第四十三話 巨大獣バミンゴ 勝利を呼ぶ5人の力! 5
とりあえず、千草の戴冠式がもうすぐ始まるとして、もう民衆は今か今かと集まり始めている。
千草の護衛はダバール星の皇帝親衛隊以外にブルーマフラー隊とタイタン部隊がつく事になった。
指揮をしているのは実質ケン坊の姿の三島長官だが、ミザーリンがそれを他の隊員に伝えている形だ。
シャールケンは帝都インペリアルの南にグレートシャールケンで待機。
バルガル将軍は本人が敬愛するハリール王子の娘であるチグサのそばにいたいという気持ちを押し殺し、巨大獣バルバルで北の守りについている。
西には鉄巨人イチナナとイチハチが待機し、フジ子とサブロウが中に乗り、ブレンは空中から様子を確認して二人に伝えている。
東には戦士ボボンガのアーゴンが構え、エリザとスタンリーの巨大獣ジャガジャガが待機している。
千草のいないガッダイン5は代わりにアクラデスが乗り、マグネコンドルで上空からの巨大飛行艇の襲来に備え、エルベΩ1と空中で待機、ダンダルはコーネリアのサポートでエルベΩ1に乗っているようだが……かなりコクピットが狭そうだ。
しかしこれだけ万全なら巨大獣バミンゴ程度なら確実に返り討ちにできる。
だが問題は、ラゲンツォが再び出てきた場合だ。
もしアレが出たらここにいる民衆全員が死亡どころか消滅だ。
——マジでそれだけは勘弁してくれ!!——
あんなモン、出現した日にゃここが戦場になる程度じゃ済まない。
せめて、宇宙空間でなら戦えるかもしれないが……。
!! 待てよ! 宇宙空間なら……これだ!
もしラゲンツォが出てきたなら、マグナブラスターで宇宙空間まで吹き飛ばせばいいんだ!
エルベΩ1のセイレーン・シュルスリート、鉄巨人イチナナ、イチハチのグラビトン・ブラスト、そしてガッダイン5のビッグミサイルスパイラル。
相手を吹き飛ばすような力のあるロボットはこんなところだ。
全員でラゲンツォが出現したら吹き飛ばしながら弱らせ、トドメにマグナブラスターを叩きつける!
これならもし仮にラゲンツォが出現しても対抗可能だ。
だが、できる限りこんな事を考えたくないものだ。
三島のブキミーダが出てこない事を祈りたい。
俺の心配をよそに、千草の戴冠式は盛大に行われた。
本編ではアーゴンに殺された革命軍の人達も無事だったので、本来の戴冠式よりもさらに多くの観衆が増えたらしい。
千草の戴冠式が始まった。
千草はエアカーのオープンカーに乗り、民衆にニッコリ笑いながら手を振った。
これは本編でもあったシーンだ。
この時の笑顔の千草のセル画は安川氏自らが描いていた。
キャラクターデザインの彼の最もお気に入りのシーンだとガッダイン5大百科にも書かれていたくらいだ。
千草の戴冠式スタイルのガウンを着て王笏を持った姿は、流石に王族の娘というくらい美しく、絵になっていた。
本編では龍也が顔を真っ赤にしていたくらいだ。
だが、この時間軸では千草と龍也がくっつく流れというよりは、龍也はエリーザ様と良い感じだ。
なので龍也はそこまで顔を真っ赤にするというよりは、仲間の晴れ舞台を見守るといった雰囲気だ。
今のところ空は穏やかで千草の戴冠式を祝福しているような天候だ。
だが、本編ではその直後にデスカンダルの大型飛行艇が襲来し、ブキミーダが巨大獣バミンゴを投下していった。
もし本編と同じ流れだとするならば、この直後に招かれざる客が上空から現れるわけだ。
「遠方に巨大物体確認! アレは、大型飛行艇じゃぞい!」
来やがった! デスカンダルと三島のブキミーダは本編と同じように大型飛行艇で襲来し、巨大獣バミンゴを戴冠式会場に投下していくつもりだ。
「新皇帝の即位おめでとう、我からの贈り物だッ! さあ、心して受け取るが良いのだッ!!」
大型飛行艇から巨大獣バミンゴが投下された!