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第四十三話 巨大獣バミンゴ 勝利を呼ぶ5人の力! 12

 俺が地球人だと聞いたウルワシアは特に驚く様子も見せなかった。


「どうやら貴方がたはあたくしの聞いていた地球人とは少し違うようですね。まあ、伝承は一万二千年前のものですからね、その頃の地球人と今の地球人は別のものと考えて良いのかもしれませんわね」


 ウルワシアは俺に嫌悪感を持っていないようだ。


「あたくしの聞いていた地球人は、野蛮で粗暴、争いを常に続け、そして自らの星を傷つける民族だと聞きました。ですがそれは今のダバール星人とそう変わらないのかもしれません」


 ウルワシアが悲しそうな目で話を続けた。


「貴族だけが肥え太り、民衆は明日食べるものにすら事欠く、ハリール叔父様はお忍びで身分を隠して出かけて戻って来る度にその事を嘆いていました」

「ハリール様は立派な方だったのですね」

「はい、叔父様はあたくしの初恋の方でした。誰にも優しく、そして賢い、その上貴族だと偉ぶらない、あたくしはハリール叔父様のおかげで庶民の生活を知り、この星を変えようと決意しました」


 なるほど、本編でウルワシアが革命の首謀者になった原点はそこにあったのか。


 四十話以降のダバール星編とも言える話ではウルワシアが首謀者の革命軍が出てきたが、彼女がハリール王子の姪で彼の意思を継いで革命軍を指揮していた事までしか伝えられていなかったので、何故革命軍のリーダーになったのかまでは知られていないままだった。


 そして、地球人が敵ではない事を知った彼女はガッダインチームとマグネコンドルクルーに、寝たきりになりもう動けなくなった自分の代わりに民衆の事を託した。

 歴史や文献では地球人を知っていた彼女だったが、実物の地球人を知らなかったので本物に触れ、自分達にとって地球人が敵ではない事を実感した。


「それで、地球人の貴方はブキミーダのやつに体を奪われたというわけですね。その本来の身体はどちらに?」

「それが、彼が必要とした身体に精神を移した後、必要なくなった俺の身体はどこかに捨てられてしまったようで、もう元には戻れないのです……」


 あまり下手な事を言うよりはそれっぽい話にしておこう。


「なんという事でしょう! アイツ、そこまで非道な事をしたのですね! それで、アイツ……ブキミーダは一体誰の身体に?」

「それが、困った事に地球最強の軍人である三島長官の身体を奪ってしまったのです。本来の持ち主はあそこにいる少年の身体に入っています」


 他人が聞くと意味不明な会話だが、事実なのだから仕方ない。


「そうでしたか。地球人の貴方、そういえばまだお名前をお聞きしていませんでしたわね」

「俺は大河内邦裕(おおこうちくにひろ)と言います、ウルワシア様」

「クニヒロ……様ですね、これからはこの公爵家のあたくし、ウルワシアが貴方の後ろ盾になりましょう。どうか、あたくしの事を頼りにしてくださいませ」


 本編と違い寝たきりにならなかったウルワシアは今後俺の事をサポートしてくれると約束してくれた。


「あら、お母さま、クニヒロ様、ご機嫌よう」

「キレーダ、貴方……この方がブキミーダでは無い事を知っていたのですか!?」

「ええ、お母さま。最初聞いた時は驚きましたが、あのお父さまが豹変したと聞き、地球の基地に降りてからの態度は全くの別人というくらいワタシに優しかったので、少し違和感を感じていました。でもそれが別の方がお父さまの身体の中にいたと聞いて納得しましたわ」


 ウルワシアは娘のキレーダの言う事を聞き、俺が彼女に優しく接していた事を知った。


「そうなのね、それでその後地球人の捕虜になってしまったわけなのね……」

「はい、むしろ、あのミシマという男の中にお父さまがいると聞いてとても納得できましたわ。彼は、ワタシを洗脳して地球人と戦わせようとしたのです。ですがそんなワタシを助けてくれたのが地球人のゲンタローさんだったのです」


 キレーダの話を聞いたウルワシアが、目頭を押さえていた。

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[良い点] >「どうやら貴方がたはあたくしの聞いていた地球人とは少し違うようですね。まあ、伝承は一万二千年前のものですからね、その頃の地球人と今の地球人は別のものと考えて良いのかもしれませんわね」 …
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