番外編 宇宙漂流記ルミナス 74 ロンリーストライカー3
ロードストライカーモード、つまりロボット形態に変形したパレード1(アルディオン)は、マシンバトラーと呼ばれるスカーのロボットを相手に戦っていた。
「コウ、一気に片付けるぞ!」
「わかったぜ、カヤ」
アルディオンは高速で走りながらキックを放ち、マシンバトラーの首を砕いた。
「まずは一体! 次はどいつだ」
マシンバトラーはアルディオンに襲い掛かり、銃を乱射してきた。
アルディオンがビームバズーカを放ち、マシンバトラーに反撃、これで二体目が撃破された。
「くそっ! 敵はまだまだいるぞ」
「まいったね、このままじゃジリ貧だ」
流石にこの数相手にアルディオン一体ではかなりキツそうだ。
「セドリック、マルコ、ジャッキー、オレ達も手伝ってやろうぜ。とりあえずオレは新しい増援がいないか周囲を探ってみる」
「わかった、おれ達に任せてくれ!」
マルコのガンセルがルミナス号から発進し、レーザードライフルとリニアカノンで援護、ウィンセルもマシンバトラー相手に戦闘を開始した。
「あ、アレは? どうやら敵ではなさそうだが……」
「まあ、スカーの連中では無さそうだな」
まあこの飛行機の使えない世界で飛行タイプのMVなんてものが出てきたらそりゃあビックリするだろう。
ウィンセル、ガンセル、ランセル、それにアルディオンはマシンバトラーを撃破、スカーの用意した10機少しの軍勢は全滅した。
「ふう、一丁あがり」
「コウ、こちらに戻ってきて! ウェンリーからビデオレターが届いたわ!」
どうも穏やかでは無さそうな話だな。
オレ達は全員でカーゴトレーラーに向かった。
そこにはエリーとチェイミーの二人が待っていて、モニターの前で困った顔をしていた。
モニターにはビデオレターが映っている。
どうやらその中に出ている青年実業家といった見た目の男、彼がウェンリーのようだ。
「パレードの諸君。オレは闇の秘密結社スカーの新総帥ウェンリー・マクダウェルだ」
「スカーの新総帥だって!?」
「前のボスはどうなったんだ!!」
「フッ、もはやスカーはオレの物だ。ジェネラルJことジェイコブはオレが始末した。そこでオレはパレードに提案を申し込みたい」
なんだなんだ、どうやらウェンリーはパレードと戦おうというワケでは無さそうだな。
「提案だと?」
「そうだ、オレはこのスカーを自らのものとした。これからスカーは闇の秘密結社ではなく、この世界に君臨する事になるのだ。お前達はこの地球の現状に満足しているのか?」
「満足だと?」
「オイ、それは何を言いたいんだよ!」
ウェンリーが不敵な笑みを浮かべ、パレードの連中に言い放った。
「この地球には今、空を飛べる乗り物が存在しない。それは異星体メタダート人の設置したオメガバリアのせいだ。オレはそのオメガバリア発生装置を破壊し、空を地球人に取り戻したいのだ。オレがスカーを手に入れた目的もその為だと言えるだろう」
「オメガバリアだって!?」
「信じられない……」
パレードの連中はウェンリーの提案を聞いて驚いていた。
「パレードの諸君がオレに賛同してくれるならメイ青山は無傷で返そう。さあ、少し時間をやる、最良の返事を待っているぞ。何が一番最良の選択か、よく考えるんだな」
そしてビデオレターは終わった。
パレードの連中とオレ達はみんなで話し合いをし、今後どうするかを考えた。
「ウェンリーは表立っては流通の大会社エクスキャリバーの青年社長という事になっているわ」
「それじゃあそのエクスキャリバーの本社に殴り込みかければ良いじゃねえかよ」
「コウ、お前はいつも短絡的だな。だが、確かに今回はそれが正解かもな」
「決まりね、それじゃあエクスキャリバーの本社の場所を検索するわ」
エリーが電子地図を広げ、この一帯のエリアを調べた。
「かつて人類が宇宙に行けた頃の地図だから建物とか違うかもしれないけど、大まかな地形はそのままだと思うわ」
「どうやらこの沼地の一角が今の造成地だとするとエクスキャリバーの本社はこの辺りのようだな」
そして、パレードとオレ達はルミナス号をその場に残し、カーゴトレーラーのパレードⅢで移動を開始した。




