第七話 巨大獣オゲゲオ 猛将バルガルの追撃! 7
ダインジェットはダインボンバーに、既に合体した状態で出撃していた。
どうやらジェットのパイロットがいない場合に現地で拾う事が出来るようにという事だろう。
この展開は原作では見なかったものだ。
通常は基本的にガッダインチームが北原未来要塞ベースの指令室から専用の椅子に座り、その椅子が移動して回転し、そしてまた移動してコクピットに収納される形で発進するバンクシーンで出撃する。
まあこの椅子の移動に何の意味があるのかを言ってしまうと身も蓋も無いので、カッコいいからこれで良いのだ! としておこう。
それなので今はダインジェットの部分は無人でダインボンバーの青木流が操縦しているわけだ。
なお、前回以降の新兵器ビッグミサイルはダインクルーザーに装備されている。
DX玩具でも合体魂でもビッグミサイルの装備はそういう形で再現されていた。
さて、現場の様子を見ると……巨大獣オゲゲオのおかげでエリーザ様は無事に逃げられたようだ。
俺はグローン円盤で彼女を回収するようにマーヤちゃんに伝えておいた。
さて、それじゃあこちらは足止めと三島長官の真意を探るために巨大獣で暴れるとするか。
「行け、巨大獣オゲゲオ、ガッダイン5を蹴散らせっ!」
「ガギャギャギャー!」
オゲゲオは市街地ではなくこの岬に向かう道でダインマシンと向き合った。
ここならば暴れても被害は小さい。また、防衛隊のファントムを落としたとしても生き残る可能性は高いだろう。
オゲゲオはまず熱線砲でファントム戦闘機の翼を狙い攻撃した。
これでエリーザ様を追いかけることは出来ないだろう。
「えーい! 何をやっておる、このクズ共が! ワシの命令を実行できない奴は全員死ね!」
やはりこの言い方、間違いなく俺は聞き覚えがある。
この人を人とも思わない態度、思い当たるヤツは一人だけだ。
だが、それが本当だとしてもそれを誰に伝える方法があるのか?
あまりにも荒唐無稽すぎて誰も信じないだろう。
だから俺はブキミーダとして生き延びるしかない。
「龍也、早く乗れ!」
「流か。すまねえ」
「ボヤボヤしてる場合じゃねえぞ!」
「みんな、待たせて悪かった! それじゃあ行くぜ」
そしてガッダインチームとダインマシンが揃った。
「「「「「レッツ! ガッダインッッ!」」」」」
バンクが終わり、ガッダイン5の巨体が岬の道に降り立った。
オゲゲオが攻撃したので、もう防衛隊の飛行機は全部落ちたようだ。
幸いパイロットは全員脱出したようなので死者はいなかったらしい。
さて、巨大獣オゲゲオはもう消化試合で時間稼ぎをしてもらうだけだ。
マーヤちゃんはどうやらミザーリンとエリーザ様を捕捉したようだ。
これでどうにか致命傷的なトラブルはもう無くなるだろう。
「行くぜ巨大獣! お前に構ってる場合じゃないんだ! オレは早くエリを助けてスパイの疑いを晴らしてやるんだ!」
「龍也っ! 冷静になってっ」
「オレは冷静だよ!」
「龍也さん、焦らないで下さい!」
ガッダインチーム、いや……龍也が焦っているのが目で見て分かる。
彼はどうにか巨大獣を倒し、エリーザ様と話をしたいのだろう。
だが、そうはさせられない! 今彼女を地球人の側に渡してしまっては、三島長官の姿のアイツに誅殺されるだけだ!
巨大獣を犠牲にしてもここは時間稼ぎをしなくては!
「いくぜっ 超電磁……プロペラァー!」
二対の巨大竹トンボが縦横無尽にオゲゲオの身体を切り刻む。
それに対してオゲゲオは全身から一斉掃射を行った。
だがそれはガッダイン5に避けられ、海に大量の水柱が上がっただけだった。
「マズい! もし地上の彼女に瓦礫が落ちたら……こうなったらっ! 超電磁、ウェェーブッ!」
龍也は超電磁ウェーブを上空に持ち上げた。
オゲゲオが空高くに舞い上げられ、空中に固定されている。
「垂直超電磁スマァァアアッシュ!!」
「オゲゲエエエエォオオオッ!!」
龍也は原作通り、縦方向に超電磁スマッシュを決め、巨大獣オゲゲオは空中高くで爆散した。




