番外編 宇宙漂流記ルミナス 56 失われた老兵達のレクイエム3
セドリックとマルコとジャッキーの三人がウィンセル、ランセル、ガンセルで出撃した。
「凄いな、あのアーマーファイター。でも変形しないアーマーファイターなんて初めて見たぞ」
どうやら元軍人のナッシュはあのMVをアーマーファイターだと勘違いしているようだ。
まあこの世界のロボットの総称があのアーマーファイターならそれも仕方のない話か。
「それで、街の人の情報を総合してみると、つまり……盗賊団が出没するようになったのは第一次降下隊全滅後だという事なんだな」
「そうじゃ、火星からのエリート部隊、彼等にわしらは期待をしたんじゃ、だが……バンビットはそんな火星からの降下隊を全滅させてしまい、撃沈されたソードフィッシュだけが残った。そしてそこを根城にする盗賊団が住み着いてしまったというわけじゃ……」
どうもおかしい話だな、盗賊団の出没が第一次降下隊全滅後というのが……。
あまり考えたくない話だが……ひょっとすると、盗賊団の正体って全滅したと思われている第一次降下隊の生き残りじゃないのか?
それなら盗賊団が燃料や武器を集めているのもバンビッドにリベンジする為だと考えたらあり得る話だ。
そして街の住人に対して虐殺行為をしないのも元エリート部隊のプライドかもしれない。
まあ実態を知るには先に偵察に行ってくれたセドリック達の報告を待つことになるのだが、今ここにいるのはオレ達以外にはモースピードのエイジャやフローラ、ラブにシモンといった面々だ。
まあここにはルミナス号が有り、燃料を補充すれば電磁バリアフィールドを展開できるので街の警備よりは盗賊団のいるという戦艦ソードフィッシュの残骸に行った方が良さそうだな。
だがルミナス号をそのまま無人にするわけにもいかない、なのでシモンが残りルミナス号をガードしてくれることになった。
オレはどうにかこのルミナス号が飛べるようにメンテ中だ。
——レイジ、すみません……。——
「気にするなよ、MAYA。これが今のオレの仕事なんだから」
この感じだと後1時間あればルミナス号は飛行できるようになるな。
そう出来たら一度その戦艦ソードフィッシュのある場所に向かってみよう。
そろそろセドリック達から何か報告が入ってくるはずだ。
オレの予想が正しければ盗賊団の正体も判明するだろう。
「こちらマルコ軍曹! 大変だ、見たこともない敵の群れに囲まれている。至急連絡を乞う!」
「何だって!? 敵って盗賊団か?」
「いや、違う。敵は……ロボットに乗った宇宙人みたいだ!」
「待て! そいつらの機体の色は何色だ?」
ナッシュがマルコに問いかけた。
「敵は、紫のロボットと、緑色のヤツらだ。今どうにかセドリックとジャッキーが応戦している」
「わかった! 俺がエギオスですぐに向かう! それまで持ち堪えれそうか?」
「どうにか、こちらも戦力はそう多くはないので急いでくれ!」
「了解だ!」
マルコの通信を聞いたナッシュはすぐにパイロットスーツに着替え、飛行形態のエギオスで戦艦ソードフィッシュに向かった。
オレ達もルミナス号の補給が完了次第ソードフィッシュに向かった方が良さそうだな。
そして三十分程して無事FZQ燃料の補給が完了した。
——レイジ、これで大丈夫そうです。この燃料を使えばワープは出来なくても通常航行くらいなら出来そうです。——
「MAYA、頼んだぞ。目標、南東30キロ、戦艦ソードフィッシュ!」
——了解です。目標、戦艦ソードフィッシュ。ルミナス号、発進。——
オレ達はモースピードのメンバーを乗せ、ルミナス号で戦艦ソードフィッシュを目指した。
オレの予想が当たっていれば、今頃戦闘をしているのはセドリック達と元第一降下隊の生き残りだろう。
さあ。急いで救援に向かおう!




