番外編 宇宙漂流記ルミナス 99 戦え! テクターA4
テクターBは空中に浮いたままテクターAを見下ろしていた。
だが、そのテクターBを見て驚いていたのは、むしろミサキの方だった。
「そ、そんな……貴女が何故ここに? 大豪寺美子さん……」
どうやらミサキは彼女を知っているようだ。
だが何故宇宙人のアンドロイドであるテクターBをミサキが知っているのだろうか?
「フフッ、ごきげんよう。真神美咲さん。そうですわ、ワタクシは大豪寺美子……ですが、それは地球に潜伏する為の姿。ワタクシは貴女を監視していたのですわ。そう、テクターAの適合者……貴女を抹殺する為にね!」
テクターBは艦橋にいるミサキ目掛け、ビームをルミナス号に向けて撃ってきた。
だが、それをテクターAは手で払って弾き返した。
「ミサキには手させません!」
「あら、お姉様……ごきげんよう。シスター・ムラサキに作られた姉妹同士……殺し合いましょう!」
そう言い切ると、テクターBは高速で取り出した赤いレーザーソードをテクターA目掛けて斬りつけた。
テクターAが特撮ヒーローのオマージュだとすると、テクターBはそのライバルと言えるだろう。
確か……制作者のコメントで――テクターBは、往年の特撮ヒーロー、人造超人アカイダーのライバルクロイダーを参考に作ったと言っていたよな。
クロイダーは全身黒ずくめのライバルキャラ、テクターBはそのイメージで作られた孤高な悪役と言ったところなのか。
「どうやら……戦うしかなさそうですね、レーザー……ソード!」
テクターAが青いレーザーソードを取り出した。
二つのレーザーソードがぶつかる!
「テクターB、何故ミサキを狙うのですか!」
「お姉様、それはお姉様がよくご存じでは無いのですか!」
テクターBのレーザーソードがテクターAの肩アーマーを破壊した。
「くっ! このままでは……仕方ありません、こうなったら……リミッター解除! テクターパワー、MAX!」
テクターAの目が光り、全身が光り輝いた。
確か本編ではここからレーザーソードのテーマのアレンジバージョンが流れていたはず、つまり処刑BGMだ。
青いレーザーソードをゆっくりと振りかぶり、テクターAの手からパルスウェーブが放たれた!
「くっ、動けない!! これはっ!!」
「さあ、覚悟するのです……テクタァー……インパクト!」
テクターAが袈裟懸けにレーザーソードを振り下ろした! その瞬間!!
「来いっ! テクター……キラー!!」
テクターBが叫ぶとテクターBの前に巨大な黒いロボットが降り立った。
レーザーソードはテクターBには当たらず、テクターキラーの装甲を少し削っただけにとどまった。
「くっ、ロボを呼ぶとは!!
「このテクターキラーはテクターA、つまりお姉様を殺す為のワタクシのお人形。さあ、覚悟してくださいませ!」
「キャアアッッ!」
テクターキラーの一撃がテクターAを吹き飛ばした。
弾き飛ばされたテクターAはルミナス号の船体に叩きつけられ、テクターAはダメージを受けた。
「テクターA!!」
ミサキが叫ぶ、すると……ミサキの身体が光り出した!!
「こ……これは……!?」
「ミ、ミサキ……やはり、貴女がテクターロボの適応者なのです。私と……共に戦ってください」
「わ……わかったわ、これ以上お父さん、お母さんみたいな不幸な人を増やさないために、私、頑張る!」
……どうやらミサキはルミナス号の女の子達に彼女達もゼクトニアンのせいで親と離れ離れになった話を聞き、不幸なのが自分だけでないと知ったらしい。
「「テクタァーロボッ!!」」
シンクロしたミサキとテクターAが同時に叫ぶとテクターロボが空中から出現した。
「ミサキ、一緒に戦ってください」
「うん、私……頑張る!」
そしてエネルギーで服が吹き飛び全身裸状態になったミサキとテクターAがテクターロボの中に吸い込まれ、テクターAの目が黄色く光り輝いた!!
「行きます、テクターキラー!」




