番外編 宇宙漂流記ルミナス 69 STEPアドベンチャー2
ルミナス号は階層山の虹の見える場所を目指し航行中だ。
幸いエネルギーはワープ装置を使わなかったのでまだイースター島までの移動に使った以外は六割ほど残っている。
この世界のどこでエネルギーを確保できるかは分からないが、とにかく今はタケル達に会わなくては。
バーバーおばばに話を聞いても階層山の虹の事くらいしか教えてもらえなかった。
どうやらこの世界は神様の虹の恩恵を受けた温かい世界だったらしいのだが、どこからともなく現れた悪の帝王ドンヨクダーによって虹の色が奪われ、虹のおかげで自由に行き来の出来た階層山はそれぞれが階層ボスによって分割されてしまい、ドンヨクダーの手下達七魔将によって支配されるようになってしまった。
――マジでRPG設定そのものって世界だな。
そして救世主となったタケルはそのドンヨクダーの手下を倒し、階層山の虹を取り戻す為の旅に出たってわけか。
オレ達が寄る村々では村人が救世主タケルに感謝を伝えてほしいと言われた。
タケルが階層ボスの手下を次々と倒して村々を解放してくれたそうだ。
・村人を地獄のデスレースに強制参加させた悪領主ギャノンボール。
・村人達の家の上を戦闘機で飛びまくり機関銃やミサイルを乱射しまくった悪領主ドッブガン。
・村人達に強制的に腕相撲を強いり、負けた者に重税やペナルティを与えた悪領主トップザオーバー。
――って、これ全部米国映画のパロディネタじゃねーかよ!!
よく放送当時に抗議されなかったもんだな。
って事は、階層ボスもやはり映画ネタなんだろうな。
ウチの姉ちゃんなら知ってるかもしれないけど、オレはこの作品名前と主要キャラくらいしか知らないので各階層のボスだの出てくる魔神だのは知らないんだよな……。
それでどうやら今タケル達は階層ボスの居る製鉄所に向かっているらしい。
どうせそれもまた映画ネタなんだろうけどな……。
さて、それじゃあ到着前にドローンを飛ばして様子を見て来るか。
オレはカメラ付きドローンを飛ばし、タケル達の姿を探した。
お、いたいた。アレがタケルか。
「マタレヨ先生、思ったより敵が多いですね」
「うむ、流石は階層ボスといったところだな、拙者の薩摩芋自然薯流剣術をとくと見せてやるわい。やあやあ我こそはムサシ村の兵部マタレヨ、いざ尋常に勝負なり!」
「あちしもがんばるよー、忍法ねちょねちょ手裏剣!」
どうやら今は敵の手下を蹴散らして製鉄所に向かっているようだな。
しかしあの栗に手足の生えたような敵、一体何匹いるんだ?
「ええい、クリキントンでは足止めにもならんか! 仕方ない、こうなったらオレ様が相手になってやろう」
どうやらアレが階層ボスのようだな。
「出たな、ドンヨクダーの手下め、ボクは神部タケル! この世界の救世主だ!」
「来たなタケル、オレ様は第一階層のボス、アーノルド・ナグゴワイネッガーだ!!」
あらあら、やはり映画のパロディネタキャラでしたか。
蓑をまとい、鬼の面を額に付けてサングラスのムキムキマッチョの大男、それがこの第一階層ボスのようだな。
「そうそう、タケル。お前達にやられたオレ様の手下が是非ともお礼をしたいと言っているのでな!」
「タケル、よくもわっしをコケにしてくれたな、このローラーダッシャー弍号でノシイカにしてやる!」
「見ろ、コレがオレの飛行機魔神、スーパートムキャットMk-Ⅱだ」
「凄いヤツがやって来た、アームストロング魔神バージョン2だ!」
どうやら階層ボスの手下のタケルにやられた悪領主が全員集まっているようだ。
このままでは多勢に無勢、ここはオレ達も出た方が良いのかな。
「タケル、拙者ちょっと電話してくるわい。すまないがナグゴワイネッガーさん、この辺に公衆電話は無いかな?」
「電話か? そこの角を曲がった工場の入り口にあるぞ。家族と最後の別れの電話をしてくるんだな」
「これはかたじけない、では拙者は電話をしてくるので少し待っていてもらえるかな」
流石はギャグ作品、敵もアホというかノリがいいというか……。
電話をしに行ったマタレヨは公衆電話から誰かに電話をしていた。
「こちら、ポケットベルサービスです。相手に送りたい番号をご入力下さい」
「えっと……84518(ハヨコイヤ)っと」
電話の直後、マタレヨの所に鎧武者のような姿の魔神が姿を見せた。




