番外編 宇宙漂流記ルミナス 18 太陽の戦士2
オレ達にコンタクトを取ってきたのは反政府独立ゲリラ——太陽の戦士——のリーダー、ロッド・アンデルだった。
「こちらルミナス号、こちらルミナス号。ロッドさんですね。応答願います」
「ありがとう、アンタら……地球人か?」
まあオレは間違いなく地球人だが、このルミナス号の奴らは地球人と言えるのだろうか?
「僕達は、移住惑星テラニアの子供だ。わけあって今は僕達だけで宇宙を漂流している。ここはワープ装置の故障で不時着したんだ」
「なんだ、救援じゃなくアンタらも遭難者みたいなもんか。まあいい、あの空を飛ぶコンバットメカはアンタらの仲間か?」
この世界ではロボットの事をコンバットメカと呼んでいるらしい。
まあMVみたいなロボットへの呼称だろう。
「コンバットメカ? ウィンセルの事か?」
「そうか、あの空飛ぶコンバットメカはウィンセルって言うんだな、すまないがあのウォーカーガンナーを倒すのを手伝ってくれないか?」
「ウォーカーガンナー? あの足の生えた戦車みたいなやつの事?」
「そうだ。あれはガルシア隊の特殊兵器だ。アレで狙われたらカマリン博士の乗る列車が爆破されてしまう。オレ達はそれを阻止する為に砂漠ルートをショートカットしてカマリン博士が無事列車で移動できるように露払いしてたんだが、よりによってアイツに先回りされてしまってたってわけだ!」
なんだかよくわからないがとにかく独立派の要人警護をしているのがコイツらで、敵はそれを阻止する地球側の軍人というわけだな。
「カリンがザグザムであのウォーカーガンナーとコンバットメカを相手にしている。だがどう考えてもカリンだけに頼むわけにもいかないんだ。オレ達もこのバギーで戦っているが、あのウォーカーガンナー相手にはまるで歯が立たない、頼む、力を貸してくれ!」
確かにあのザグザム一機がどれくらいの強さかはわからないが一機だけでコンバットメカとウォーカーガンナーを相手にするのは無謀だ。
「セドリック、あのウォーカーガンナーってやつを狙えるか?」
「わかった。やってみる! アイツにはレーザドライフルが効かなそうだな。それじゃあレイジのセットしてくれたこれで!!」
ウィンセルからリニアレールガンが発射された。
ドガンッ!!
「やった!」
どうやらウィンセルの撃ったリニアレールガンはウォーカーガンナーの脚部との接続点に当たったらしく、脚のもげたウォーカーガンナーは三番足でバランスを保つしか出来なかった。
「あの空飛ぶコンバットメカのおかげでウォーカーガンナーの脚が一つ吹っ飛んだか、よし、それなら次はあの砲台を壊してやる! いけっ、リニアキャノン!」
ザグザムの右手に装着されたリニアキャノンがウォーカーガンナー目掛けて発射された。
ウォーカーガンナーは砲台を破壊され、そのまま誘爆して脚が外れて地面にかなりの高さから落下して大爆発を起こした。
「やったぜ! このヤロー!」
「カリン、やるじゃない」
「さすがっし、カリンやるっし」
ウォーカーガンナーが撃破され、残ったバッシュマンをザグザムが小型ミサイルで吹き飛ばし、残ったガルシア隊のコンバットメカは撤退して行った。
「よし、列車が通る時間だ! あの車両にカマリン博士が乗っている。やった、作戦成功だ!!」
どうやら太陽の戦士達はカマリン博士という人物を守る事に成功したらしく、全員が喜んでいた。
「よし。みんな、作戦終了だ、今からアジトに戻るぞ。そうだ、ルミナス号、アンタ達もオレ達のアジトまで良かったらきてくれ。
そして、オレ達は太陽の戦士のアジトのある小さな町のハズレに向かう事になった。
カマリン博士か、その人物ならタキオンエンジンとワープ装置について聞く事も出来るかもしれないな。




