番外編 宇宙漂流記ルミナス 46 不思議・夢銀河4
オレ達はルミナス号にアリアンを乗せ、廃棄されたはずのガニメデ第三基地に向かった。
「すっごーい! これ、すごい宇宙船ね。見た目は変わってるけどザイドリッツより早く空を飛べるなんて」
「アリアンさん、そのザイドリッツって何なの?」
どうやらザイドリッツに興味を持ったのはセドリックだったようだ。
「ザイドリッツは地球最強のロボットでね、宇宙船に変形するのよ。アタシ達が乗ってデスギラー軍と戦ってたの」
「でもザイドリッツって破壊されたんでしょう、それなのにボク達はどこに行くの?」
「ザイドリッツはあるわ。ガニメデ第三基地に新しいザイドリッツがあるのよ、お願い、急いで」
——了解しました。ルミナス号、全速前進。——
そしてオレ達はガニメデ第三基地に到着した。
基地は放棄されたように見えたが、この中に本当にザイドリッツがあるのだろうか。
アリアンはスペーススーツを着てガニメデ第三基地に降り立った。
「見つけたわ。これがザイドリッツⅡ!」
アリアンが見つけたのは少しずんぐりとした形の宇宙船だった。
コレがロボットに変形するのか?
オレ達の見ていたのは破壊された際のロボット形態だけだったので、コレがどう変形してロボになるのかがわからない。
オレがこの作品を見たのは幼稚園くらいの頃だ、そうなると作品を中途半端にしか覚えていなくても仕方ない。
「行くわ! ザイドリッツⅡ発進!」
アリアンがザイドリッツⅡに乗り、操縦してガニメデ第三基地を飛び立った。
オレ達はそのザイドリッツの飛ぶ方向を目指した。
ザイドリッツが到着すると、そこはヘリオンの指揮するデスギラー大艦隊が地球圏を包囲しようとしていると事だった。
「フハハハハハッ! ザイドリッツ無き今、地球の戦力なぞ赤子の手をひねるも同然だ! 行けっ、地球を征服しろ」
だがそこにザイドリッツが到着すると、余裕だったヘリオンの表情に焦りが見えた。
「バ、バカなっ!? ザイドリッツだと! おのれ、地球人め、このワタシを謀ったな!」
「ザイドリッツは不死身よ、アンタたちになんて負けないから!」
「クソっ! 行け、デスギラー艦隊。ザイドリッツを宇宙の藻屑にしてしまえ!」
だがデスギラー軍の前には彼らの想像もしなかった勢力が姿を見せた。
オレ達のルミナス号とウィンセル、ランセル、ガンセルのMVだ。
ルミナス号は電磁バリアを張れば大抵の攻撃を無効化出来る。
それが子供達だけで宇宙船を運用できた理由だとも言えるだろう。
オレ達は電磁バリアを展開したまま、デスギラー艦隊を突破した。
そして地球方面に向かう大艦隊を突き抜けてデスギラー軍の本拠地である要塞衛星ハイペリオンに到着した。
「しまった! 全軍転回。ザイドリッツを追いかけろ!」
ヘリオンが艦隊を急速反転させようとしたが間に合わない。
オレ達は要塞衛星ハイペリオンに到着した。
「アリアン、こちらセイジだ! オレ達は要塞衛星ハイペリオン内部にいる。ウィルがメインコンピュータシステムの迎撃でやられた! 至急合流してくれ」
「こちらアリアン、了解」
オレ達とアリアンの乗るザイドリッツは要塞衛星ハイペリオン内部でセイジ、ウィル、ロバートと合流した。
だが、ハイペリオンの迎撃システムにやられたウィルは重傷だったのでオレ達のルミナス号の簡易式救急システムでMAYAによって治療するため、離脱した。
「みんな、すまない」
「大丈夫か、ウィル。ザイドリッツはオレ達で戦うからお前は休んでいてくれ」
「わかった」
ウィルは治療の後、看護師の勉強をしていたセーラによって看病されることになった」
「みんな、ウィルの分まで戦うわよ」
「そうだな、僕達はチェスのキングを追い詰めている状態だ。コレでチェックメイトにしてやる!」
「オレチェスはよく知らないけどようはハイペリオンのメインコンピュータを倒せば王手飛車取りって事だよな! よし、行くぜ」
そしてウィルを除いた三人が叫んだ。
「「「ザイドリッツ、ファイティングフォーメーション!!」」」




