番外編 宇宙漂流記ルミナス 75 ロンリーストライカー4
とどめを刺すニックとドルフィン、裏番組ネタですが分かる人は多分かなり少ないかと……。
パレードⅢに乗ったオレ達は、ウェンリーの会社であるエクスキャリバー社のある新興造成地に向かった。
そこには大量のマシンバトラーが待ち構えていて、パレードⅢに向かって攻撃を仕掛けてきた!
「このままじゃやられちゃうよ!」
「アルディオンで迎え撃つ、チェンジ、ロードストライカーモード!」
アルディオンはスーパーカーからロボットに変形、そのままのスピードでマシンバトラーにパンチを叩き込んだ後、回転を利用し、回し蹴りで数機のマシンバトラーを弾き飛ばした。
「やるな、それじゃあこちらも出るぞ!」
「パレードⅡ、ベクターはまだ微調整できてないから、あまり無茶しないでね」
「わかっている、任せろ」
青いマシンのベクターにはカヤの方が乗っているようだ。
マシンバトラーの軍勢はベクターとウィンセル、ガンセルに次々と倒されていた。
「このままエクスキャリバー社に殴りこむぞ!」
「おやおや、まあ無茶しちゃってさ」
アルディオンが再びスーパーカーモードに変形し、そのまま時速400キロオーバーのスピードでハイウェイを飛び出した。
「このままビルまで突き破ってやるぜ!」
「ホント、無茶するなアイツ……」
どうやら作戦としては、アルディオンが陽動をかけつつ、メイ青山を探し出す。
そしてベクターとサーカスⅢに残ったメンバーでエクスキャリバー社のメインシステムを停止させるという二段構えの作戦のようだ。
オレ達はそのメインシステム停止の方に協力している。
「アンタ、メカには強い方か?」
「一応、これでもエンジニアだが」
「プログラムはある程度には分かるか?」
「まあ……言語が理解出来れば、かな」
カヤはオレの返答を聞いて不敵に笑った。
「決まりだ、ベクターに乗ってくれ」
「えっ!? どういう事だよっ」
オレは拒否する暇も無く、カヤにベクターに乗せられ、エクスキャリバー社のメインシステムの有るエリアに連れて行かれた。
「聞いてないぞぉおお」
「まあ黙っててくれ、着いたら教えるから」
――そんな事言われても、いきなり拉致されたオレの立場も考えてくれ!!
カヤに連れられて、オレはエクスキャリバー社のメインシステムに到着した。
「敵がいるな、とりあえず一旦全部片づけるか」
ベクターからミサイルが発射され、セキュリティシステムが破壊された。
これでエクスキャリバー社のセキュリティは丸裸になったようなもんだ。
……しかしザル過ぎないか? まあ打ち切り作品の後半の設定のおざなりさなんて誰も気にしないか。
ここまで簡単に話が進むと何か裏があるように感じる。
「こちらコウ、メイさんの捕らわれている場所が分かった! セントラルポートだ!」
「わかった、そちらの救出は任せた、こちらはトロイの木馬を仕掛ける」
「トロイの木馬?? なんだそりゃ」
――オイオイ、トロイの木馬って事は間違いなく流出系ウイルスを使うって事じゃないか! つまり、カヤはオレにそのウイルスを仕掛ける手伝いをしろと言っているってワケか。――
「わからなきゃいい、お前はメイさんの救出に向かってくれ、ウェンリーのヤツもそこに居るはずだからな!」
「了解、何か引っかかるけど、そっちは任せた!」
この二段作戦でパレードの連中はウェンリーを倒し、世界の闇組織スカーを潰そうとしているのだろう。
コウのアルディオンからは音声が聞こえてくる。
「見つけたぞ、ウェンリー。メイさんはどこにいる!」
「よく来たな、パレードのコウ。どうだ、オレと取引をしないか? もしお前がオレの専属ドライバー、つまりオレのマシンのパイロットになれば、懲役二百年の保釈金を払い自由の身にしてやるぞ」
「コウッ! 来ちゃダメよ、これはワナよ」
「ウェンリーさんよぉ、おれがそんな話を聞くと思うのか? そんな薄汚れた自由を手に入れるくらいなら今の立場の方が百倍はマシだぜ」
コウはウェンリーの提案を突っぱねた。
「そうか、それなら仕方ない。ではここで死んでもらおう。行け、ニック、そのドルフィンでパレードの連中にとどめを刺してやれ!」




