第七話 巨大獣オゲゲオ 猛将バルガルの追撃! 3
さて少し思い出してみよう。
ロボットシミュレーションゲームでシャールケンを説得して味方にする方法。
そのなかで必須だった条件が二つ、北原みどり博士を特攻させない事とシャールケンの妹であるエリーザを死なせない事だった。
これが結構シビアで、まずは第一話の再現で出てくる巨大獣ドドンガーは海から迫ってくる。
このドドンガーを5ターン以内で倒し、機動要塞ドグローンを撤退させずに破壊する。
何故ならドドンガーを倒してもドグローンが残っていればみどりさんが人質になってしまうIFルートなのでドグローンを破壊する必要があるのだ。
これがかなり難しく、ジェッターロボのジェッタービームフル改造とスカイガンボーグの連携攻撃でようやく倒せるくらいだった。
そして更に追加条件とも言えるのがエリーザを死なせない事。
このシナリオでのエリーザ救出は巨大獣オゲゲオが街の中に入れば失敗だ。
何故なら街のマップの上でオゲゲオが破壊されるとその火薬庫とも言える機体が大爆発を起こし、エリーザが巻き添えを喰らってしまう。
つまりこのシナリオではブキミーダを倒し、更にオゲゲオを街のマップの上に到着させない必要があるのだ。
ここでエリーザが死ぬとダバール星と地球の友好関係は築けず、シャールケンは最後まで敵のままだ。
だが、ここでエリーザを助ける事が出来れば、彼女がダバールと地球の和平の使者となり、更なる脅威と戦う為にシャールケンと専用ロボを終盤で説得して味方に出来るのだ。
つまり、今から俺がやるべき事は、地球に向かいオゲゲオを街で破壊させずにエリーザ様を助け出す事だ。
幸い足を引っ張るはずのブキミーダが俺自身なので妨害は入らないだろう。
さて、巨大獣オゲゲオを作るとするか。
いつものガッダイン5大百科の巨大獣図鑑……。
――巨大獣オゲゲオ――
全長45メートル、重量1350トン
空を飛びながら攻撃をする怪鳥タイプの巨大獣。
全身をミサイルや遠距離砲ばかりで固めた移動する武器庫。
ブキミーダによりバルガル将軍暗殺の為にどさくさにまぎれて街を絨毯爆撃する中でエリーザを巻き添えにする。
その事に激怒した龍也により、ビッグミサイルを全身に受けて誘爆し、爆発。
その後縦方向に超電磁ウェーブを喰らい、そのまま垂直超電磁スマッシュを受けて爆発。
ほんとブキミーダはろくな事しないな。
さて、この巨大獣オゲゲオ、本来は全身武器火薬庫みたいなロボットだったが、これはマジで危険度が高い。
なので実弾系兵器や火薬系は今回は止めておこう。
代わりに搭載するのは……レーザーカノンと高出力ビーム砲。
それに熱線砲くらいにしておこう。
万が一誘爆しては困る。
実際先日の巨大獣バビゴンは誘爆したミサイルで全身ボロボロになってガッダイン5に敗れた。
それを二度も繰り返すのは愚の骨頂だろう。
さて、マーヤちゃん。巨大獣作りに取り組みますよー。
マーヤちゃんはテレビ見たさとゲームやりたさに巨大獣作りを頑張って手伝ってくれた。
マーヤちゃんマジお利口さん。
そしてマーヤちゃんの協力もあり、俺は巨大獣オゲゲオを完成させた。
「マーヤちゃん、それじゃあ地球に向かうよ」
「えー、今から――8時だぞ、全員招集――が始まるのにー」
「わかったわかった、テレビなら地球でも見れるから」
「本当ー? ご主人様ー」
仕方ない、今度はビデオを作って録画できるようにしておくか。
俺は聞き分けの無い子供を説得する親の気分だった。
さあ、この特殊宇宙船で地球に向かうぞ。
俺はマーヤちゃんと巨大獣オゲゲオを乗せて、宇宙船で地球に向かった。
一刻も早くエリーザ様を見つけないと、地球とダバール星の未来が終わる。
俺は胃を痛めながら宇宙船を地球に向けて降下した。




