番外編 宇宙漂流記ルミナス 107 破邪恒星ダンザイオー1
ダサーン博士?
ルミナス号がワープしてしまったのは彼のラボ、つまり研究室の宇宙ステーションというわけか。
しかし変な場所にワープしたもんだ。
以前クラッシャーペアの世界で暴走コンピューターを止めるのにワープで座標を真上にしたことはあったが、コレはそれとは違うワープの際の事故だよな。
「博士? 一体どうしたんです?」
「なんだなんだ! 宇宙海賊ガンダーの攻撃か!」
「くっ、アイツらめ! アタイが返り討ちにしてやる!」
「違うっ、この人達はガンダーではないわっ」
ハイレグスタイルのピッチリスーツの美少女三人と熱血タイプの男一人、コレも見覚えがあるな……。
思い出した! コレは破邪恒星ダンザイオーだ!!
——破邪恒星ダンザイオー——
宇宙のマッドサイエンティスト、ダサーン博士に拐われた四人の若者が宇宙海賊ガンダーと戦うOVA作品だ。
リアルロボット全盛期にあえて70年代スーパーロボットを今の技術で作ろうとしたロボアニメで、音楽は渡部天明、メカデザインを大田勝巳が手がけた作品だ。
主人公のニア・アニス以外にも超能力者達だけで作られたダンザイオーチームは、ランダ・ノル、ライ・ザンダー、トール・ブランの四人。
この四人がガンダーのバリモス大艦長相手に合体ロボダンザイオーで戦う作品だったが、オレ達の戦いはコレからだパターンの未完作品だったな。
「お前達は何をやっとるんじゃ、ワシはお前らのせいでガンダーに裏切り者扱いされたんじゃぞ!! あー、あのロボットとコイツらをガンダーに売り付けて遊んで暮らすワシの夢がパーじゃ!!」
「ダサーン博士! そんなこと言ってる場合じゃなさそうだぜ! 敵が来やがった!!」
ダサーン博士のラボに向かって飛んできた敵は飛行戦車の群れだった。
「仕方ない、お前らはダンザイオーに合体して戦うんじゃ! 合体システムはクロス・アタック! で作動する、急ぐんじゃ!!」
四機の小型宇宙船というか飛行機みたいなものがフォーメーションを組んだ。
「よし、行くぞみんな!」
「「「「クロス・アタック!! ダンザイオー!!」」」」
トールが叫び、それに合わせるようにニア、ランダ、ライが続いた。
ランダの宇宙船が腕に、ニアの宇宙船が胴体に、ライの宇宙船が下半身に、トールの宇宙船が頭部と肩に変形した。
「ダンザイオー、見参!!」
トールが叫ぶ、うん、確かにコレは70年代のダサカッコイイロボの特徴だな。
こういうのはあの大河内先輩が好きそうだったな。
アイツがこういう世界に来たら絶対喜んでただろうな……。
だがオレはどうもこのノリが苦手だ。
「行くぞ、ガンダーの悪党ども、プレッシャー、ナックル!!」
「うわっ!!」
ダンザイオーの右腕が切り離されて敵に向かい飛んでいった。
そしてその右手は飛行戦車の群れをあっという間に蹴散らしてまたダンザイオーの右手に戻った。
「人のこと勝手に飛ばすなっ!!」
「す。すまん」
ガンダーの飛行戦車が全滅すると、今度は巨大なロボットが上空から出現した!
「久しぶりだなぁ、ニア・アニスゥ!!」
「お前は、バン・バーグ!!」
「ほう、覚えていてくれて光栄だよ。ニアさん……アニスゥゥゥ!!」
やたらとハイテンションな声のダウナーなキャラというミスマッチな奴が姿を現した。
「ニア・アニス、今日こそ貴様を殺してやるぞ。見るがいい……これがオレ様のロボ、グラッシャー1(ワン)だ!!」
バン・バーグの乗ったダンザイオーの前に姿を見せた巨大ロボは、鋭い鉤爪で攻撃をしてきた。
「こんなもの!」
それをトールがダンザイオーの拳で弾き返した。
「トール……」
「ニア、任せろ。ここはオレがやっつけてやる!!」
「ほう、ニア以外にも死にたいバカがいるようだなぁ!! それなら望み通り殺してやるよぉ!!」
グラッシャー1がミサイルを乱射してきた!!




