第四十四話 巨大獣デズガズ デスカンダル皇帝の最後 3
レイザム主任が仲間になってくれた事で、戦力は大幅に増えたと言える。
「成程な、実はクニヒロさんは未来から来た地球人で、ブキミーダに攫われてしまい、本来の身体を人体実験で奪われた上、その肉体を廃棄されてしまいブキミーダの身体から元に戻れなくなってしまったわけだ。アイツ、マジで最低最悪な奴だな」
どうやらレイザムは少し話を聞いただけで俺のことを理解してくれたようだ、流石はリアルチートキャラ。
レイザムは俺を見て、とんでもない事を言った。
「もし貴方の写真があれば、その写真を元にクローンを作り、その中に貴方を元の体に戻す事も出来ますよ。そうですね、実は遺骨のDNAでもわかれば写真とそれで再生可能です」
何この究極チートキャラ!!
まあ残念ながら俺の肉体はこの時間軸には存在しないので、その申し出は百%実現不可能なんだが……。
なるほど、デスカンダルのDNAからアクラデスとダンダルを作り上げたのはレイザム主任だったのか。
彼女達にはこの話は伝えない方が良さそうだな。
まあ、今の彼女等は竹千代とコーネリアのおかげで自身の宿命を乗り越えたから、聞いても問題は無いだろうが、やはりあまり気持ちのいい話ではないだろうからな。
この話はとりあえず止めておこう。
それよりも、彼に話すべき事は、人工太陽の話の事だ。
本編ではレイザム主任が居なかったので方法や理論は証明されていたが人工太陽を修復する事は出来なかった。
だが、今はレイザムに加え、代々木博士、北原みどり博士、ベルクシュタイン博士、ヘンリー・ストークス博士、巨大頭脳ブレイン総統、そして俺がいる。
これだけの頭脳や技術者が集まれば、本編で不可能だったダバール星の人工太陽を修復し、本当の平和を取り返す事も可能だ。
本編の最終話、四十四話では結局人工太陽は修復できず、大爆発を起こして破片がダバール星に降り注ぎ、ダバール星が死の星になり、最後は消滅してしまった。
ガッダイン5大百科の最終話、四十四話はこんな話だった……。
――ついに衛星ネオに追い詰められたデスカンダルとブキミーダ、彼等は悪あがきの末、巨大獣デズガズを出し、ガッダイン5とマグネコンドルに最後の戦いを挑む。
これまで散々他人を踏みにじってきたブキミーダだったが、デスカンダルが巨大獣デズガズに乗った後、ついに役立たずとして処刑されてしまう。
その処刑方法は巨大獣デズガズの足で踏み潰されるものだった。
まあ、あの卑劣漢の外道にしてはあっけない幕切れだった。
他人を踏みにじってきた腐れ外道は最後には着き従っていた主に見捨てられた挙句、巨大ロボットの足で踏み潰されたのだ。
そして、ブキミーダを処刑したデスカンダルは巨大獣デズガズでガッダイン5と最後の戦いに挑む。
激闘の末、ガッダイン5はボロボロになりながら最後の超必殺技、超電磁ファイナルストライクを巨大獣デズガズに叩き込み、ついにダバール星の悪は滅びた。
だが、自らの死を悟ったデスカンダルは――我は死ぬッ、だが……一人では死なんぞッ! この星、我を認めなかったダバール星を道連れにして最後の皇帝として死んでやるのだッ! ワハハハハッ!!――と叫び、砕け散る巨大獣デズガズを人工太陽に叩きつける為自ら最後の体当たりをした。
そして、ついに寿命を迎えた人工太陽は、デズガズの衝突により、最後の時を迎えた。
崩壊する人工太陽、それは巨大な破片を撒き散らしながらダバール星の衛星ネオを巻き込み、超巨大な隕石となってダバール星の全土に降り注いだ。
ガッダインチームは急いでマグネコンドルをダバール星に降ろし、死にゆく星から脱出する人達を助けようとした。
だが、助ける事が出来たのはほんのわずかな三百人少しで、それも細々と生きていけるだけの数がロケットに分散して乗る事しか出来なかった。




