番外編 宇宙漂流記ルミナス 106 黄金軍団ゴールドタイタン6
ジャイロ・セプターから逃げるタカ君とセンターンの二人は電子手錠がついたままゴーストタウンで手に入れた車に乗って逃げていた。
「それで、どこに向かえばいいんだよ?」
「我らの基地がこの先にある」
センターンの案内でタカ君はオゴルダ大王の前線基地に到着した。
基地の中は無人で、メカ人間達はタイタン軍団と戦う為に総動員されていたようだ。
「その階段を登った上にレーザー発生装置がある。そこまで行くんだ」
「へっ、偉そうに命令するんじゃねーよ」
センターンは基地のレーザー発射装置のガラスを叩き割り、中のレーザーに電子手錠を近づけた。
「うわぁぁ.うわあ!」
「下手に動くな、黒コゲになりたいなら止めんがな!」
センターンとタカ君が手を近づけると、高熱のレーザーが電子手錠にかかり、二人の間で電子手錠が焼き切れた。
「うわっ!!」
「くぅっ!」
センターンとタカ君がそれぞれ反対側に転倒した。
どうにか手錠の外れた二人はジャイロ・セプターのビーム攻撃を避けた。
もし、二人が手をつないだままだったら二人共攻撃を受けて消滅していただろう。
「来てくれー、ゴールドタイタァーン!!」
「プリズム……ロォード!!」
修理の完了したゴールドタイタンがプリズムロードから出現、ジャイロセプターに攻撃を仕掛けた。
そのゴールドタイタンを狙ってセンターンがレーザー発射装置の向きを変え、ゴールドタイタン目掛けてレーザーを放った。
「ぐぁああっ!」
「ゴールドタイタン、今日こそキサマを倒してやる」
「なぜだ、センターン、ぼく達はともに逃げた仲じゃないのか! 何でゴールドタイタンを」
「これがメカ人間三原則だからだ。第1条、メカ人間はオゴルダ大王に従わなくてはいけない。第2条メカ人間は人間に危害を加えなくていけない。また、第1、2条に抵触しない範囲で、メカ人間は自分を守らなければならない」
「このわからず屋ぁー!!」
タカ君が殴りかかると、センターンはレーザー発射装置の向きをずらされてしまった。
「ギラャガガアァアッ」
「センターン、どうした!? 血迷ったか! このワガハイに攻撃を仕掛けるとは!」
「ご、誤解だ!」
センターンのレーザーはレフトーンの操るジャイロ・セプターの頭部から触角を焼き切ってしまった。
「今だ! 行くぞッ、ゴールドシュゥート!」
ゴールドタイタンがエネルギーをカッターの刃のようにしてジャイロ・セプターの頭部に投げつけた。
投げつけられたエネルギーのカッターは、ジャイロ・セプターの頭部を切り飛ばし、ゴールドタイタンは大きく手を振りかぶった。
「ゴールド・フィィニィイイッシュ!!」
「な、何だとぉー」
ジャイロ・セプターの腹部にゴールドタイタンの腕がめり込む、そしてゴールドタイタンはジャイロ・セプターの心臓部のメカパーツを引きずり出し、手で握り潰した。
ドゴァァァァオンッ!!
派手な音を立て、ジャイロ・セプターが爆発を起こした。
「くそっ、タイタン軍団、この借りは必ず返してやる!!」
レフトーンが捨て台詞を残して逃げ去った後、そこには何者かが姿を見せた。
「誰だお前は!?」
「俺様は……マスターメカX。オゴルダ大王様の忠実なる影だ」
「マスターメカXだと!?」
「センターン、早く戻ってくるがいい、オゴルダ大王様がお待ちだ。まあ、お前に戻れる場所があるならば……の話だがな」
「……」
謎の男、マスターメカXはそう言い残すと姿を消した。
そこに残ったのはセンターンだった。
「やい、センターン。もう味方はいないぞ、覚悟しろ!!」
「ふっ、わたしはどうやら見捨てられたようだな……」
センターンは笑っていた。
「だが、お前達となれ合いをする気は無い。しかし、命を助けてもらった礼はさせてもらおう。それはわたしのプライドの問題だ」
そう言うとセンターンはオレ達をオゴルダ大王の基地跡に招待した。
「どうせここは廃棄される。それならこのエネルギウムタンクを持っていけ。どうせここは破壊されたと言えばこのエネルギウムタンクが無くて誰も疑うまい」
「センターン……」
「だが勘違いするな、私はお前達の仲間になったわけでは無い。タイタン軍団、いつかお前達はわたしが倒してみせる」
センターンはそう言うとどこぞとなく姿を消した。
どうやらエネルギウムはタキオンエンジンに互換性があったらしく、ルミナス号のワープ用のエネルギーをここで確保できそうだ。
オレ達はタイタン軍団に頼み、このエネルギウムタンクを分けてもらった。
コレでワープできるぞ。
――ワープ完了まで、5.4.3.2.1.0 ワープ!!――
ふう、今度はどこに到着するやら。
ルミナス号が到着したのはどこかの宇宙基地の近くだった。いや、基地に突っ込んだ形でワープ完了してしまった。
「誰じゃ誰じゃ、この宇宙一の天才科学者ダサーン博士のラボに突っ込んで来た大馬鹿者は!!」
なんとも甲高い声の博士がオレ達のルミナス号に怒鳴ってきた。
その後ろには四体の小型宇宙船がスタンバイしているが……ここは何処だ??




