番外編 宇宙漂流記ルミナス 109 破邪恒星ダンザイオー3
グラッシャー2はサイキック・断で一刀両断にされ、大爆発した。
「クソッ、このバン・バーグ様はこんなところで死にはしない! 必ずキサマを殺してやるぞ、ニア・アニスゥゥー!」
あのハイテンションの甲高い声を叫びながらバン・バーグは脱出装置で外に逃げてしまった。
「クソッ、逃したか」
「お前ら、さっさと戻って来い」
ダサーン博士がダンザイオーチームに帰還命令を出した。
そしてようやく戦闘が終了し、オレ達はダンザイオーによってルミナス号をラボから引き剥がされ、自力航行できる状態になった。
その後でダンザイオーチームに監視される形でオレ達はダサーン博士のラボに再び訪れる事になり、そこで今までの経緯を説明する事になった。
「ふむ、なんじゃなんじゃ。それじゃあお前さん達はワープ装置の故障であちこちの世界を転々としておるわけじゃな。それでわしのラボに突っ込んだ……と」
ダサーン博士はオレ達の話を冷静に聞いていた。
「そんなもん信じられるかー! もしそうだと言うなら証拠を見せんかい、証拠を!! そもそも何故異世界の人間がわしとなんの違和感もなく会話ができてあるんじゃー!?」
まあ、そういうスタンスからしても信じられない話だよな。
仕方なくオレ達はダサーン博士をルミナス号の中に招待する事になった。
「こ、これは! 確かに見たことのないようなモノばかりじゃ。この宇宙一の天才科学者ダサーン博士が知らないモノがあるとは、コレは面白い!!」
ダサーン博士はルミナス号の中を見てオレ達の言っているのが嘘ではないと理解してくれたようだ
「おや?コレは何じゃ??」
ダサーン博士が興味を示したのはルミナス号に積み込んだモノリスだった。
「コレは珍しい。ふむふむ、なるほど。コレがあれば言語の謎が解けるわけじゃ。コレは……異星人の作った言語自動翻訳装置じゃ! なるほどなるほどな、コレがあるからわしらとお前さん達は普通に会話ができてあったんじゃな」
流石は自称宇宙一の天才科学者。
ダサーン博士はルミナス号にあったモノリスが自動言語翻訳装置だと見抜いた。
そうだったのか。
それで今までどの世界に行ってもオレ達は言葉で相手と意思疎通が出来ない事がなかったわけか。
ティコとケイトを助けたあの星で詰め込んだモノリス、何かわからなかったがダサーン博士がその謎を解いてくれたってわけだ。
「ふむ、お前さん達が本当に異世界から来たというのも嘘ではなさそうじゃな。あのロボット三体も非常に興味深いわい」
ダサーン博士はMVに興味を示したようだ。
そして博士が調べ物をしている間、オレ達はダンザイオーチームに歓迎されてダサーン博士のラボで食事をする事になった。
「や、やあ。ボクはトール・ブラン。よろしくね」
「わたしはニア・アニスです。よろしくお願いします」
「アタイはライ・ザンダーだ。よろしく頼むぜ」
「ぼくはっ……ランダ・ノルですっ」
美少女三人に男一人。
どうやらコレがダンザイオーチームのメンバーのようだ。
しかし、トールはロボットに乗ってた時と性格がまるで違うな……。
「わたし達は宇宙海賊ガンダーのバリモス大艦長と戦っているのです」
「実は、ボク一度バリモスと戦って死んでるんだよな。それをダサーン博士に拾われてバイオなんたらで生き返らせてもらってるんだ」
「お父……いや、バリモスのやっている事は間違っている! アタイはアイツの頬を思いっきり引っ叩いてやるんだ!」
ダンザイオーチームはそれぞれが宇宙海賊ガンダーに因縁があるらしい。
と言う事はランダも何かあるのか。
「この通信はっ! イリス王家に伝わるチャンネル! まさかっ!」
「ランダ王子様。お久しぶりですね。侍女長のミッチェです。あなたを探しておりました。お話したい事がございますのでお一人で惑星イリスの宮殿跡にお越しくださいませ」
「……わかったっ。今向かうよっ」
ランダは通信を受けると、持ち合わせた衣服で男装をし、小型宇宙船で惑星イリスに向かった。




