番外編 宇宙漂流記ルミナス 98 戦え! テクターA3
オイオイオイ、今一体どういう状態なんだよ。
ルミナス号の前には空中にピンク髪と青髪の際どいスタイルの女の子が立っている。
そして映像に映っている宇宙空間では地球防衛軍の宇宙戦艦富岳がテクターAによく似たテクターBのレーザーソードで真っ二つに斬られて撃沈。
オレ達はとんでもない敵を相手にしてしまったことになる。
コレがヨグソトースの軍勢なのか。
「ねえ、お姉様。あたし、あいつら殺してもいい?」
「ふふ、マゼンタ。可愛い娘。そうね、でもあたしの楽しみも残しておいてよね。男を殺すのはあたしの楽しみなんだから」
「わかったわ。お姉様」
何気にコイツらとんでもなく物騒な事言ってやがる!!
そして、マゼンタと呼ばれた女の子がルミナス号にビームを放って来た。
「MAYA! 電磁バリアフィールドを張ってくれ!」
——ダメです、間に合いそうにありません!!——
ルミナス号はマゼンタの赤いビームの直撃を受けるとこだった。
だが、突如テレポートしたテクターAはビームを片手で弾き、その勢いで青い髪の女の子に鋭いパンチを叩き込んだ。
「ぐはっ!」
「きゃあぁっ! シアンお姉様ぁー! よくも、やったわね。許さないわ!」
テクターAはシアンと呼ばれた女の子を殴り飛ばし、ルミナス号の甲板に降り立った。
「そう、アンタがテクターAね。シスター・ムラサキ様の命令でアンタを抹殺するわ! 来なさい。ディノス・ガンマ!」
マゼンタが叫ぶと、空高くから飛来する怪ロボットが出現した。
そして、マゼンタとシアンの二人が中に吸い込まれ、ディノス・ガンマの目が赤く光った。
「「このディノス・ガンマで捻り潰してあげるわ」」
マゼンタとシアンの声がステレオで聞こえて来た。
ディノス・ガンマはテクターAを握り潰そうと掴んでくるが、テクターAはそれを軽くかわし、拳から放ったテクタービームでディノス・ガンマの右目を破壊した。
「来るのです! テクタァー……ロボッ!」
テクターAが叫ぶと突如巨大ロボが出現した!
そしてテクターAが中に入り、その目が黄色く光った。
「さあ、いきます。覚悟してください」
「そんなもので、このディノス・ガンマが倒せるものか!」
ディノス・ガンマが巨大なレーザーソードでテクターロボに襲いかかった。
しかしテクターロボはそれを片手で受け止めると、ディノス・ガンマの右手を引きちぎった!
「ギャァァァ!」
「お姉様ァー!」
右腕を引きちぎられ、地面に落下したディノス・ガンマ目掛け、テクターロボはビームを放った。
テクターAのビームも強かったが、テクターロボのビームはそれをさらに強化したようなものだ。
ディノス・ガンマはあっという間に消滅してしまった。
敵を倒し、別の敵影がないとわかるとテクターロボは姿を消した。
どうやらテクターロボは、敵の有無を判別して出現するようだ。
戦いを終わらせたテクターAは、ルミナス号に戻ってきた。
「どうやらあまりゆっくりしている時間はなさそうです。ミサキ、ワタシと一緒に戦ってください」
「い……嫌よ、何なのよあなた達、いきなり変なことに巻き込んで……お父さん、お母さんを返してよ……この宇宙人! 出ていって、出て行ってよぉ!」
まあいきなり家族を目の前で失ったミサキが冷静でいられるわけがない。
ここはルミナス号の女の子たちに任せてオレ達はテクターAに話を聞こう。
「テクターA、君は敵が何者か知っているのか」
「はい、アレはシスター・ムラサキの作ったアンドロイドです。そして、ミサキの家族を殺したバイオ兵器も彼女が作った物……ミサキの家族は、彼女を手に入れる邪魔になるため、殺されてしまったのです」
「何故シスター・ムラサキはミサキさんを手に入れようと?」
「それを話している時間はなさそうです! 敵が……現れました!」
ルミナス号の上空に姿を見せたのは……テクターBだった。
「お姉様、会いたかったわ……」




