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第七話 巨大獣オゲゲオ 猛将バルガルの追撃! 5

 オレは耳を疑った。

 あの人格者で人を疑うよりも信じようとする三島長官がいきなりスパイが入ったと言ったのだ。


「どうやら虫けらにも劣るダバール星人のスパイが、海岸に宇宙船を捨てて潜伏しているとの情報が入った! 見つけ次第すぐに防衛隊に連絡するように!」

「あ、あの。三島君。一体どういうことなのかね?」

「――代々木博士、馴れ馴れしいぞ。ワシの事は三島長官と呼ぶように! そうだな、どうやらスパイは若い女らしい。ダバール星人は、見た目はさほど地球人とは変わらないが、肌の色が青いので変装をしている場合もある」


 三島長官はもう既にエリーザが基地に入り込んだとわかった上で話をしているような話し方だ。

 しかし何故このような侮蔑的な発言を??


 俺の知っている三島長官は例え相手がダバール星人だったとしても――肌の色の違いが何だ! 相手も生きている以上、魂を持っている生き物だ。だから魂と魂で分かり合う事が出来る。――というような軍人とは思えないほどの博愛主義者だった。


 力強い武人でありながら博愛主義者。

 だからこそ彼が侍と呼ばれるような人物だったのだ。


 だが今の彼の発言はどう聞いても侍とは程遠い人種差別主義丸出しだ。


「それで、三島長官。……もし、スパイが見つかった場合、どうするんだい?」

「殺せっ! そいつは間違いなく殺してしまえ!」


 ええええーっ!? 相手の話も聞かずに殺せって。

 マジで三島長官乱心してないか??

 もしそんな事をすれば、ダバール星と地球の戦争はもう決して抜けられない泥沼になってしまう……。


 マジでこれは計画を早めてもエリーザ様をこちらに確保しないと、三島長官の命令でエリーザ様が殺されかねない。

 俺は巨大獣を出撃させる準備を始めた。


 その時、俺の宇宙船のレーダーに巨大な飛行物体が映った。

 これはバルガル将軍の乗る機動要塞ドグローンだ。


「エリーザ様ー! エリーザ様はどこにおられるー!?」


 相変わらずバルガル将軍の声は馬鹿デカいな。

 ドグローン全体に響くような巨大な声で彼は叫んでいた。

 これ収音マイクいつかブッ壊れるな。


 さあ、北原未来要塞ベースはどうなっているのだろう?


「いいか! 貴様等、スパイがいれば防衛隊に連絡しろ。もしもスパイを庇ったりしたら……その時はお前達も反逆罪だ! これで通信を終わるっ!」


 一方的な言い方で三島長官は通信を切ってしまった。

 ガッダインチームはこの長官の命令に頭を悩ませている。


「へっ、俺の言った通りだろう。コイツは敵のスパイなんだよ!」

「流っ! てめえエリさんをスパイだなんてっ」

「二人共っ、ケンカは止めてっ」


 それを見ていたエリーザ様は悲しそうな顔を見せた。


「タツヤさん。助けてくれてありがとうございました。でも私がここにいるとみなさんに迷惑をかける事になってしまいます。助けてくれたお礼を返せないのは残念ですが、私はここを出ていきます……。本当に、ありがとうございました」

「エリさんっ!?」

「待ってっ!」

「待って下さいよ」


 だがエリーザ様は泣きながら北原未来要塞ベースを飛び出してしまった。

 そこに到着したのは防衛隊だった。


「長官のご命令通り、敵のスパイらしき女を確保しました! これより基地に連行します」


 何故このタイミングで!?

 まるで事前から分かっていなければ、このような流れになるとはとても思えない。

 そしてエリーザは防衛隊の隊員によって装甲の頑丈な護送車に乗せられ、連行される事になった。


「エリ! くっそ、防衛隊の奴らめ。エリを勝手にスパイ扱いしやがって!!」


 龍也はバイクで防衛隊を追いかけた。


 その上空に出現したのは、バルガル将軍配下のグローン円盤だった。


 あーもう話がややこしくなりすぎ、ここは俺がどうにかするしかないのか……。

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― 新着の感想 ―
[一言] あの野郎、どうやらいらんことしやがるみたいだな!! 一刻も早くエリーザを助け出すのだ!!
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