第四十四話 巨大獣デズガズ デスカンダル皇帝の最後 2
——ダバール星宇宙軍技術主任レイザム——
この物語のキーパーソンになる人物だ。
この宇宙でも5本の指に入る天才科学者で、超弾性金属ミラニウムやマルスニウムを発明したのが彼だ。
つまり、超耐熱金属マルスニウムと超弾性金属ミラニウムを組み合わせたエネルギー炉を製造出来れば、老朽化して破裂寸前の人工太陽を修復可能ということだ。
だが、本編では……マルスニウムもミラニウムも一度きり登場の巨大獣の素材に使われただけでレイザム主任が亡くなってしまったので、再度精製する技術が伝えられないまま幻の技術になってしまった。
しかし、今この時間軸だとあのマルスニウムやミラニウムをブレイン総統や代々木博士、北原みどり博士達が解析可能で、レイザム主任本人が精製方法を伝えてくれれば人工太陽の修復用エネルギー炉を作ることも可能だ!
「ウルワシア様! 何故アイツがここにいるのですか!? アイツは、いつもボクの技術を横取りして自分の成果だと発表していたクズなんですよ!!」
あーあ、レイザム主任は俺を見るなり、いきなり罵倒してきた。
まあ、あのブキミーダの常習的な成果横取りの被害に遭っていれば当然か。
そして、彼はブキミーダとウルワシアが形上は夫婦だと知らないらしい。
「落ち着いてください。あんなのでも彼はあたくしの夫なんです。そして、今は彼の中には別人が入っているのですわ」
少し取り乱したレイザムだったが、さすがは科学者というべきか、そのすぐ後に状況を受け入れたようだ。
「成程。つまり、本来のブキミーダはウルワシア様の旦那だったが、今ここにいる彼はなんらかの理由でその身体に入っている別人という事ですね。それが科学的要因か超常現象かは現時点では分かりかねますが」
ここまで冷静かつ的確に一瞬の情報から答えを導き出せるとは、さすがは天才科学者というべきか。
「それで、本来のブキミーダはどこに? 実はボクは彼には溜まりに溜まった恨みがあるので、いくらウルワシア様の旦那だとしても絶対に許しません! 彼には絶対に今までの卑劣な仕打ちの精算をさせてやりますっ!!」
レイザムの顔が新聞四コマギャグや昔の少女マンガに出てきそうな牙とツノが生えて白目の変顔になっている。
最近のシリアスな風潮で久々にこの変顔キャラを見て俺はほっとした。
「レイザム! レイザムではないかっ!?」
「その声、お前は……シャールケンか!」
変顔をしていたレイザムはシャールケンに呼び止められ、元のイケメンに戻った。
「まさか生きてまたお前と会えるとはな、悪運の強い奴め、実はボクは死んでいると思っていた」
「いや。そうとも言えない、オレはそこにいるクニヒロ殿のおかげで生き延びることができたんだ。そうでなければオレはブキミーダに殺されていた……」
そう言うとシャールケンはオレの方を見て頭を下げた。
「クニヒロ殿、貴方がいなければこのダバール星と地球はいつまでも戦いを続けていたに違いない。そして、あの悪辣な皇帝デスカンダルの圧政は終わる事なく続いていたに違いない」
「そんな。俺だけの力では無いですから、みんなが協力したから実現できたんです。それに、まだ攫われたエリーザ様を助け出すという使命が残っていますし」
「シャールケン、まさかエリーザを攫ったのはブキミーダかデスカンダルなのか!?」
シャールケンが頷いた。
「そうだ、アイツは今地球人のミシマという男の身体の中にいる。そしてデスカンダルと組んでこのダバール星をめちゃくちゃにしようとしているのだ!」
「わかった、シャールケン。ボクも協力しよう。必ずエリーザを助け出すんだ」
シャールケンとレイザムが固く手を握り合った。
その様子を遠目に見ている誰かがいるようだ。
ちょっと集音器で声を拾ってみよう。
「ああ、シャールケン様とレイザム様、やはり美形同士の絡みは最高ですわ。次回の本のネタあの二人にしましょ」
……オイ、そこの変態腐女子、少しは自重しろ。




