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番外編 宇宙漂流記ルミナス 40 ブルーリカバー2

 ブルーリカバー基地の尋問室は広く、本来は別の用途に使われている部屋のようだった。

 ここの部屋にあるヘルメットを被らされたオレ達は脳波が見えるモニターを見せられた上で尋問を開始された。


 年齢順に……という事は最初に尋問されるのオレじゃねぇかよ!


 だがここで下手に逃げたり暴れれば射殺されかねない。

 仕方ない、ここは素直に従うか……。


 オレの尋問を始めたのは日影博士という人物だった。

 どうやら彼はブルーリカバーの司令官らしい。


「まず聞こう、お前の名前は何だ?」

「オレはアルバトロス・パロ・レイジ・イカルガだ」


 脳波モニターの波が激しく揺れた!


「嘘をつくな! この脳波モニターは嘘を見抜く力がある。本当の名前は何だ?」

「わ、分からないんだ。オレは覚えていた名前を名乗っただけなんだ!」


 脳波モニターの波が小さな波になっている。


「どうやら全部は本当ではなさそうだが、ウソを言っているとも決めつけられないようだな。それではレイジと呼ばせてもらおう。レイジ、お前はG-1星人のスパイなのか?」

「違う、オレは地球人だ!」


 脳波モニターの波は無く、真っすぐな線になっていた。


「どうやら本当のようだ。お前はG-1星人ではなく地球人だというのだな。それでは何故あの宇宙船に乗っていたのだ?」

「オレも分からないんだ、知らない間にあの子供達と一緒にあの宇宙船の中にいて、惑星テラニアを目指す途中でワープ装置が故障して色々な場所に転移した末にここに到着してしまったんだ!」


 脳波モニターに変化は無い。

 そりゃあオレは本当の事しか言っていないんだから当然だよな。


「どうやら本当のようだな、年長者の君が嘘を言っていないんだ、この子供達も本当に戦闘に巻き込まれただけのようだな、手荒な真似をしてすまなかった」


 オレ達の拘束が解かれ、ケイトと子供達はブルーリカバー基地の中で一番安全度の高い部屋に移された。


「残念だが君達を今外に出すわけにはいかない、今この地球にはガルデバーン軍が出現し、世界中の主要都市を攻撃しているのだ。この戦闘が終わるまでは君達にはこの基地で待機してもらいたい」


 まあ仕方ないな、これだけの激しい戦闘のモニターを見せられてそのまま外に出るのは無謀すぎる。


「わかりました、せめてその間オレ達もこの基地で出来る事を手伝いますよ。子供達にも出来る事があるかどうか本人達に聞いてみます」

「そうか、本来はお客人としてもてなしたいところなのだが、今は戦闘中なのでそうも言っていられないからな」

「レイジ、貴方たちのご協力、感謝致しますわ。それで、少しお願いがあるのですがよろしいでしょうか?」


 ラインシュタイン博士がオレに頼み事? 一体何なんだろうか?


「お願い? 一体どういった事でしょうか?」

「あのワープ機能のある宇宙船を調べさせてもらえますでしょうか? 私達のガルデバーンとの戦いの際に亜空間戦闘の参考にしたいのです」

「亜空間戦闘??」

「はい、私達はガルデバーン軍と戦う為に亜空間空域に突入できる機能を今研究中なのです、それが唯一出来るのがG-1星人であるカイン・ローガンの乗ってきた大型宇宙船ガルディバーンただ一隻なのです」


 何か聞いた事がある話になってきたな……。


「ガルディバーン?」

「はい、カインのガルディバーン、それに戦闘艦パルサーブライズと重戦車キャタタンカーが合体する事で、亜空間戦闘可能な巨大合体ロボット、ガルディオスが完成するのです」


 ――思い出した! 宇宙伝説ガルディオス! 壮絶打ち切りエンドで有名な巨大ロボアニメだ!!――


 そうか、【ロボットシミュレーションゲーム】で見覚えがあるわけだ。

 あの驚異の亜空間戦闘ワープチートロボの原作の世界か。

 ゲームだけで本編知らなかったが確かに思い出せばゲームのシナリオそのままだ。


 確かこの後、敵が攻めてきたんだよな……。


「大変です! ガルデバーン軍襲来! 未確認機が海上に姿を見せました!」


 マジで敵が攻めてきた! 確かこの後の展開は……。

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