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番外編 宇宙漂流記ルミナス 14 バリアン・ワールド 2

「魔女マヤ様、お初にお目にかかります」

——魔女だなんて、ワタシは魔女ではありません。このルミナス号のメインシステムです。——

「しかし、マヤ様はここにおられずにこの場所に声を届ける事のできるお方、それほどの人間離れした力を持つのは魔女様以外にはあり得ません!」


 あーあ、ジョルジュ王子が変な誤解してしまってるよ。


「あの、ジョルジュさん。MAYAは人間でも魔女でもないんです。彼女はこのコンピューターなんです」

「コン……ヒュータ? 何ですか、それは何かの異種族の名前ですか?」


 どうやらジョルジュ王子にはコンピューターの概念から説明する必要がありそうだな。

 ここはオレが説明するか。


「あの、ジョルジュ王子。コンピューターとは、機械の事なんです。つまり彼女は自ら思考する機械で、このルミナス号のメインシステムともいえる存在なんです」


 この説明で納得してもらえるだろうか?


「まさか、この綺麗な女性の声が機械だというのですか!? 信じられません。コレは文献にあった大昔の空飛ぶ船なのですか?」


 どうにか誤解は解けたようだが、今度は新たな疑問が生まれてしまったようだ。


「みろよ、ジョルジュ! この機人すげぇぜ!!」

「ロック、一体どうしたんだ?」

「何だ! この白い機人は。コレはやはり古の空飛ぶ船なのか……」

「ジョルジュ様、コレは我らの知る空飛ぶ船とは異なります」


 この翼を持つ亜人の女性は空飛ぶ船ってのを知っているのか?


「リルルカ、君が文献で見た船とコレは違うというのか?」

「はい、ジョルジュ様。我らの知る空飛ぶ船はもっと違った形です。おそらくこれは全く別の世界から現われた物かと……」


 どうやらこのリルルカという女性、古代文明について何か知っているのかもしれない。


「リルルカさん、お願いです。このルミナス号のタキオンエンジンのワープ装置を見てもらえますか? 貴女ならそのシステムについて理解できるかと思います」

「ごめんなさい。ワタシには無理です。ですが、ワタシの同士の彼ならわかるかと……」


 彼ってのが誰かはわからないが、ボク達はルミナス号ごと白い谷に案内された。

 どうやらここは征服王ラーダルから逃れた者達が移り住んだ場所のようだ。


「ジョルジュー、おかえりなさーい!」

「ああ、ただいま。チュチュル」


 どうやら彼女はジョルジュ王子の恋人のようだ。いや、恋人というには幼すぎるかもしれないが……。


「ジョルジュ様、ご帰還お待ちしておりました」

「ランベル、ただいま。すまないが彼らをもてなしてもらえないか?」

「彼らは……? し、承知致しました。ジョルジュ様」


 オレ達はランベル将軍に歓迎され、白い谷の空き部屋に案内された。


「戦争中なのであまり大したものは用意できませんが、どうぞお召し上がりください」


 オレ達に出されたのは、茹でた芋だけだった。だがどうやらこれがここにいる彼らの出せる最大限の食事なのだろう。


 だがこれではあまりにも食べられたものではない。

 案の定ルミナス号の子供達が不満を言い出した。


「何だよこんな家畜の餌みたいなものしかないのかよ。これなら食べない方がマシだぜ」


 スターリング、お前マジ空気読まないな。

 そしてスターリングが落としてしまった芋を拾ったチュチュルが彼を強く睨みつけて彼に平手打ちをした。


 パァン!!


「いったいなー! 何だよ、いきなり!」


 その場に立ち尽くしたチュチュルは震えながら涙を堪えていた。


「何よ、何よ……わたしたちのじじょうも知らないくせに……あなたたちのそのおいも、だれが用意したと思ってるのよ……」

「チュチュル! 謝るんだ。彼らは僕たちのお客様なんだぞ」

「キライよ、みんな、大っキライよー!! うわぁぁーん」


 チュチュルは思いっきり泣きながら部屋の外に飛び出して行ってしまった。

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