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第六話 巨大獣バビゴン シャールケンの嘲笑 8

 今まで巨大獣相手にこれほどまでに苦戦した事はないガッダイン5がズタボロになっている。

 ガッダイン5は瓦礫になった船にもたれかかるように倒れていた。


「何と不甲斐ない! 鎧袖一触とはこの事か!」


 昔のアニメって何気に幹部クラスが故事成語を使う事が多かったのは、書いていたシナリオライターがそういう文系の学科で勉強をしていたからなのだろう。


「くっそー、あのシャールケンってヤロー。強すぎる」

「弱音を吐かないでっ! 龍也ってそんな弱虫だったのっ?」

「ちくしょおおおお! 負けてたまるかよォオオ!」


 ボロボロのガッダイン5が立ち上がった。

 バビゴンはそんなガッダイン目掛け、全身からミサイルを発射し、絨毯爆撃を行った。


「うわあああっ! このままでは機体が持たんですたいっ」

「ぼくの計算が追い付かないなんてっ!」


 バビゴンはほぼ無傷、それに対してガッダイン5はズタボロだ。


「フレー! フレー! シャールケン様ー!」


 マーヤちゃん、キミ本当に空気読まないね。

 俺の隣でマーヤちゃんが楽しそうに映像越しにシャールケンを応援している。

 アホ可愛いと言えばそうだけど、でも程があるだろうに。


 ゴンッ。


 俺は空気を読まなかったマーヤちゃんに脳天から一発げんこつを入れておいた。


「痛ーい、ご主人様ー。何でですかー?」

「自分の胸に手を当てて考えてみろっ」


 さて、こんなとこでマーヤちゃんと夫婦漫才している場合じゃない。

 ガッダイン5と巨大獣バビゴンの戦いはまだ続いているのだ。


 超電磁プロペラもマグネティックランサーも使えないガッダイン5はバビゴンに翻弄されていた。


「メタルダート!」

「フンッこの程度。痛くもかゆくもないわ!」


 決定打に欠けるガッダイン5は大技の超電磁スマッシュを外せばもう勝ち目がない。

 ここでガッダイン5がバビゴンに勝てるとしたら原作通りなら一つだけだ。


「龍也、千草! 今から新武器をそちらに送る! どうにか受け止めてくれ」

「新武器だって! 分かったぜ、おっちゃん!」

「誰がおっちゃんだっ!? 龍也、新武器ビッグミサイルだ!」


 代々木博士によって北原未来要塞ベースから巨大ロケットが発射された。

 それはガッダイン5の近くで分解され、中から巨大なミサイルが出現した。


「これが新兵器! ビッグミサイル……」

「それをガッダイン5の背中にくっつけるんだ」


 これがガッダイン5の新兵器ビッグミサイルだ。

 これは背中にくっつけたミサイルを高速で飛びながらターゲットを決め、一気に後ろから撃ち出す武器だ。


「よーし! これが新兵器ビッグミサイルだ!」

「フン。こけおどしを! このバビゴンの敵では無いわっ!」

「さっきボコボコにされた分のお返ししてやるぜー! ビィーッツグミサァアアイル!」


 ドゴオオオオオオンッ!!


 ガッダイン5の背中から放たれたビッグミサイルは、バビゴンに直撃した。


「なっ! 何だとっ!?」


 ビッグミサイルはバビゴンに搭載されたミサイルに誘爆し、内部から次々と爆発を起こした。


「くっ! まさかっ!? ここは撤退するっ」

「逃げるか! シャールケン!」

「今日は小手調べだ、ガッダインチーム。また会おう!」


 シャールケンはグローン円盤をバビゴンの目に着陸させ、乗り込んで撤退した。

 誘爆し、装甲がボロボロになったバビゴンは今シャールケンの代わりに人工知能が動かしている。


「龍也、超電磁スマッシュだ!」

「おうっ、行くぜっ! 超電磁……ウェエエエイブ!!」

「ギャアアアアアム!」


 バビゴンの身体が超電磁ウェーブで麻痺させられた。


「超電磁……! スマァアアッシュッ!!」

「バビゴォオオオオン!」


 ドガァアアアアーンッ!


 巨大獣バビゴンは超電磁スマッシュを喰らい、大爆発を起こした。


「くっ! ガッダイン5か。パイロット達は大した事無いが、あのロボットは脅威だな!」


 原作通りのセリフを吐き、シャールケンは機動要塞ドグローンの上に乗り、高笑いを上げながら夕日の中に去っていった。

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