番外編 宇宙漂流記ルミナス 108 破邪恒星ダンザイオー2
グラッシャー1のミサイルはダンザイオーに直撃した!
「どうだぁ! コレだけのミサイルを喰らえばいくらダンザイオーとて、ひとたまりもあるまいっうわぁーっはっはっはっは!」
この声マジでテンション高いな。
まあどこかで聞いた声と言えば間違いない有名な声だからな。
宇宙人の出るラブコメで原作チョイ役だったはずのメガネのモブキャラをサブレギュラーにまで仕立て上げた声で、世紀末バイオレンスアクションの次回予告もやってたからこの声は耳に残る。
まあこの声でこれほど一目で見てわかる悪役ってのも珍しいが。
「どうだ、ニア・アニスゥ! お前のせいでどんどん仲間が死ぬんだぁ、お前はこの世に生きていてはいけない生き物なのだぁ!」
「そんな事は無い! ニアはオレ達の大事な仲間だ!」
「そうよ、アンタなんかにアタシたちのなにがわかるのよっ」
「みんな……」
ニアをかばってダンザイオーチームが叫んだ。
「このバン・バーグ様に口答えするとは、許せんっ! 貴様等全員木っ端みじんだぁ!」
グラッシャー1のミサイルがこれでもかとダンザイオーに放たれる。
あまりの数の多さにダンザイオーが見えないくらいだ。
「わーっははっはっはっっはっはー! これでニア・アニスもおしまいだぁ!!」
……だが、ダンザイオーは爆炎の中でビクともしていなかった。
「な、なんだとぉぉお!?」
「サイキックバリア、これで防いだわ……みんなを傷つけるバン・バーグ。わたしはあなたこそ許しません!」
「ニア・アニスゥゥウ!!」
あのバン・バーグが何故ここまでニア・アニスに執着するのか、その理由は結局OVAでも分からないままだった。
だが、あの二人に何か因縁があるのは間違いないだろう。
「ニア、オレに任せてくれ。サイキックボンバーをブチかましてやる!」
「なんだとぉ!?」
「行くぞ! サイキックゥゥ……ボンバァァー!!」
ダンザイオーの胸からエネルギーの球が発射され、それをダンザイオ―が右手を突き出してエネルギーの球をグラッシャー1にブチかました。
「のわぁぁぁぁ!?」
マヌケな叫び声をあげてバン・バーグのグラッシャー1が大破した! はずだった……。
「なーんてな……このグラッシャー1には秘密があってなぁ! 見るがいい!!」
ボロボロになったはずのグラッシャー1の装甲が脱皮するようにボロボロと崩れた。
アレは……まさか!?
「これがグラッシャー2だ! まさかこの姿を見せる事になるとはな!」
グラッシャー2は重装甲のグラッシャー1とは違い、スピード特化のロボットだった。
その鋭いカギ爪をダンザイオーの胸コクピット近くを狙い、スピンさせながら突っ込んでくる。
「そらそらぁ、スピンクローだぁ! 死ねぇ、ニア・アニスゥ!!」
「キャアアアァァ!」
このままでは危ない、オレはMAYAに目標を入力し、ビーム砲でグラッシャー2に攻撃をした。
「痛ーいッ! 誰だぁ、このバン・バーグ様に攻撃を仕掛けてきたバカ者はぁ!!」
げっ、効いてない。
ルミナス号はラボに突っ込んだまま身動きが取れない。
ここにあのグラッシャー2が攻撃を仕掛けてきたら避けようがない!!
「死ねやぁ! 死ね死ね死ね死ねぇー!!」
グラッシャー2はダンザイオーに背中を向け、オレ達のいるルミナス号とダサーン博士のラボ目掛けて飛んできた。
「今だ、背中ががら空きだぜ!! サイキック……ショォーック!!」
「何だとぉおお!?」
ダンザイオーが両手を広げ、その両手から超能力のパルスウェーブを放った!
「ぬうぁ! う、動けんっ?」
「バン・バーグ。コレで決着を付けます!!」
ダンザイオーのパイロット四人が超能力を剣の柄に込めると、そこには光り輝く巨大な剣が姿を見せた。
あ、アレは王者立ち! 両手で剣を構え、足をしっかりと広げたダンザイオーがそのポーズから一気に高速でグラッシャー2目掛けて飛んできた。
「サイキック……断!!」
「のわぁぁあああっーーー!!」
バン・バーグのグラッシャー2はダンザイオーのサイキック・断で真っ二つに両断された。




