番外編 宇宙漂流記ルミナス 93 聖戦士の翼5
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今年は今書いているもの以外にもSF賞応募作品を書いたりする予定です。
また、カクヨムにも連載スタートしますのでそちらもよろしくお願いします。
で、デケェ!!
オレはシキシマ城のベランダから空を見上げた。
すると、そこに浮かんでいたのは、超巨大なオーラフォートレス、デア・ゲリングだった。
いくらなんでもデカすぎるだろ……。
デア・ゲリングのサイズはルミナス号の倍以上あった。
そんな巨体が空を飛び、ワの国の上空に出現したのだ。
ワの国の国民は大慌てだろう。
「怯えるでない! 我が臣民達よ。儂は国王のイワモト・ゲンザブロウである。儂がいる限りネルソンの好き放題にはさせぬ。安心するがよい!」
イワモト王はワの国の国土に向け、大きな声で語りかけた。
流石は天性の王の器というべきか、イワモト王の演説を聞いたワの国の国民は安心して落ち着いたようだ。
だが、そんなシキシマ城目掛け、ネルソンのオーラソルジャー隊が降下した。
ギゴブロ以外にもバンディス、デンドム、ドンボ、ヒラダク等のオーラソルジャーの一個大隊だ。
その群れの中に一体のオーラソルジャーが斬りかかった。
アレは……ダンザインではなさそうだが。
「そのような有象無象でこのタモンテンを倒せるものか! けぇぇぇぇぇえーっ!! 銘刀菊花王のサビになるが良い!!」
なんと、ネルソンのオーラソルジャーの群れを切り捨てたのはイワモト王の乗るオーラソルジャー・タモンテンだった。
機体や刀の和風の名前は彼がもともと日本人だから付けたのだろう。
タモンテンは圧倒的な力でギゴブロ、バンディスやヒラダクを銘刀菊花王ですれ違いざまに切り捨て、圧倒的な力を見せた。
しかしその攻撃を逃れたオーラソルジャーがシキシマ城目掛けて攻撃を仕掛けた。
このままではあのシキシマ城が壊滅してしまう!
だが、その時信じられない方が起きた。
「皆のものよ、父上をむざむざ死なせるわけにはいきません。オーラフォートレス、シキシマ……起動!」
なんと……シキシマ城はそれそのものが巨大な戦艦だったのだ。
まるで旧日本軍の軍艦を思わせるそのフォルム……それはまさに鉄の城だった。
「シーナ、なぜお前がその城の秘密を……!?」
「お父上、ルザールはこの城をネルソンに引き渡し、お父上を殺してこの世界を手にしようとしていたのです。ですがそれに異を唱える者達がわたくしに鍵を託してくれたのです。お叱りは後でわたくし一人が受けます。どうか、わたくしに従ってくれた者達にはどうか寛大な処置をお願い致します」
イワモト王は娘であるシーナの行動を誉めることも叱ることも出来なかった。
「好きにするが良い。だが、オーラソルジャーをそちらに回す事は出来ぬ、お前が儂の娘だというなら、あくまでも自らの力で切り抜けてみよ」
これは仕方ないだろう。
本音では娘を守りたいと思っていても、それでも私利私欲で娘を守る為にオーラソルジャー隊を動かせば王の信頼が失墜する。
だからと言ってこのままネルソンのデア・ゲリングを野放しにすれば蹂躙は確定だ。
――となると、取れる手段は一つだけか。
「MAYA、ここはオレ達もイワモト王に加勢するのが正解だと思うんだが、どう考える?」
――そうですね、ワタシも見た感じネルソンに加担するのは正しいとは判断しかねます。――
「よし、決まりだ。ジャッキー、マルコ、セドリック、オレ達もシーナ姫を守るために戦うぞ!」
「わかったぜ、任せな!」
ウィンセル、ランセル、ガンセルがルミナス号から発進し、オーラフォートレス・シキシマの元に向かった。
「な、何だ。あの大型の見たことも無いオーラソルジャーは、黒い三人衆、あの奇妙なオーラソルジャーを蹴散らしてしまえ!」
「わかりました、ネルソン様、行くぞ。ゼヒ、イナ!」
「了解です、隊長」
「お任せあれ」
デア・ゲリングから三体の真っ黒な新型オーラソルジャーが出撃してきた。
アレは……確か、スラカヴェだ!
三機のスラカヴェが見事なコンビネーションで攻撃を仕掛けてきた。
「行くぞ、ゼヒ、イナ! トライデルを決める!」
そして、三機のスラカヴェが縦一列に並んで飛んできた!!




