番外編 宇宙漂流記ルミナス 27 クラッシャーペア3
とにかく状況を整理しよう……。
ゴルディアスタワーが今はとんでもない状況になっていて、制御用の大型コンピューターガリクソンが暴走中。
ルミナス号の子供達はゴルディアスタワーの中にいて、あの中は今エアコンの故障や大洪水でパニック状態。
クラッシャーペアの二人も今あのゴルディアスタワーの中にいて、内部から脱出する為に色々と動いている状態。
そして大型コンピューターガリクソンは人間に対して敵対し、反乱している。
今はこんな所か。
ルミナス号はどうにかMAYAが自動運転させる事を出来そうなので、あのゴルディアスタワーの最上階から子供達を助け出す事は可能。
しかし下手にコンピューターを破壊するわけにもいかないのでそこはクラッシャーペアに任せるしかない。
「MAYA、今は動けるのか?」
――ええ、とりあえずは最低限の動きでしたら。――
「ゴルディアスタワーの最上階に行くことは可能か?」
――大丈夫です。あのタワーには大型飛行艇の発着デッキがあるはずですから。――
さあ、とりあえずはここから脱出だ。
外部コンピューターを遮断していた事でルミナス号には大きな影響は出ていない。
だが修理のはずのトーチやバーナーが敵として今攻撃してきているのでここを一気に体当たりで突破するしかなさそうだ。
「MAYA、一気に突き抜けてくれ!」
――了解です、レイジ。――
MAYAは一気に修理ドッグを破壊しながら外に飛び出した。
辺りはゴルディアスタワーだけでなく大混乱になっているようだ。
どうやらあの大型コンピューターシステム・ガリクソンはゴルディアスタワーだけでなくこの惑星キリバスのこの地区全体の統括コンピューターだったようで、辺りは完全に彼に支配され……小型警備ロボットが人間を捕らえたりしている。
「くそっ、このままでは!」
オレが目の前のタワーの透明なエレベータを見ると、とんでもないスピードで上昇するクラッシャーペアの二人がいた。
見た感じどうも外に出たくて出られないようだ。
このままのスピードで上にぶつかればいくらあの二人組でもタダでは済まない。
「くそ、何か武器は無いのか?」
――レイジ、残念ながら今は修理中につき使える武器はありません……。――
なんてこった、このままあのエレベーターの上部が吹き飛んだら大惨事だぞ。
それに別のエレベーターではルミナス号の子供達も上に凄いスピードで打ち上げられている。
くっそー、こうなったらオレがやるしか無いのか。
オレは自分で整備したウィンセルに乗り、MAYAにルミナス号の発着ランチの入り口を開けてもらった。
ここからあのエレベーター上部の天井をレーザードライフルで狙い撃てばあのエレベーターによる衝突は避けられる。
「くっそー、当たってくれよ!」
オレはウィンセルのレーザードライフルでタワー上部のエレベーター天井を吹き飛ばした。
その直後、エレベーターは最上階に叩きつけれられながら、クラッシャーペアの二人とルミナス号の子供達は空に舞い上げられた。
「うわぁあああっ!?」
「キャアァァァァッ」
「なんだよぉおおっ!?!?」
そこに空から飛んできたのは、コメとドンモが操縦したアフロディテ号だった。
「クゥウーン……」
「キキイッパツデシタ、コレヨリゼンインノカイシュウヲオコナイマス」
「よくやったよ、さすがアタシのペット」
「助かったわ、コメ、ドンモ」
アフロディテ号に回収されたルミナス号の子供達は、到着したルミナス号に乗り換える形でどうにか助かったようだ。
「よーし、こうなったらもうあの大型コンピューター、ガリクソン……うちが性根叩き直しちゃるっちゃね!」
「エリ、お国言葉が出てるよ」
「あら、オホホホ、わたくしとしたことが……」
「さあ、反撃開始だよ!」
クラッシャーペアの二人が大型コンピュータに殴り込みをかける為、バリアを張ったアフロディテ号でタワーに突っ込んだ。




