番外編 宇宙漂流記ルミナス 52 輝く瞳5
思ったよりこの島の話が長引きました。
次の世界の話は次話以降に持ち越しです。
アノンの巨神が動き出した。
そして、その目からレーザーが撃たれ、BLANKAの装甲車が吹き飛ばされた。
「なんと、愚かな。このような武装を……やはり人類に文明は早かったのか」
アノンの巨神が胸の模様を光らせた。
すると、その模様の光と共鳴し、アノンの巨神を少し簡略化したようなデザインの巨神が地下から姿を現した!
「さあ、行くのだ。ログルガーディアンよ。この星の人類を再び無力化し、我々はこの星を去ろう」
ログルガーディアンと呼ばれた巨大ロボの群れは、BLANKAのヘリや戦車を破壊していった。
「トッド新総帥! 大変です!! お父上が、この島の件を隠しきれなくなってしまい、東の連邦がついにこの島に気がついてしまいました。それに対して大統領が東の連邦に渡すくらいならと、この島に核ミサイルを発射してしまいました!」
「な、何だと!? くっ、それで……この島に核ミサイル到着まであとどれくらいだ」
「あと、30分です。30分でこの島は地図から消えてしまいます!!」
何だってぇー!!??
オイ、この急展開!! 最終回そのものではないか!
だけどあの時はアノンとコウが和解し、アノンがその巨神の力で核ミサイルを無効化し、この島が助かるはずだった。
だが! 今はアノンを説得して核ミサイルを無効化する事は出来なそうだ。
それ以外の方法で核ミサイルをこのアウストラル新島に落とさせない方法……やはりあれしかないか!
「セドリック、マルコ、頼む、ウィンセルとランセルで異星人の遺跡からエネルギーを引っ張って来てくれ、タキオンエンジンが使えればルミナス号で核ミサイルを止められるんだ!」
「わかった! 任せてくれ!」
「わかったぜ、おれに任せな」
ウィンセル、ランセルがアノンの遺跡にパイプを持って移動した。
ログルガーディアンがウィンセルやランセルに襲いかかった。
「くそぅ! コイツら、攻撃が!」
「攻撃が目的じゃないんだ、ケーブルをルミナス号に繋げるんだ」
マルコとセドリックのおかげでログルガーディアンから逃れたランセルとウィンセルが古代遺跡のエネルギーをルミナス号に接続してくれた。
よし! タキオンエンジン充填が出来た!
「MAYA、あの飛来する核ミサイルを無効化出来るか?」
——ワープシステムの座標計算ができればワープフィールドで核ミサイルを捉え、宇宙空間にワープさせて爆破させればこの島は無傷で済みます。——
「MAYA、頼む。ワープシステムで核ミサイルを宇宙にワープさせてくれ!」
——わかりました。ワープシステム、作動!——
ルミナス号にバリアフィールドが張られ、ワープ座標が計算された。
あと数分で核ミサイルがアウストラル新島に達着する。
BLANKAのスタッフ達はトッドの指示で速やかに島からの脱出を進めていた。
「急げ、あと数分でこの島は吹き飛ぶ! その前に少しでも多くこの島を離れるんだ。フラウ! 早くこちらに来い!」
「トッド、アンタ……ワタシを嫌いになったんじゃ……」
「そんなわけないだろ、オレのそばに来い!」
トッドが手を伸ばした。
その手をフラウが取り、トッドが引き寄せた。
「もう、離さないぞ」
「トッド……」
トッドはもし、この島から脱出出来ないなら、彼女と最後をこの島で迎えようと覚悟を決めた。
「トッド様! もう定員いっぱいです!」
「そうか、ではもう行け」
そこにいたのは覚悟を決めた男の顔だった。
彼らを守るために核ミサイルを止めなくては!!
オレ達はルミナス号で空に飛び上がり、核ミサイルを迎え撃った。
「よし、ワープ装置作動だ!!」
ワープ装置は核ミサイルを捉え、遥かな上空の宇宙空間に転移させた。
この島の脅威は姿を消したのだ。
だが、アノンとコウはまだ遺跡の中にいた。
「アノンさん、どうしても戦うのですか?」
「デノンの子孫よ、私と語り合うにはお前はまだ早い。そこでお前の力を見たいのだ。さあ来るがいい」
オーグとアノンガーディアンの対決はまだ決着がついていない。




