番外編 宇宙漂流記ルミナス 60 シンジュク・スターダストアイズ2
今回はルビが多くて少し大変でした。
新宿御苑上空に姿を見せたのは三鬼将と呼ばれる奴らだった。
「のこのこと死ににくるとは、その潔さは褒めてやろう!」
「勢屠! ここで会ったが百年目だ!」
「ほう、小僧。この闇鬼将勢屠に勝てると思っておるのか。この身の程知らずが!」
竜のような兜を被った男は自らを勢屠と名乗った。
「勢屠だけに気を取られていると命を落とすぞ、クククク……」
「貴様は! 廬忌! クソっコイツもいたのか
もう一人は狼のような兜を被った鎧の男だった。
「儂も忘れてもらっては困るな!」
「弑碆!! お前までいるとはな!」
弑碆の兜は蛇の形だ。
どうやらこの三人がMU SYAウォリアーズの敵のようだな。
「我等」
「弩邏胡様に忠誠を誓う三鬼将!」
「この世を妖魔の世界にせん!」
三人の敵は空中で武器を構えた。
「闇鬼将勢屠!!」
「幻鬼将廬忌!!」
「刄鬼将弑碆!!」
三鬼将はそれぞれの武器を高く掲げた。
すると、大量の妖魔が新宿御苑を覆う!
その妖魔の群れに五人の戦士が叫んだ!!
「「「「「鎧装! ヨロイテクター!!」」」」」
辺り一面に反物が乱れ飛び、赤青黒白金色の聖なる獣が姿を見せる!!
「すげえ……まるで映画だ」
「アレがジャパニーズ、サムライなのか」
「あの大きなリボン、綺麗……」
ルミナス号の子供達は外の様子をカメラで見ていてMU SYAウォリアーズの鎧装シーンに目が釘付けになっている。
どうやら外国人にとってあの鎧や反物はとてもファンタスティックでカッコよく見えるらしいな。
「玄武のツネタカ!」
「青龍のカネチカ!」
「白虎のヨシトラッ!」
「朱雀のカツヒサッッ!!」
「黄竜のシンタロウ」
そして五人が武器を高く掲げた。
「「「「「我等 MU SYAウォリアーズ!!」」」」」
鎧装を済ませた五人が名乗りをあげる。
そしてその直後、彼等は武器を握り妖魔兵を次々と打ち砕いていった。
だが多勢に無勢、その上敵には三鬼将と呼ばれる最強の連中がいる。
妖魔兵を倒していたMU SYAウォリアーズだったが、その体には疲れが見えてきた。
「クッ! しまった!!」
シンタロウが跳躍途中に弑碆の斬撃を受け、妖魔兵相手に地面に落下してしまった。
そこに妖魔兵が武器を刺そうとした時!
「シン! お前の力はそんなものか!?」
「この声は! 酒鑼!」
「お前はまだその鎧てくたぁの力を使いこなせていない! さあ、この剣を使えっ!」
そう言ってシュラと呼ばれた男はシンタロウ目掛けて剣を投げつけた。
「貴様は酒鑼! この妖魔の裏切り者め!」
「貴様らこそ目を覚ませ! お前達の鎧は弱き者達を妖魔から守る力! 妖魔に騙されるな!」
「問答無用! この幻鬼将廬忌の幻魔力の前に力尽きるがいい!!」
「お前達、なぜわからない! 我等は邪妖大帝を倒す為に共に戦った、それを覚えていないのか! 私は彼等との戦いの中でその記憶を思い出したのだ! そして私は天鬼将酒鑼として操られていた。そう、我等の敵、それは邪妖大帝弩邏胡だ!」
酒鑼の説得に三鬼将が頭を抱えて苦しんでいる。
どうやら本当に彼等は洗脳されているようだ。
「騙されてはなりませんぞ! そやつは妖魔の裏切り者、酒鑼の甘言に騙されてはなりません、我等の悲願は弩邏胡様の復活。この荒れ果てた末法の世を救えるのはあの御方以外にはありませぬ」
いかにも陰陽師が妖術使いといった風貌の初老の男が姿を現した。
「貴様は、獰胅! なぜここにいる! 貴様はあの上空の野望楼の中にいるはず!?」
「ホッホッホッ……裏切り者とあの小童どもを倒すのに丁度良い物があったのでな……それを試す為に現れたのよ」
「何だって!? オレ達を倒すものだと!」
獰胅の甲高い笑い声が響く。
「ホッホッホッホッ……さあ、見るが良い。貴様らを地獄に誘う使者の姿を」
そして新宿御苑の池の中に黒い陰陽陣が姿を見せた!




