番外編 宇宙漂流記ルミナス 65 地球にプロポーズ3
何故ここにゴーマージンがあるのか、それを考えていても意味は無さそうだ。
しかしそれよりも、ボテクールフライドチキンの出店があったって事は、あの愉快なドクージャ三人組がいてもおかしくないって事か……。
まあ今はバルバック隊が休日を楽しんでいる様なので、下手にいらない事を言わない方が良いかな。
しかし周囲の警備はしっかり調べておこう。
いきなり敵さんが攻めてくる可能性もある。
ドローンで辺りを探っていたオレは、見覚えのあるデカい物体を見つけた。
マストに提灯や暖簾、この独特のセンスは間違いなくアイツだ。
フンダクルの戦艦がここにあるって事は、ボテクールやブチギレールのヤツがいてもおかしくは無いな。
困ったもんだ、ここでまたドクージャと一戦交える事になったらややこしい話になりそうだ。
その上イゼリア軍まで出てきたら、流石にこのままってわけにはいかないな。
オレは休日を楽しんでいるバルバック隊とは別に動く事にした。
ルミナス号の子供達も何名かが海に行っているようだ、まあたまには羽根を伸ばすのもありだからな。
だけどメカニック、エンジニアはそうは言ってられない
いつイゼリア軍やドクージャが攻めてきても対応できるようにしておかなくては。
せっかくの休日、邪魔するのも悪いのでオレ達はオレ達で独自に動く事にしよう。
おや、あんな所に誰かいるぞ。
アレは、確かジョニーだったか、バルバック隊の少年メカニック兵だったな。
しかしあんなところで何をしているのだろうか? 少し音を探ってみよう。
「え……どこに行ったんだよ、ぼくのお守り」
「坊主、どうした?」
「え、お……おじさん。ぼくこの辺りで落とし物をしてしまったんです」
「そうか、一緒に探してやるよ、坊主、名前は何っていうんだ?」
どうやらジョニーは何かを落とし、それを探していたらしい。
「ボクはジョニーです」
「そうか、ジャック、一緒に探してやるからな」
「ぼくはジャックじゃありません!」
「お、それは悪かったな」
会話がかみ合っているようでかみ合っていない。
この名前の間違え方、ボケているとも思えないが一体どうなっているのだろうか。
「ジャック、落とし物ってどの辺りで落としたんだ?」
「確かこの辺だと……」
探し物をしていた二人の近くに人の気配を感じる!
「何故ここに地球人が! くっ、ここは一旦コイツらを連れてイースター島基地に退避だ!」
「こ、コイツら! イゼリア兵だ! くそっ離せ、離せぇー!!」
「ジャック、ジャックゥゥゥー!」
大変だ、少年メカニックのジョニーと男性がイゼリア兵に捕まってしまった。
この事をすぐにバルバック隊に知らせなくては!
「MAYA、オレはバルバック隊に通信を繋ぎたい、チャンネルを合わせてくれ」
――了解しました、チャンネル、コンタクト成功。――
「高木大佐、こちらルミナス号、ジャッキーと男性一名、イゼリア兵に捕まってしまったようです!」
「な、何だと! それで、イゼリア兵はどちらに向かった!」
「どうやら、イースター島のようです。そこにイゼリア兵の基地があるのかもしれません」
高木大佐はアロハシャツの上から軍服に着替え、その場でバルバック隊を呼び寄せた。
「すまないが休日は取りやめだ、これより我々はイースター島の調査に向かう!」
「ちぇっ、折角の休日だったのに、まあ仕方ねえな」
「ボヤかない、ボヤかない。それじゃあ行くわよ」
バルバック隊が輸送機に乗り込み、イースター島を目指す事になった。
その時、後ろから見覚えのある巨大ロボが姿を見せた、アレは……ゴーマージン!
「アンタ達、どうやら大変な事態になってるみたいだな、ここはグッドサイガーも協力するぜ」
ゴーマージンがイースター島の救出作戦に乗ってくれる事になった。コレで千人力だ!
――だが、オレ達の前に姿を見せたのはゴーマージンだけではなかった。
アレは……フンダクル艦!?
何だってんだよ、今はお前達と争っている場合じゃないんだ。




