番外編 宇宙漂流記ルミナス 48 輝く瞳1
何だ何だ!? あの蒼いロボットは!
ロボットの頭部は少し凹んでいて、そこには先ほどの少年と大きな犬が乗っている。
「オーグ、敵だ、やっつけて!」
「グオオオーン」
オーグと呼ばれた蒼いロボットの目が白から赤に変わった。
そして、オーグはその辺りにあった岩を掴み、ルミナス号目掛けて投げてきた!
——電磁バリア展開!!——
だが、ルミナス号はワープ直後のエネルギー不足で電磁バリアが完全ではなく、オーグの投げた岩石の直撃を受けてしまった。
「うわぁぁっ!」
「やった、オーグ、BLANKAの新型に一泡吹かせてやったよ!」
「ま、待ってくれ! オレ達はブランカなんて知らないんだ! それよりここはどこなんだよ!?」
「え? オーグ、攻撃を止めるんだ」
「グオォォ……」
オーグの目が赤から黄色に変わり、そして掴んでいた大岩を地面に戻した。
ズズゥーン!!
辺りに大岩を置いた地響きが聞こえた。
「コウ、どうした? またトッドの手下か!?」
「船長、どうやら違うみたいなんだ」
「何だって?」
この船長と呼ばれた恰幅の良い男、コイツは間違いなく歴戦の戦士だ! 素人のオレでもわかるくらいだ。
そしてオレ達は動けないルミナス号をそこに置いたまま、全員が外に出た。
「どうも、この子供達の引率をしているケイト・アーデルハイドと申します。よろしく」
「オレはコイツらの面倒を見ている。そうだな、みんなには船長と呼ばれている」
オーグの凹んだ頭に乗っていた探検スタイルの少年が降りてきてオレ達に握手を求めた。、
「ぼくは矢上乎宇。コウって呼んでよ。コイツはアキレス」
コウは横の大きな犬と一緒にオレ達に自己紹介をしてくれた。
「ボクはキートン・ウェイパー。このアウストラル新島を研究に来た博士で、矢上博士の弟子なんだ」
このキートンという男、なんとも頼りない男だな。
「ドロシー・ウェイパーよ。コウと兄さんと一緒にこの島に来たの」
ドロシーは何だか可愛らしい子で、ルミナス号の男の子達が顔を赤らめている。
まあ、理由はそれだけでは無いのだろうが、彼女のミニスカートは……何というか、とても短く、少し動いたら下の白いのが見えてしまいそうなくらいだ。
「男ってフケツ!」
あーあ、ルミナス号の女の子達がヘソを曲げちゃった……。
まあ、若いんだから仕方ないな。
「兄さん、アンタはなんて名前なんだい?」
「オ、オレはアルバトロス・パロ・レイジ・イカルガ。レイジと呼んでくれ」
もうこの名前を名乗るのも慣れてしまったな。
「そうか、レイジ。お前達はなぜこのアウストラル新島に来たんだ? ここにはBLANKAの連中がウヨウヨしてるのに。それだけでは無い、他にもレオパルド・コネクションのヤツまでもがいるんだ」
「船長さん、いったいそれはどういうことなんですか?」
船長は水陸両用装甲車に乗り込み、メンテをしながら答えてくれた。
「この島には異星人の遺産があるんだよ。それを狙い、BLANKAやレオパルド・コネクションがこの島に上陸してあちこちを掘っては異星人の遺産を探しているんだ」
「異星人の遺産? ひょっとしてあの蒼いロボットも?」
「そうさ、オーグはぼくが見つけたんだ。オーグはぼくの友達なんだ」
「グオオォォ」
オーグの目が白く点滅した。
どうやら肯定を伝えようとしたのだろう。
どうやらルミナス号の子供達はドロシーやコウと打ち解け、仲良く食事をしているようだ。
やはり子供は子供同士仲良くなるのかもな……。
次の日、ルミナス号をウェイパー博士が調べてくれた。
「ダメだ、コレに補充できるエネルギーが何になるのかがわからない……」
そうなのか、仕方ないな。
船長とウェイパー博士がルミナス号について調べていると、何者かが攻撃を仕掛けてきた!!
「あら、ジンクマンじゃない。こんなとこで会うなんて奇遇ね」
「お前は、フラウ・カッツェ!」
「あら、覚えてくれてたのね。嬉しいわ。今度こそアウストラル新島の遺産はわたし達レオパルド・コネクションがいただくわ」
どうやら望まれない敵がお出ましのようだ。




