番外編 宇宙漂流記ルミナス 111 破邪恒星ダンザイオー5
ダンザイビームで攻撃したダンザイオーに対し、レイザムザードは必殺技で迎え撃った。
「デッドハリケーン!!」
ビームが竜巻によってかき消される。
双方のロボはほぼ互角の強さだ。
レイザムザードが惑星イリス最強のロボだというのもうなずける話だ。
ダサーン博士がダンザイオーを宇宙最強のロボットと言っていたが、それに互角で戦えるレイザムザードは惑星イリスの科学力の高さを象徴していたとも言える。
だがいくら最強レベルのロボでも一機だけでは星を守る事は出来なかったのだろう。
だから惑星イリスは宇宙海賊ガンダーによって滅ぼされてしまった。
「ミッチェ、貴女は……何故ガンダーにっ……」
「くどい! お前達、王家を根絶やしにするためだ!」
その時ランダには過去の事が色々と思い出されたようだ。
まだ姫として幸せに暮らしていた頃の事、なぜオレがそれを知っているか、それは……以前配信サイトのスペシャル一挙放送で見たからだ。
そうなると、この後の展開は!
「ダメだ! そのままでは!!」
——レイジ? どうかしましたか?——
「MAYA、レーザー砲は使えるか?」
——使えはしますが、この攻撃力では何のダメージにもならないかと……。——
それで問題ない、この攻撃は倒すためではないからな。
「わかったわっ、ミッチェ……ボク……いや、わたくしが引導を渡します! トール、お願い!!」
コレは……涙のサイクロンナックルの話だ。
惑星イリスの王女だったランダが侍女長のミッチェを涙をこらえ、新必殺技のサイクロンナックルで倒す話だ。
「さようなら……ミッチェ、サイクロン……ナックルゥゥゥッ!!」
ダンザイオーの両手が前方で指を組ませる形で一つになり、一気に打ち出される!
「MAYA、頼んだ!」
ルミナス号から放たれたレーザー砲はダンザイオーを背後から撃った。
「な、何故だ!? キミ達はオレ達を裏切ったのか!」
トールが叫ぶ。
だがサイクロンナックルの発射は止められない。だがそれでいいんだ。
サイクロンナックルは体勢を崩したままレイザムザードに向かい飛び、上半身から頭部にかけてを吹き飛ばした。
「え? 何故……情けをかけたのですか、ランダ様。それが、侮辱だとして受け止められるとすら、思わなかったのですか!!」
レイザムザードは腹部にコクピットがある。
だから本編ではサイクロンナックルを腹部に喰らい、脱出することも出来ずに爆死してしまった。
しかし今は頭部から胸部が吹き飛び、コクピットはかすっただけになった。
本当ならミッチェを自ら倒すはずだったランダは躊躇する事なく、彼女に話しかけた。
「ミッチェ、ベン。わたくしはあなた方に決して償えない罪を犯してしまいました。しかし、生きて王家の汚名をそそぐ。それこそが生きる事なのです。わたくしは、このイリス王家の最後の生き残りとしての誇りを胸に、命尽きるまで戦い抜いてみせます!」
「姫様、立派に……なられました。私は、私は……」
「危ない! 脱出するんだ!!」
ウィンセルとランセルがビーム砲を撃った直後に飛び込みミッチェとベンを救出してくれた。
コレでダンザイオーの悲劇は避けられた。
と思ったのだが!
「ニアァァァ! お前を殺すために地獄から戻ってきたぞォォ!!」
この声は、バン・バーグか。
「このバン・ゲアでお前達を血祭りにあげてやるゥゥゥ!!」
バン・バーグの後ろには四人の宇宙人がいた。
「オレの名はワンティラ!」
「我の名はアルティラ」
「ワタシノ名はサンティラ!」
「クアッドティラだ!」
あれは! ガンダー四天王!
宇宙海賊ガンダーの大幹部とも言える四人の宇宙人、アレが出現したところでOVAは打ち切りになった為、その力やロボは結局分からずじまいのままの奴らだ。
まあ、この時代こういう投げっぱなしで終わる作品多かったからな。
しかし、今はコイツらをどうにか倒さないと話は終わらないみたいだな。




