番外編 宇宙漂流記ルミナス 70 STEPアドベンチャー3
マタレヨに呼ばれた魔神は、走って彼の所に来たようだ。
「おお、戦ちゃん、よく来てくれたな!」
「な、仲間を呼ぶなんて卑怯だぞ!」
「何を言うか、お前達こそ魔神に乗っておるではないか」
まあそりゃあそうだ。
しかしマタレヨが電話をしに行った理由が魔神を呼ぶ事だとは流石にあのナグゴワイネッガーも気が付かなっかったようだ。
「これぞ拙者の魔神、戦龍丸。いざ尋常に勝負!」
「やかましい、アームストロング魔神バージョン2、行くぞ、あの魔神をガラクタのスクラップにしてやれ!!」
巨大な右腕の魔神が戦龍丸に襲い掛かった。
だが、巨大な右腕に対し、左腕の貧弱さがまるでシオマネキのような不格好さだ。
それにパイロットの顔を巨大化したようなSDスタイルのロボットがまさにギャグと言える。
「薩摩芋自然薯流剣術! ×(ペケ)一文字斬り!!」
「もぎゃああぁぁ!!」
戦龍丸の二刀流の刀で斬られたアームストロング魔神バージョン2(ずいぶん長い名前だな……)は、自慢の右腕を切り落とされ、手も足も出なくなってしまった。
「どうした、その魔神でまだ戦うか?」
「ひ、ひいいいぃぃい! お助けぇー」
トップザオーバーが魔神を乗り捨てて逃げ出した。
「よくもトップザオーバーを、今度はオレが相手だ!」
飛行形態になった魔神スーパートムキャットMkーⅡが上空から戦龍丸を狙い撃ちにした。
「ファイヤッ! ファイヤッ! ファイヤァァァァ!!」
「く、くうう、これはたまらん! 拙者達には空を飛ぶ敵を倒す武器が無いのだ!」
あららら、戦龍丸は成すすべも無くスーパートムキャットMkーⅡに機関砲やミサイルを撃たれてボロボロだ。
「ケケケケ、オマエらみんな蜂の巣だ! このドッブガン様がぶっ殺してやる!!」
空からの攻撃になすすべもないタケル達、だがそんな彼らの元に謎の鳥のようなロボが飛来した!
「ちっ、ここでアイツらに死なれたらオレが元の姿に戻るのが戻らなくなってしまうんだよ!」
「のあああぁぁぁ!?」
金属の鳥の翼に飛行機の翼を切り裂かれたスーパートムキャットMkーⅡはバランスを崩してそのまま工場の廃液を捨てる池に墜落してしまった。
「よくもよくも、わっしの仲間を、許さん、ノシイカにしてやる!」
ローラーダッシャー弐号がトモエに襲いかかった!
その時、巨大な手裏剣がどこからともかく飛んできて、ローラーダッシャー弐号を弾き飛ばした。
「ほえー、ありゃなんなのさ?」
巨大な手裏剣は何度も回転をし、その姿は忍者のような魔神に変わった。
——えっと、アレは姉ちゃんの部屋のプラモで見た覚えあるぞ。確か……幻龍丸だったっけ?
トモエの爺ちゃんが乗ってたヤツだよな。
「のおおおおー?」
巨大手裏剣に跳ね飛ばされたローラーダッシャー弐号は、ひっくり返ったまま起き上がれずに亀のような状態でローラーを無駄に回転させている。
「あちしのねちょねちょ手裏剣を受けるのだー!」
粘着質な物体で出来た手裏剣は空回りするローラーに張り付き、モーターに負担のかかったローラーダッシャー弐号はオーバーヒートの後で爆発してしまった。
「タケルめ! こうなったらオレ様が相手をするしかなさそうだな、このアーノルド・ナグコワイネッガーの恐ろしさを思い知らせてやる!」
そういうとナグコワイネッガーは非常ボタンを鳴らして工場のシャッターを開いた。
そして、そのシャッターの中に居たのは……鬼の頭のついた体がトレーラーの様な魔神だった!
「このオレ様の魔神、ナマハゲゴンボイでボコボコにしてやる! 覚悟するんだな!」
「くそっ! 悪党め。ボクだって魔神がいるんだ!」
タケルは背中の剣を引き抜き、空に掲げた。
「聖龍丸ぅぅぅー!!」
「オウッ!!」
タケルの呼びかけに白く輝く龍が空から舞い降り、そこには龍の兜を被り、勾玉の首飾りを首からかけた古代の戦士のような魔神が姿を見せた!
「行くぞ、聖龍丸!」
そして、タケルが光に包まれ、聖龍丸の中に吸い込まれた!