番外編 宇宙漂流記ルミナス 82 疾風ブルーゲル5
決戦地クロスポイント、ここには今大勢のグランドクルーザーにウォーカービークル、それにインデントの雇われブレーカーに反インデント組織のシュガー、それと主人公ブロン・アロス達のアイゼン・ガングがいる。
オレ達のルミナス号もそこにいる状態だが下手にこの大戦闘に巻き込まれない為に電磁バリアで身を守っている状態だ。
下手にバリアが破れるとオレ達はこの世界の外の空気に触れて死んでしまう。
だから下手に動けないってわけだ。
幸いこの世界には空を飛べるマシンはそう多くはない。
飛行タイプのウォーカービークル、フランもそう多くはないので空中にいる限りは攻撃を喰らう事はない。
ここは下手に手を出さずに見物しておいた方が良さそうだ。
アイゼン・ガングとガング・ガングの超巨大ロボット戦は痛み分けでお互い動けなくなり今はウォーカービークルでの小競り合いが行われてる。
「チンプ! 父さんの仇、今度こそやってやる!」
「お前頭イカれてるのか? もう一年以上前の話を持ち出してまだやる気なのかよ、この土マンジュウ!」
「うるさい、父さんの仇は別だ! このマシンギャリアーならお前には負けないぞ」
「しつこい奴は嫌われるぞ、この一週間の掟を破る常識外れが! そんなに死にたきゃこのガブリメントで相手してやる! 父ちゃんのとこに行きな!」
今ブロンの乗っているのは番組名の主役機のブルーゲルではなくマシンギャリアーというモンスタートラックイメージの重機に手足のついたようなウォーカービークルだ。
見た目はずんぐりむっくりで不恰好だが強い。
そしてブロンは巨大ブーメランやロケットランチャーでガブリメントを相手にし、ついにチンプを追い詰めた!
「ついに父さんの仇を」
「ま、待て、待ってくれ!!」
「何だ、この期に及んで命乞いか? 男らしく無いぞチンプ!」
「バ、バカッ! 後ろだ、後ろを見ろ!!」
「その手に乗るかよ!」
いや、チンプが言ってるのは出まかせでは無い!
やりやがった! あのドナン・キングのやつ、クロスポイント目掛けてICBM打ち込んできた!!
「ブロン、そいつの言うのはウソじゃない!」
「ラウ、何だよ、どういう事だよ!?」
「ここ目掛けて巨大なミサイルが降ってきてるんだよおぉぉー!!」
「何だってぇー!!??」
ドナンの打ち込んだICBMはクロスポイントにいる者全てを消滅させかねない!
もう少しでミサイルが地面に落下するところでブロンはトンデモない事をやらかした!
「こなくそぉー! マシンギャリアーは男の子だぁぁー!」
「マ、マジかよ。アイツ、まるでマンガだな!」
「アニメだからね、そう簡単に死ぬかよ!」
なんと、ブロンのマシンギャリアーはICBMを両手で地面に落下する前に受け止めてしまった。
「ほい、パス」
「バッバカ! そんなもんこっちよこすな!」
チンプのガブリメントにICBMの下側が渡されそうになった。
流石に地面に落とすわけにもいかず、彼は仕方なくそのICBMを抱えた。
「誰でもいいから手伝えー! コレが落ちたら全員オシマイだぞー!!」
それを聞いたブレーカーやシュガーのウォーカービークルが集まった。
そりゃあ誰も爆弾で死にたくはないわな。
「それで、コレ地面に置けないけどどうするんだい?」
「投げ返すのも流石に無理があるからな」
——そうだ、コレならどうにかルミナス号のアームを使って持てればドナンの奴への脅しに使えるかも。
どちらにしろインデントの技術が無きゃオレ達は元の世界に戻れないんだ。
それならコレを交渉の材料に使わせてもらおう。
「それを運ぶ役目、ぜひオレ達にやらせてくれないか?」
「お前達は誰だ?」
「この世界を助ける為に現れたスーパーマンさ」
まあこの作品のノリに合わせた適当なセリフでオレはブロン達に話をする事にした。
急がないとICBMが大爆発してしまう!




