第四十四話 巨大獣デズガズ デスカンダル皇帝の最後 14
アカシックレコードの怪物、ラグ・ラゲンツォもついに最後の時が来た。
この声、ブキミーダでも三島長官でもない別人の声だ!
「ナゼダ、ナゼ、ワガケイカクガッ……アノジンコウタイヨウ、アレサエツブセバ、ワハハカンゼンフッカツヲ…………。アノナカニ、ワノ……」
何だって!? 今アイツとんでもない事を言ったぞ!!
人工太陽の中にラグ・ラゲンツォの何かがあるのか!!??
「ブキミーダッ! どういう事だ!? 人工太陽の中に何があると言うんだ!!」
「アノナカニ、ワノ……コア。コノオトコ、ツカイ、アノホシヲクダキ、カンゼンナルフッカツ……」
——まさか! あの人工太陽はラグ・ラゲンツォのコアで出来ているというのか!?——
「ブキミーダ! お前が人工太陽を壊そうとしたのか、まさか……この暴走を起こしたのも……!」
「ソウダ、ワガ、コノオトコニヤラセタ……コノオトコノジヤアクナ、イシニ……カタリ……カケ……」
俺達は凄まじい事実を目の当たりにした。
なんと、あの人工太陽を暴走させたのはブキミーダで、その彼はラグ・ラゲンツォの意識に操られていたらしい。
そして、人工太陽のコアは、ラグ・ラゲンツォの物が使われていたのだ!!
許せない! この場にいる全員の気持ちが一つになった。
この宇宙の悪魔、ラグ・ラゲンツォを倒す、その思いがこの宙域全てに伝わったのだ。
「シャールケン、オレ達に力を貸してくれ!」
「タツヤ、勿論だ。オレの全力、アイツを倒す為に使ってくれ!!」
——これは、【ロボットシミュレーションゲーム】の合体必殺技、超電磁ファイヤーファイナルストライクか!!——
本編での超電磁ファイナルストライクは、巨大獣デズガズの剣を拾い、その剣を使い超電磁クロスフィニッシュを決めた後、錐揉み回転しながらデズガズの剣を頭上に構えてそのまま貫く技だった。
この超電磁ファイヤーファイナルストライクは、グレートシャールケンのファイヤーヘアーでマルスニウムの剣を燃やし、ガッダイン5に投げて手渡し、その燃え盛る剣で超電磁クロスフィニッシュを決めてから錐揉み回転で敵を貫く超必殺技だ。
グレートシャールケンは残ったエネルギーの全てをグレートファイヤーヘアーに注ぎ込み、マルスニウムの剣を燃やし尽くした。
「タツヤ!! この剣を使えっ!」
「わかったぜ! シャールケンッ! 行くぞ、これが最後の超必殺技、超電磁……ファイナルウウウゥストラァアイクだぁぁあああーーーーっ!!」
「グオオオォオオォオオアッッ!!」
ラグ・ラゲンツォの最後が近づいていた。
中央部を貫かれたラグ・ラゲンツォは再生も出来ず、残ったマイナスエネルギーが漏れ出している。
「きさまら……ぜんいん、じくふふぉおうかいほうの……えじゅきに、なってちまぇぇえ」
もう自我すら残っていない三島だったブキミーダがコクピットから這い出て何かを中央のコアに持っていこうとしている!
「こりぇが、わちの、むげんゆにっとぢゃぁあ、こりぇが、ありぇば、むげんえねるぎぃで、じきゅうふぉうかいほう……が、うてるの……でゃぁああ」
マズいっ! アイツ、持参していた無限ユニットを使って時空崩壊砲を発動させようとしている!!
アレが発動すれば、今度こそ宇宙が終わりだ!!
ダメだ、誰もあそこまで間に合わない、さらに下手にロボットでアレを攻撃したらそれが時空崩壊砲のトリガーになってしまうので遠距離攻撃も不可能だ!!
今度こそ……終わった。
俺達は全力で戦った、だが、結局は宇宙は滅びてしまうのか……。
全員がついに宇宙の最後を覚悟した時、機動要塞ドグローンから飛び出した小さな人影があった!
物凄いスピードで走るアレは、まさか! マーヤちゃんなのか!!
足のあるマーヤちゃんはマーダーロイドの本気の速さでラグ・ラゲンツォのブキミーダ目指し駆け上った!!




