第四十四話 巨大獣デズガズ デスカンダル皇帝の最後 12
ついに、想像し得る最低最悪の事態が起きてしまった。
アレは……ラグ・ラゲンツォ!!
俺の考えた究極厨二病機体だと思っていたらまさかのアカシックレコードの究極魔神だったヤツだ!!
少し動いただけで星に津波を起こすほどのエネルギーを持つ究極の破壊神!
困った困った困った、マジでどうしょうもなく、困った!!
これ、俺の死亡フラグなんてレベルじゃない怪物だぞ!!
どうやってこんな怪物と戦えばいいんだ!!
自己再生、自己増殖を持ち、敵すら取り込む究極のロボット、それがラグ・ラゲンツォだ!!
「アレ、ラグ・ラゲンゾ。ウチュウノアクマ。ラグ、オレタチノコトバデ、シ、キュウキョク、ウチュウナドノ、イミ」
遅れてきたとか停滞とか衰えるなんて意味じゃねー!! もっと恐ろしい輪廻とか死に匹敵する意味だったわーっ!!
ボボンガはアーゴンで出撃しようとしている。
ダメだ、まだアーゴンは完全に調整できていないんだ!!
だが、ボボンガはアーゴンで出撃してしまった。
「ウチュウノアクマ、ラゲンゾ、アーゴンガ、タオス!」
だが、アーゴンはラグ・ラゲンツォの腕の一振りで一瞬で中破してしまった。
武器すら使ってない手を振っただけでなんという威力だ!!
俺達はあの怪物に手も足も出せずに全員負けて死んでしまうのか……。
俺がアカシックレコードに触れてしまったせいで、この物語は下手すれば全員死亡、宇宙崩壊という最低最悪の結末になってしまうのか……。
ラグ・ラゲンツォの前にはガッダイン5もグレートシャールケンも敵ではなかった、武器すら使わずアイツはガッダイン5とグレートシャールケンを薙ぎ払って中破させたのだ。
ダメだ、このままでは手も足も出せずに全員が死んでしまう。
——俺達全員が絶望を感じた時、救世主が姿を現した。——
「爺、目の前で戦闘が行われておるぞ」
「はて、この辺りに星なんて無かったはずなんですがね。この辺りは確か悲劇の星ダバール星の伝説があった宙域ですわい」
「爺、なんだ?その悲劇の星とは?」
俺が拾った通信から誰かの声が聞こえる。
どうやら二人の人物が話をしているようだ。
「ダバール星の伝説、それはかつて存在した星の物語です。その星は豊かな星でしたが、星食いの悪魔により滅ぼされたと聞きます。星喰いの悪魔は、太陽を星にぶつけ、粉々に砕いてからその星を喰らったというのです。最後の女王は内乱から別の星に逃れた王の娘で、再び戻ってきた星の最後の女王になったと言われておりますわい」
「だが爺よ、どうも僕達はワープをミスして時空間ワープしてしまったようだぞ。という事は、アレはちょうどその星喰いの悪魔が星を滅ぼそうとしている所なのでは無いのか?」
「はて、さようですか。ですが若、時代に干渉するのはよろしく無いかと、星が滅びるならそれもまた運命の定めですわい」
この会話、どこかの王子と御付きの爺といった会話のようだ。
「ならぬ! 弱き者、困る者を見捨てておくのは王では無い。余はベテルス星系の王として恥ずかしく無い生き方をするのだ! 行くぞ、オリオン!」
「お待ちくだされ、リゲル王子!!」
リゲルだって!?
まさか、オリオンとリゲルって……アレは未来戦士エルオリオスのリゲル王子なのか!?
「そこの者達よ、余はベテルス星系の王子、リゲルだ! 余はお前達に加勢する! 行くぞ、プロキオン、シリウス!」
「了解です、リゲル王子! ヘラクレス、準備OK!」
「コチラも、問題ありません! ミラ、準備よし!」
戦士の形のロボ、ライオン型のロボ、そして、鯨型のロボの三体が俺達の前に現れた。
どうやらこの三体が合体して未来戦士エルオリオスになるようだ!
「行くぞ、クロースイン・トライアーングル!」
リゲル王子が叫ぶと、戦士、ライオン、鯨の三体のロボが合体を始めた!




