第四十三話 巨大獣バミンゴ 勝利を呼ぶ5人の力! 6
デスカンダルは本編と同じように巨大獣バミンゴを戴冠式の式典会場に投下してきた。
この巨大バミンゴ、ガッダイン5大百科の巨大獣図鑑によると……。
——巨大獣バミンゴ——
全長54メートル、重量1600トン
全身に銃火器や砲台を搭載した遠距離近距離関係無く敵を殲滅する殲滅兵器とも言える巨大獣。
両手のバルカン砲で敵を蹴散らし、両肩のキャノン砲で遠方の敵も迎撃する。
頭部の高射砲は高距離の敵に対応し、足元のフットガンとニーミサイルで低地の敵を殲滅可能。
今までの反省を活かしたかのような誤爆誘爆対策をした全身銃火器の殲滅用ともいえる。
戴冠式会場上空から飛来し、多数の民衆を踏み潰した後に両手のバルカン砲で大量虐殺を開始、逃亡しようとする民衆や迎撃しようとした兵士達をニーミサイルで吹き飛ばした後に肩のキャノン砲で長き歴史を誇る皇帝宮殿を瓦礫に変えてしまった。
千草がいない為に戦えなかったガッダイン5になれないダインマシンを痛めつけるが、皇帝の地位を投げ捨てて駆けつけた千草がダインクルーザーに乗った事でガッダイン5に合体してからは、ガッダイン5の敵ではなかった。
ビッグミサイルスパイラルで右肩のキャノン砲を潰され、左肩のキャノンをマグネティックランサーで切り裂かれ、超電磁プロペラで全身の砲身を切り刻まれて無防備になったところを超電磁ストームで上空に持ち上げられ、超電磁クロスフィニッシュで爆発四散した。
全身銃火器系の巨大獣は何度か出てきたが、こいつはマジで強かった。
【ロボットシミュレーションゲーム】では後半の量産型雑魚として大量出現するが、大抵五桁で HP高い、遠距離攻撃鬼、装甲硬い、銃弾切れがほぼ無い重武装……と、マジでマップによってはこいつらが何機もいてかなり苦戦するレベルだ。
だが幸いそれはゲームの中だけ設定で、本編ではコイツは一体だけだ。
それならこれだけ居る地球のロボやダバール星の巨大獣で迎え撃てるはず。
デスカンダルの大型飛行艇から飛び降りた巨大獣バミンゴはエルベΩ1のセイレーンストリームで落下予定の場所から吹き飛ばされた。
民衆達は歓声を上げている。
どうやらこの戦闘を何かの演出だと勘違いしているようだ。
オイオイオイ、これが演出なわけないだろうに、当たれば確実に大量大惨事だぞ……。
まあ、エルベΩ1が空戦特化の機体だったので、あの巨大獣バミンゴが落下した直後にセイレーンストリームを巻き起こしたので地面に落下する前に山の向こうに吹き飛ばせたということか。
巨大獣バルバルとグレートシャールケンが吹き飛ばされたバミンゴを山の向こうで倒した。
随分とあっさりと倒されたもので、アレが本編で大量虐殺を行った巨大獣だとはとても思えなかった。
グレートシャールケンはシャールケンソードで巨大獣バミンゴの首を刎ね、左手で高くその首を掲げた。
これが差し詰め皇帝就任の戴冠式の余興のようになったので、民衆は強きダバール星人と、美しき女帝を同時に見ることが出来、歓声を上げていた。
悔しがっているデスカンダルの上空に不快な声が聞こえた。
「ケカカカカカカカッ! そんなガラクタを倒したからと安心するのはまだ早いわ、この式典会場は、この宇宙最強の魔神の生贄の謝肉祭の会場となるのだ!
——アレは!? ラゲンツォ! だが、ラゲンツォは以前俺達の見た姿よりも凶悪で禍々しい姿になっていた。
「ラゲンツォは進化する魔神。辺りの物を取り込み、更なる力を得たのだ! さあ、貴様らはこの破壊の神ラゲンツォの生贄となれ!」
「そうはさせないぞ!」
「何故だ!? 何故パイロットが四人しかいないはずのガッダイン5が今動けるのだ??」
三島のブキミーダが動揺していた。
「それは、チグサの代わりに我が乗っているからなのだ!」
「その声、アクラデスなのか!? 何故だ、貴様は自身の秘密を知り、狂死したのではないのか!?」
やはりアクラデスの最後を知っている事から考えても、あの三島のブキミーダは本編での処刑の後の時間軸からやってきたに違いない! 俺はそう確信した。




