番外編 宇宙漂流記ルミナス 12 銀河新風ザンシンガー 4
ザン・シンクロン・マキシマム
そう言って四台のスペースバギーが空中に舞い上がった。
オレはG9の紅一点オクニのスペースバギー、シップーンの助手席に乗ったままだ。
チュージのセンプーン
イシマッツのレップーン
オクニのシップーン
ジローチョのシンプーン
この四台がザン・シンクロン・マキシマムで巨大化する事により、完成する巨大ロボが銀河新風ザンシンガーだ!
センプーンが胴体になり、レップーンが右腕。
シップーンが左腕、シンプーンが下半身に変形し、一つになった後、コクピットが全部集まり、ザンシンガーの頭部に来た。
オレも今回は助手席ごと移動したのだが、このコクピット移動はマジで謎技術で解明のしようがない。
完成したザンシンガーは、妙な軌道を描き空高く舞い上がった。
「夜空の星が瞬く影で、今日もネングが奪われる! 食うに食えぬと泣く人の、苦しみ背負って強きをくじく!! 銀河新風ザンシンガー、呼べば応えに、只今見参!!!!」
——何だよコイツらのこの熱さ、何だか胸に込み上げてくるじゃねえかよ!——
「ザンシンソード! いくぞっ」
ザンシンガーが三本の指で器用に取り出した剣を構え、高速でゴーシを二機一瞬で倒した!!
強い!!
ザンシンガーはその後もゴーシを相手にもせずあっという間に数機倒した。
「次はこれだぜ! ザンキャノンッイェイ!!」
ザンシンガーの背中のキャノンが前に出てきて敵を吹き飛ばした。
その威力はハタモッドに一発で風穴開けたほどだ。
「やるではないか、ザンシンガー! いやG9」
そう言って金色のカスタム機のハタモッドが姿を見せた。
「さあこい、このトーヤマ・ザ・ゴールドが相手になろう!」
どうやら、この金色のハタモッドがボスみたいだな、
相手はザンシンガーに向かって右腕を振り上げた!
「チェリーブロッサムボンバー!!」
金色のハタモッドが右肩からザンシンガーに突っ込んできた。
ザンシンガーはそれをザンシンソードで受け止め、金色のハタモッドを弾き飛ばす。
「コイツ、思ったより強いぞ!」
「どうやら倒すよりも逃げる方を優先したほうがいいみたいだね!」
「そうだな、あのスペースバスを確保してずらかるぞ!!」
ザンシンガーは空を飛び、残りのゴーシを吹き飛ばし、スペースバスを確保した。
「よし! 作戦成功だ。一気にずらかろう!」
「「「イェイ!」」」
G9はトクガーの包囲網を抜け、一気に街からアジトに帰還した。
スペースバスに乗っていた乗客はヒキャックカーゴで全員返したのでG9は大赤字だ。
「すまない、先日渡した10000クレジットやはり返してくれないか?」
ジローチョが少し情けない態度だったが、ケイトさんとオレは笑いながら彼らにお金を返した。
「すまないな。その分エネルギーと整備はこちらでやってやる」
「ありゃりゃ、タキオンキャノンがオシャカだぞ。やはり威力強すぎて砲身が持たなかったみたいだぞ」
ゲンナイさんがブツブツ言いながらガンセルやルミナス号を整備してくれた。
どうやらワープ装置もゲンナイさんが修理してくれたようで、タキオンエネルギーも補給できたようようだ。
「お前達。世話になったな」
「またこいよ、待ってるぜっ!」
「またねっ、イェイ!」
「さらばだ、お前達の旅の無事を祈る!」
そしてルミナス号はワープ軌道に入った。
——ワープ開始、10.9.8.7.6.5.4.3.2.1……0ワープ開始!——
ルミナス号は恒星間ワープに入った。
今度こそ移住惑星テラニアに着けば良いんだが。
だが、やはり話はそううまく行かなかった。
——ワープ完了、宙域……全くデータ無し。-——
また失敗かよ! ワープ装置の故障で今度はどこにきたんだ!
オレ達はとりあえず最寄りの空気のある星に着陸した。
そんなオレ達に下半身が馬の騎士のようなロボットが襲いかかってきた!
「我らラーダル軍に逆らう者を逃すな、行け、人馬兵プロタウルス兵団よ!」
今度は一体どこに飛ばされたんだ!?




