番外編 宇宙漂流記ルミナス 30 戦国将軍ゴーマージン2
オレ達はフライドチキンを食べながら今後の事について話し合いをした。
「ん、このフライドチキン美味いな。スパイスの絶妙な配合とカラッとした皮がいける」
「オレおかわり!」
「むぐむぐ、美味しいです……むぐむく」
あらあら、ティコちゃん、美少女が口に物を入れながら話しちゃいけませんぜ、美少女が台無しになる。
「どうだ、コレ、有名な店のフライドチキンなんだぜ」
「有名は良いけど、コレって悪の組織に資金提供してないか?」
「え? どういうこった?」
「店名見てみろよ、ボテクール・フライドチキン。ドクージャの三幹部の一人の名前は?」
——コイツら、マジで気がついてなかったのか? アホすぎないか??
「しまったぁー!? 気がつかなかったぜ!」
コイツら、ボケでやってるのか真面目にバカなのかわからなくなるな。
「改めて自己紹介しよう。俺は足利タカシ、戦国将軍ゴーマージンのメインパイロットだ」
「おれはニック・ヨシュア。ブロンクスのロンリーウルフとはオレの事さ。ゴーマージンの狙撃手をやってる」
「ハーイ、マミー楠木よ。デルタスリーとゴーマージンのレーダー担当、コードネームはミンキー・マミー。よろしくね」
「へへ。ボクは斎賀大吾、よろしく」
なるほど、コレが戦国将軍ゴーマージンのメインキャラってわけか。
しかし正直言ってあの三幹部の方がよほどインパクト強いな。
「そして私が、アントニオ・アジラス司令だ。よろしく頼む」
オレ達はルミナス号をグッドサイガー基地と並航させ、ベムラー反応を探した。
どうやらタキオンエンジンの修理は難しいが代わりにベムラーエネルギーを使えばワープ可能という話だ。
そして、ベムラーはドクージャの連中も世界征服の為に狙っているエネルギーだといえる。
オレ達は大吾の勘に乗って次にベムラー反応の出る地点に移動した。
「アジラス司令、グッドサイガーに通信が入っています! 発信元は、タリダートのジェイク大統領です!」
「何だって!? 大統領自らだと!」
何が何だか、何故いきなり小国の大統領がグッドサイガー基地に通信を?
「ジェイク大統領、私がグッドサイガー司令官のアントニオ・アジラスです。大統領閣下は私達にどのようなご用件でしょうか?」
「おお、アジラス司令殿。ワシは正義の為に戦う貴方がたに感銘を受けましてな。もしよろしければワシも貴方がたのドクージャとの戦いに協力したいと考えておるのですわ。今のグッドサイガー基地からでしたら我が国までそう遠くはないかと、今後のドクージャを倒す為の話し合いをアジラス司令殿としたいのです」
この大統領なんだか胡散臭いな。
世界の秘密結社であるはずのドクージャの存在を知っているとは……。
「わかりました、グッドサイガーは今からタリダートに向かいます」
「おお、コレは頼もしい。是非ともお待ちしております」
ジェイク大統領は通信を終わらせると、すぐに国軍を出動させ、グッドサイガーを国に招いた。
「よくお越しくださいました。おや。そちらの方々もグッドサイガーの方ですか?」
「いや、オレ達はドクージャに襲われていたところをグッドサイガーに助けてもらった修学旅行の学生達と引率です」
「凄い船ですな。コレだけの船で修学旅行とは、さぞかし大金持ちの学校なのですな」
ジェイク大統領はオレの出まかせをそのまま信じてくれた。
「さあ、皆様ご覧ください。コレが我々が悪の組織ドクージャと戦った証拠です」
そう言ってジェイク大統領が見せたスクリーンに写っていたのはドクージャの軍事基地がいきなり上空からのレーザーで壊滅する映像だった。
「ワシは世界秩序の為、ドクージャが許せません。ワシの高高度衛星砲にグッドサイガーが協力してくれればドクージャなぞひとたまりもありますまい!」
ジェイク大統領はそう言って高笑いをしていた。




