番外編 宇宙漂流記ルミナス 33 戦国将軍ゴーマージン5
とにかくあのグレート・サンチェスを倒さないと、オレ達もグッドサイガーもドクージャも生き残れない。
MAYAに聞いてみたところ、どうやらグレート・サンチェスを倒すにはクラッシャーペアのやった方法を使えば確実だというのがわかった。
つまり、質量のある巨大な物体をワープさせる事で元有った物体を押しのけて破壊するわけだ。
そして、その為にはベムラーエネルギーを使うのが効果的だと聞いた。
この時点でベムラーエネルギーを使えるロボットは、戦国将軍ゴーマージンぐらいか。
偽物のゴーボテクールはズタボロにされて爆発してしまった後だ。
「ゴーマージンよ、ワシらの代わりにアイツを倒してくれ。どんな手段を取ってもかまわん!」
「フッ、小国の軍隊程度なら私が華麗に蹴散らせるが、あの衛星砲はマミーさん、貴女にお任せしますよ」
「ザコくらいならワシがボコボコにしてやるから、あとは任せたぞ! ゴーマージン!」
ドクージャ三幹部がグッドサイガーチームに衛星砲破壊を頼み込んでいる。
それをゴーマージンは引き受ける事にしたようだ。
「このままグッドサイガーがやられてしまっては、太陽系が消滅しかねん。お前達、衛星軌道上のグレート・サンチェスを破壊するんだ!」
「了解、ゴーマージン、GO!」
さて、オレ達もどうにかこの状況を切り抜けないと。
ルミナス号はベムラーエネルギーをグッドサイガーから供給してもらい、ワープ機能を使えるようにチャージ中だ。
このエネルギーを使い、あの半壊したゴッドネオスをグレート・サンチェスの座標にピッタリになるようにワープさせる為、今MAYAが計算中だ。
「MAYA、敵はボク達が引き受けるから」
「おれもやってやるよ、おれ、かなりアタマに来てるんだ!」
ウィンセルとガンセルはタリダート陸軍と空軍相手に銃撃戦で応戦中だ。
——よし、エネルギーが貯まったぞ!!
「MAYA、ワープシステムを頼む!」
——わかりました、ワープシステム、作動。目標、衛星軌道上のグレート・サンチェス……ワープ開始!——
半壊したゴッドネオスはベムラーエネルギーで成層圏の外のグレート・サンチェスの真上にワープした。
ズゴオオォォンッ!!
「な、何だ。一体ワシのグレート・サンチェスがどうなっておるんだ!」
グレート・サンチェスはゴッドネオスに踏み潰される形でソーラーパネルと発射口が大破した。
そこに大気圏内から飛んできたのはゴーマージンだ!
「宇宙ならオレがNo.1だ! 戦国将軍ナンバーワン!」
「タカシ、ゴースマッシャーを頼むぜ!」
「わかった! 行くぞ、必殺……ゴースマッシャーッ!!」
ベムラーエネルギーを五本の光の矢にしてゴーマージンの背中から一気に放つ、それが必殺武器ゴースマッシャーだ。
グレート・サンチェスはゴースマッシャーの直撃で完全に破壊された。
「バ、バカな! ワシのグレート・サンチェスがぁぁあー」
こうして戦いの決着はついた。
グレート・サンチェスを失ったジェイク大統領はグッドサイガーとドクージャに降伏し、タリダートは大統領の辞任後、国連の傘下に入った。
「グッドサイガーよ、今回はワシ等が退こう、だがいつか必ずベムラーはワシ等のものにする!」
「フッ、悪は闇に消えてこそ美しい。またいずれ会おう……」
「キサマ等、今回は借りが出来たな。フライドチキンのタダ券をやろう。これで精をつけてまたいずれ勝負だ!」
そう言ってドクージャはどこぞとなく消えてしまった。
オレ達はベムラーエネルギーを充填してもらい、この世界からワープする事になった。
「世話になったな、またいつか会おう」
「楽しかったぜ、またな」
「シーユーアゲイン!」
オレ達はグッドサイガーに別れを告げ、ワープに入った。
——ワープ開始、10秒前、9.8.7.6.5.4.3.2.1.0……ワープ!——
ワープも何度目だろう、オレ達はこれに慣れてしまった感じがある。
そしてたどり着いたのはどこかの宇宙空間。
ワープ直後のオレ達に、何者かが攻撃してきた。
マズイ、早く避けないと!
だが、どうやらルミナス号はエネルギー切れで動けないようだ。
一体どうすれば良いんだよ!?
◆
「レイディ、前に所属不明の宇宙船があるぞ」
「パイソン、どうやらあの船、パイレーツギルドに襲われてるみたいだわ」
「ヒュー! それじゃあ、オレ様が助けてやらないとな。中にお姫様がいるかもしれないからな! 行くぞ。トータス号、発進!」




