでお前達を移動させる。さらばじゃ」
「「「「ダサーン博士!」」」」
ダサーン博士がラボからワープビームを放とうとした時! 見覚えのある銀色と緑のロボが姿を見せた!
あ、あれは!?
「テクターワープ!」
なんと、この場に現れたテクターロボからワープしたテクターAが爆発寸前のラボからダサーン博士を救出したのだ!
そしてテクターAはルミナス号の中に博士を連れてワープしてきた。
「アンタの相手はこのテクターキラーだよ! 覚悟しな!」
「のわぁぁー?? この、バン・ゲアが!? 誰だキサマァァァ!!」
「アタシもいるからね! ゴー! テクセリオン!!」
なんと、テクターA、B、Cがダンザイオーのピンチを救ったのだ!
「あ、アレは!? 宇宙船団ニャラルトホテプ!? クッ、ここは一旦退却だ!」
宇宙海賊ガンダーの幹部はその場から姿を消した。
「ニア・アニスゥゥ! 必ず、必ずキサマを殺してやるからなぁぁ!」
そう言い残すとバン・バーグも姿を消した。
そしてその場に残ったのはテクター姉妹とダンザイオーチーム、それにオレ達だった。
「すまない、どうやらお前さん達に助けられたみたいじゃな」
「シスター・ムラサキがお待ちです、ダサーン博士」
「な、なんじゃと! ワシに勝るとも劣らぬあの女か!」
どうやらダサーン博士はシスター・ムラサキを知っているようだ。
ダンザイオーチームはシスター・ムラサキに改修され、崩壊したラボは彼女達の手で再建された。
「お前さん達には世話になったな。お礼にワープビームでお前達の望む場所に送ってやろう」
ワープビームが使えたとして、本当に移民惑星テラニアに到着できればいいのだが……。
——ワープ開始します。5.4.3.2.1.0ワープ!——
ワープ完了後のオレ達はビルの街の夜のハイウェイ近くに到着した。
どうやらまた地球に来てしまったようだ。
そこでは、青い巨大ロボと黒い巨大ロボが対決していた。
オイオイ、あのシルエット見覚えがあるんだが……。




