第四十四話 巨大獣デズガズ デスカンダル皇帝の最後 16
次回でついに最終回です。
皆様、最後までお付き合いくださいませ。
荒川長官、ヘンリー・ストークス博士、ベルクシュタイン博士、ジェイムズ・アームストロング大佐、各国の彼等が首脳陣を説得してくれたおかげでダバール星の数億の民の一時避難が許可された。
あくまでも一時避難であり、永住でない事。
また、人工太陽修復までの期間限定だという事を加味して、各国はダバール星の避難民を受け入れる事になった。
中には当然反対する住民達もいたが、地球の英雄であるガッダイン5や代々木博士の願いという事で渋々ながらも受け入れてくれた。
また、食料問題は巨大頭脳ブレイン総統が元素から食べ物や水を作り出せるので避難民が食事に事欠く事は無さそうだ。
そして、ダバール星の臨時政府は奇岩島基地に設けられる事になった。
地球への避難民はボボンガの村の近くのワープ装置でフィリピンに転送され、そこから各地に散らばっていった。
さあ、人工太陽の修復を始めよう。
期間は三ヶ月だ、これ以上になるとダバール星の生物が全て死に絶え、いくらダバール星人が戻ってきても生きていけない死の星になってしまう!
ダバール星の人工太陽修復には、世界中の科学者や技術者が投入され、マグネコンドルとドクローンは彼等彼女等の基地として使われた。
老朽化した人工太陽の内部機関は、超耐熱金属マルスニウムで耐熱外装を作り、内燃機関や内部の歯車、シャフト等は超弾性金属ミラニウムで形成された。
素材にはグレートシャールケンや巨大獣バルバル、ジャガジャガ等が使われ、ガッダイン5以外の大半のロボが人工太陽の一部となった。
「シャールケン、実に残念そうだな」
「レイザムか、まあな……だが平和な世の中にアレはもう必要ないだろう」
「何をいうんだ、あの大きさ、アレこそ男のロマンだろ! お前のためにまた作ってやるよ、スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルシャールケンを!!」
「勘弁してくれ、作るならせめてオレの名前を外してくれ」
こんな会話が聞こえてくる。
ああ、ついに平和になったんだな。
そして期限の三ヶ月が過ぎた、
俺達は人工太陽作動のテストでダバール星の人工太陽に向かった。
ついに……人工太陽が再動し、本当の平和が来るんだ。
——だが、現実は非情だった。——
全員の見守る中、人工太陽はスイッチを入れられ、作動するはずだった。
だが、人工太陽は動かなかった。
何故だ!?
もうダバール星人の地球滞在期間は過ぎている。
もしこれが長引けば、我慢してくれていた地球人とダバール星人の間に再び争いが起きてしまう!
代々木博士達は自分達が説得してくれると言って、仕方なく俺達は全員人工太陽を離れる事になった。
だが、全員がマグネコンドルに乗り込んだ中、俺は無人になったドグローンに乗り、一人で人工太陽に向かった。
俺には分かっていた。何故人工太陽が動作しないのか。
それは、カルシウムが無かったからだ。
爆発を起こすためにはサイクロトロンのカルシウムが必要だ。だが、この人工太陽にはカルシウムが無かった。
俺はキャプテン・ニュートンの話を思い出した。
人間一人のカルシウムがあれば、サイクロトロンは動く。
せっかくここまで生き延びた命だが、ダバール星と地球の争いを止めるためなら惜しくはない。
まあここまで楽しく作品世界を生きてこられたんだ、俺は満足だ。
通信機からひっきりなしに連絡が来ている。
最後にみんなに挨拶だけしておくか……。
「みんな、俺はこの人工太陽を再動させる方法を知っている。だがそのためにはあるモノが必要なんだ」
「あるものとは何じゃぞい! まさか!?」
「流石は皆さん科学者だ、ご存知の通りですよ。そう、カ、カルシウムです」
全員、俺が何をしようとしているのかを理解したようだ。
俺は自らの体を爆破し、そのカルシウムでサイクロトロンを動かす事を決意した。
「カルシウムくらいならわたしが一緒にいれば牛乳でも錠剤でも転送できたのに……何故人間はそんなにバカなのだ!?」
まさかブレインが俺の事を心配してくれるとはな……。
「馬鹿な真似はよすんじゃぞい! 地球人に滞在期間の延長なら儂らが説得するから!」
「人間相手ならきっとそれも出来ますが、ダバール星の自然はそれを許しませんよ。あと一日太陽が無ければあの星は死の星になってしまいます。もう他に方法は無いんですよ」
そして俺は最後に一言告げて通信を切った。
「さようなら」
さて、このサイクロトロンを発動させれば人工太陽は復活する。
四十四話の命、まさかこんな結末とはな……。だが、悪くはなかった。
俺が簡易な自爆装置を作った時、いきなりドアを蹴破る音が聞こえた。
まさか、こんなとこに来たのは……マーヤちゃんなのか!?
「ご主人様、酷いです。マーヤはいつもご主人様のそばにいたいのに……」
「マーヤちゃん、何でここに?」
「ご主人様の手助けがしたいからです、いけませんか?」
マーヤちゃんは困り眉の泣きそうな顔で俺を見つめた。
「マーヤ、本当に良いんだな?」
「はい、ご主人様の命令なら、何でもお応えします」
マーヤは俺が何をしようとしていたのかを分かっているようだ。
「マーヤ、ありがとう。それじゃあ最後の命令をするぞ」
「はい、ご主人様」
「マーヤ、自爆しろ……俺の……最後の命令………だ」
「はい、ご主人様……とても、楽しかった……です」
そして、マーヤは自爆し、俺はサイクロトロンのカルシウムとなった…………。
新作始めました。
今度の作品は世直しミミックのダンジョン配信です。
https://ncode.syosetu.com/n0313ik/
こちらもよろしくお願いします。




